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2012/08/31(Fri) 18:33
104◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:00:09 ID:Gm.JNTnA0


農業集団化。
歴史にその名を刻む大事業。
しかしその道は平坦ではなかった!
___  __________
      ∨
    ,,,,,,,,,,,    ||    ||   ,,,,,,,,,
   [,,|,,,★,|,]   ||    ||   [,|,★,,,|,]    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ( ´∀`)  目    目  (・∀・ ) <  ボリシェヴィキ党の階級闘争は
   ( つ  )つ       ⊂ NKVD,)  | ここから急加速をはじめる。
  ┃レ __   | ̄ ̄ ̄ ̄ | ___,ノ┃ | 同志やる夫の山あり谷ありの戦いは
  ┗━┳┳\ | ̄ ̄ ̄ ̄|,/━┳┳┛ | まだはじまったばかりだ。
      ┃┃   |_____,,|   ┃┃   | では、本編をはじめよう。




       第二十七話 農業集団化 成功に目が眩んで

105◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:01:06 ID:Gm.JNTnA0


1930年1月、やる夫は大規模な農業集団化の即時実行を表明。
同時に富農階級の絶滅とそのための大攻勢を宣言した。



              ,. -─────────‐- .、
             // ̄ ̄\      / ̄ ̄\\
           /                     \
          /        ::::::::::::::::::::::::::::::::       \
        /   / / ̄\\::::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::// ̄\\  \
       /    |  |. ┃ .| | ::::;;;;;;;;;;;;;::::| |. ┃ .| |    \
     /      \ \_// :::::::::::::::::: \\_//      \
    /     ../ ̄ ̄\ /   ::|::   \ / ̄ ̄\..     \
   /         :::::      |      |      |       :::::      ヽ
  |               |      |      |              |
  |               \__/\__/               |   ボリシェヴィキ党書記長
  |                |       |               |
  |                |r─‐┬──、|                |   やる夫・スターリン
  ヽ                |/   |    |              /
    \              \      /             /
      |\     /\     / |   //   /\     / |   //
    _|  \/\/   \/\/ |∧/ //\/   \/\/ |∧/ ///
    \                                      /
    ∠       富 農 は 皆 殺 し だ お ! !        >
    /_                                 _  \
     ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|∨| /WW\  /\|\  .|   ̄
      //   |/     \/     \|  |/      \/     \|
´⌒ ,,_∧  ∧_Å #__#  ∧_∧ §_§ ,,,,,,,,,,,,  ↑_↑ ∧,,∧`)⌒`)
´⌒(◆∀・) (メ皿●)( ・д・) ( ゚皿゚ )( ・∀・) ( ゚∀゚ ) ( ・д・) (・д・))⌒`)`)
(⌒━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>)⌒`)
⌒⌒∧_∧ 个__个  tttttt  ▲_,,,,,, △△△  ∧∧   へへ   ∧_∧`)⌒`)
(´⌒( ゚皿゚)(◆∀・) ( ・∀`)(´・∀・`)( ・皿・) (゚∀メ) (・Д・) ( ・∀・ ))⌒`)`)
´⌒━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>
´⌒ ,,,,,,,,,,,,   ↑↑  ∧,,∧  ∧,,,,,,,,,  /ゝ,,,,,,  tttttt   ▲,,,,,,   △▼△`)⌒`)
(⌒( ・∀゚ ) (。∀゚) ( ・皿・)( ・д・,,)(◆∀・,)( ・д・,,) (◆∀・) ( ・皿・))⌒`)`)
´´━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>)⌒`)
(´( l , O  l , O  l , O  O 、 l  l , O  O 、l  O 、l  O 、l`)⌒`)
(´⌒( ´⌒( (⌒(´⌒88888   ∧_∧   ∧_∧)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)
  (´⌒(´⌒(´⌒(´( ・≧・ ) (  ^^ )  (;:.@盆@)つ)⌒`)⌒`)`)⌒)人
      (´⌒(´⌒( つ  / ヽ[| ⊂[) .( つ  /ミ `)⌒`)`)⌒`)(;0w0)ノ
    (´⌒(´⌒(´⌒|  (⌒)  (⌒)  | (|  (⌒))⌒`)⌒`)`)⌒`)`)丿
        (´⌒(´し'⌒^    ̄ (_)`)し'⌒^`)`)`)⌒`)`)⌒`)

いまや農村に対する圧倒的な社会主義的攻勢が始まったのである。

106◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:01:46 ID:Gm.JNTnA0


【補足】


                                              ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
                                              =           ゙ミ
                                              ミ     ★     ゙ミ
                                              ミ            ゙ミ
                                              ミ;=======゙ミ
                                            / ,=          ヽ
                                           /  ,='  _  ∧_ _,,
               さて、いよいよ始まりました           /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_
               大粛清と並んでやる夫の二大悪事と       ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\
               称される農業集団化。                 { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ
                                             ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ
               この農業集団化をもって                |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/
               わが「赤い皇帝」スレ第二部は            | |{i t    _     / |
               いよいよ流血のフィナーレを迎えるのです。    | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
                                             // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
                                        r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
                                       __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
                                       ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |

     |: : : : : : : :/   /        \ `丶ト、:.|:.:.:.:.:.:.:|: : : : :ート、、ヽ
    ヽ.ィ: : : :/   , /    l         'i '"´: : :.:|:.:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
      r‐:':::::::/   / / .     |     .l.    | .',: : : :.:|:.:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
     ',_:、:::/   |||.     |    .|.    | `丶;.:.|:.:.:.:.:.:.:!: : : : : :ハ::ヽ
      ノ:,'   .|l|      \   ト、   | l !´: :.:!:.:.:.:.:.,' : : :r ' `¬
      /:| | .   |十ト 、     |__x ┼‐ヽ- / | .).:: /:.:.:.:./: ::::::::|    |:    ようやく前半の折り返し地点に
.      /:::,! |   .VV_ _\  `丁__ヽ|_____∨ ヽ{: : :/:.:.:.:./::::::;::::ノ|    !:    来たというワケかしら。
     /:::::ハ.ト 、 ト下丁丁  ‐-不三丁丁フ  ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::! |   .!:
.    .ヽ|l ',ヽ \| 弋_‐.フ    弋_ー_フ   | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l .!   |:    ・・・なんて感慨に耽る余裕のないほど
         |丁|  ,、,、       ,、,、,、l  ! .|:.ヾ ニフ    !::l .|   |:    本編は不穏な空気よね。
.           | l| ′′      ′′′| l| .|/:.:.:.:.⌒ヽ丶|. |:  ..|:
         / / 人             | l| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|:   |:
          / /| |_  > .._  r_‐_、  _,  l l.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  |:
       /,イ | |! /:.:.:.::::ハィュヘ: ̄「「ヽ ..,' .,':| |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ|:
      ノ'   | .| ,′/`ヾニンリ:::..:.:.:.:.:./ /:.:.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
    ..'"ィ    | ||:.::':.:.:.:.::.:.`¬´:.:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.
   <._ <   .| ||:.::::::::::::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:! !:.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|






107◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:02:43 ID:Gm.JNTnA0


       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',     まさしくその通り。
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|     農業集団化の本意は
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |     ソ連農業の近代化というより、
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|     実際は革命以来10年以上に渡って
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|     ソヴィエト権力を跳ね除け続けてきた
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |     農村を完全に破壊し屈服させることにありました。
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /


    つ:::::::::::::::::rー-'三三_ -―――‐-- 、)::::::::\  _
   (:::::::::::::::::::::::) 三= '´/       、  (_:::::::::::::丶<::::::`ー、
    `ー,:::::::: __ノ /  / /    \  \ ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
     (_:::::: ヽ/   / /      ヽ  、ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
     r’:::: /      {    |!  | |!  |!ハノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
     `ァ: :′ /  / !     |!  |! |!  |! |`ー, : :::|三|:::::::::::::::} '.
      ヽ.′ /  /  |!      |!  |! |!  }! | Y:::::::::|三|:::::::::::::/  {
.      | | |!  |!   |!     i}  } |!  /_!_| ゝァ : :|三|::::::::_;ノ|   '.    そう。
.       | | |!|  |!、 {! |!   // /}//孑' /イ (_ : :r'--{:::::::) |   |
.       { | | { 卞ト、ハ!_  //ノノィ≦ケテ| (:::::〈ん)、) 〉´ |   |    そしてやる夫たちは
       ヽト、 {ヘ、从ィ升=ミノ´   /弋じ:::}| 〉 : ゝニン   |  |   「農民階級との最終決戦」に
         ヽ乂ヘ!ゞ、rゝ':{`      宀'´ |  ∨//    |       臨もうとしているのよね。
          }  |ヘ ^¨´  、          |   {ノ´     |    |
          川 | 丶     r‐、       ノ  } !        |    |    そして、ソ連を
          //}  ! _≧-..、 `´ ,∠⌒<}/ 八ヘ      |    |    西欧列強に匹敵する
           // j /':.:.:.:.  .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.  / />ヽヽ     |    |    大国家にのし上げるために・・・
         ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}イ夊)=-:.:.: / /:./::::::ヘ∧    |   |
       // / />ァー:. :.:.:.:`¨)´:.:.:.:.:./-ー=二二〕\  |   |

108◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:03:18 ID:Gm.JNTnA0



            ,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:、
            ミ             ゙ミ
.              ミ      ★      ゙ミ
           /ミ             ゙ミ \
          《  ミ;========゙ミ } 》
.             》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《
.            /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:|
           l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :|      今や地獄の釜が開こうと
           | :| : : :|/ :/ //:/ :/  ヽ: : | ハ: :|      していました。
           | :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :|
           } :|八 :代uzノ    弋uzノ仏イノ: :|      これから一体何万人が・・・
.           ′:} 仆⊂⊃     ⊂⊃イ 八 : :|      いや、何百万人が犠牲になるのか?
.        /: : / 八 >  ~~~ .イ}{ : : : |      その確実な数字は今もって明らかではありません。
.        /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : :
.        / : : : : {   》《_》《_》《 〈 /  、: :丶          しかしこれが、第二部のフィナーレを飾るに
       /: : : : : : }   《_/八_》      }: : : :\         相応しい悲劇であることについては、
     /: : : : : : :/    ∨{><}{    {: : : : : : :\       いささかの疑う余地もないでしょう・・・
    / : : : : : : /人,___人}><}人__人\ : : : : : :ヽ
   《 : : : : : : // { ̄/∨`¨¨¨´∨\ ̄} \\ : : : : : \
  《 : : : : :/ 《(   } {_人    人_} {  )》 \ : : : : :》
   》: : :/   》)  人人_))   ((_人ノ (《    \: : :《
  《 :/    《(    \        /    )》      \ 》
   `\\    ≫x、    \__/   ,x≪     //


【補足終わり】

109◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:04:17 ID:Gm.JNTnA0


                     コルホーズ
農業集団化の本質は、農民たちを集団農場に強制的に加入させ、
           ミ  ー  ル
閉鎖的で反ソ的な農村共同体を切り崩す点にあった。



   ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
  〈● ノ\   /\ ●〉
    ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ
    )    Y    (       そして、政府の指導下にある
   /γ⌒     ⌒ヽ\      集団農場に囲い込むことで、
  /  |         |  ヽ    ソ連農業を完全な統制下に置き、
  |   ヽ__人__ノ   |    穀物の調達を円滑に進めることもできるのだよ。
  \     `ー'´     /
 第二書記・やる夫の盟友
     ヴァチェスラフ・モロトフ

              ,─、
          , ─ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~─、
        /            \
       /               l
       l                 |
      |┌─-______──~|  |              工業化に必要な物資を
      |/                  |  |              調達するために、
      |   -─_       _─-、 |  |              農業の近代化が必要不可欠なんじゃよ!
      | /\__/|   | |___∠ヽ \|
  __ ─|  「`--' _l __ /_`--' /   |─__             つまり農業集団化は
 (_ | |  | \ヽ ̄_/ ┐┌  \ ̄/ / | | | _)            単に農業自身の問題というだけでなく、
   ̄ ─|  l  ̄            ̄  l  |─ ̄   ___      工業化に直結する重大な事業なんじゃ!
        | | ┐ ,─     ─、  |  |_   / ヽ___ 入
     //|∩ |┐_ ヽ r _  l  |  |::: ─_|       l
   /::/::/ /| /~  ───  \|   |   |\:::::::::|       /─、
   /::/::| 〈 | |┌──── ̄ 7|     l\\::::::\___//  \
  l:::l::::| ヽ  | ~| _____/ |   /|:::|::::::\:/     /    /─、
   \:::|  ) / /        丿  /:l::::|:::::::::/ \   /    /   l
   | \|__//~─- ̄ ̄──'  /::/::::l:::::/   l  /    /   /~l
   |  |   |─______─ ':::::/::/:∠_   |/   /   / /
   |  |─-|:::::::::\::::::::::::/:::::::://:::|   7\  l _/ |__/ /
   |  |   |─__ `──':::::::::::/::::::─\__l_ /        \/
   |/|   |  \:::: ̄ ̄ :::::::::/ ̄ ̄::::::::::::::|\       /|
   |/|   |    \::::::::::::::/\:::::::::::::::──| `───-/::::::|
     第三書記・超工業論者
           ヴァレリアン・クィヴィシェフ

110◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:05:21 ID:Gm.JNTnA0


農村におけるボリシェヴィキの影響力は小さく、その党員割合は
だいたい農民100人につき1人か、それ以下であった。


:::::::::::::::::::::::::::::::: : :: :: : ::: : :              ヽ   i
::::::::::::::::::::::: : : : ::                ヽ
:::::::::::::::::: : : :              \ ヽ
:::::: ::: : : : ,,,,,,,,,,                   ∧ ∧
::::: : : :: : [,|,,★,,|]         \   Λ_Λ*‘∀‘) Λ
: : : : :  .(´・ω・`)ショボーン        ( ^∀^)   )(^ワ
___ l⌒i⌒⊂)___     ヽ   (     ) |   | ∩
    / ⌒'⌒    /       \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄
__/_____/||         ||\_____\_
_|||_____||/||        ||\||_____|||_
  |||   し し   .||  ||        ||  ||          |||


組織率の低さもあいまって
農村での党活動はしばしば堅固な農村共同体の前に阻まれていた。

111◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:06:44 ID:Gm.JNTnA0


農業集団化を一気に推し進めるために、ボリシェヴィキは農村部に
「社会主義の尖兵」を新たに送り込む。

                   ';';,..
                    '';;';';;,.,
                      ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
          ザッ                ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                             vymyvwymyvymyvy     ザッ
                 ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
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    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ /\___/ヽ
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   \  `ニニ´  .:::::/\  `ニニ \  `ニニ´  .:::::/ニ´ \  `ニニ´  .:::::/
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彼らは「二万五千人組」と呼ばれ、農村を社会主義化するために活動することを任務とし、
農業集団化においても主導的な役割を演じることを期待された。

112◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:07:51 ID:Gm.JNTnA0


そしてそれ以外にも、7万2千人の志願者からなる労働者の集団と、
集団化の「訓練」を受けた5万人に上る赤軍兵士が地方の農村に送り込まれた。


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ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,. ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ, ミ,,ノ,, ゚Д゚iミ
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ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ::..ゝ_ア´::`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、 ゝ:: ̄´`T、   ̄´
く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く:: く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ く_::ノ、´ヽ
.(_/  ー' (_  (_/  ー' (_  (_/  ー' (_. (_/  ー' (_/  .ー' (_/  .ー' (_/  .ー' (_/  .ー' (_/  .ー'


これに2万3千人の役人と、1万3千人のコムソモール員が後に続く。

113◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:08:26 ID:Gm.JNTnA0


彼らの役割は「猟犬」であった。農民を集団農場へと追い立てる、まさに「猟犬」である。


´⌒ ,,_∧  ∧_Å #__#  ∧_∧ §_§ ,,,,,,,,,,,,  ↑_↑ ∧,,∧`)⌒`)
´⌒(◆∀・) (メ皿●)( ・д・) ( ゚皿゚ )( ・∀・) ( ゚∀゚ ) ( ・д・) (・д・))⌒`)`)
(⌒━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>)⌒`)
⌒⌒∧_∧ 个__个  tttttt  ▲_,,,,,, △△△  ∧∧   へへ   ∧_∧`)⌒`)
(´⌒( ゚皿゚)(◆∀・) ( ・∀`)(´・∀・`)( ・皿・) (゚∀メ) (・Д・) ( ・∀・ ))⌒`)`)
´⌒━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>
´⌒ ,,,,,,,,,,,,   ↑↑  ∧,,∧  ∧,,,,,,,,,  /ゝ,,,,,,  tttttt   ▲,,,,,,   △▼△`)⌒`)
(⌒( ・∀゚ ) (。∀゚) ( ・皿・)( ・д・,,)(◆∀・,)( ・д・,,) (◆∀・) ( ・皿・))⌒`)`)
´´━∪∩━〈>∩━〈>∩━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩ ━〈>∩━〈>∩━〈>)⌒`)
(´( l , O  l , O  l , O  O 、 l  l , O  O 、l  O 、l  O 、l`)⌒`)
(´⌒( ´⌒( (⌒(´⌒88888   ∧_∧   ∧_∧)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)⌒`)
  (´⌒(´⌒(´⌒(´( ・≧・ ) (  ^^ )  (;:.@盆@)つ)⌒`)⌒`)`)⌒)人
      (´⌒(´⌒( つ  / ヽ[| ⊂[) .( つ  /ミ `)⌒`)`)⌒`)(;0w0)ノ
    (´⌒(´⌒(´⌒|  (⌒)  (⌒)  | (|  (⌒))⌒`)⌒`)`)⌒`)`)丿
        (´⌒(´し'⌒^    ̄ (_)`)し'⌒^`)`)`)⌒`)`)⌒`)


彼らの多くが猛烈な使命感に燃え、富農への憎悪を煮えたぎらせていた・・・

114◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:08:58 ID:Gm.JNTnA0


そして、熱烈な集団化キャンペーンが始まったのである。

農村部に送り込まれたボリシェヴィキ活動家らは農民を集めて集会を開いた。
コルホーズへの加入を説得(強制)するための集会だった。

                  ,、、、、,,
                ィイ    `ミ;、
                彡     ミミ:、
                彡xx''゙゙'''゙'゙'゙.:.:.:.``ヽ、
                ,.'´#.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ
             /##:#:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
                /.'##.:.:.★.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙,
            ,′##.:.:.:.:.:.:.,,、、- ── ‐- 、、、.:.:.:.:.:゙,
              ,′. :. ,.'"´            ``丶
           j!.: :/      ,,,、、-‐ ===z、、,,    \  集団農場に行こうぜ、明日を築きに。
             j!.:/    ,. '"´   ,.ィ∠ ̄`` .:.``ヽ、   {            ニコニコ笑顔でみんなが待ってる
          jレ′ ,.ィ==ミヽ    ,rヒrリフ'´     `ト、j{
           {  /.: .:,rヒri}゙.    ` ''          `ヽj  集団農場に行こうぜ、畑を耕しに。
          ', /l   ´二´  ,′  .:、 :.: .        1             党に入ればこの世の楽園
           Vu       ,(,, .. - '^ヽ. :. :. .    ;.: ',
            ,′.    , ′     ,,,. ィ       ;.: .'.  集団農場に行こうぜ、旧習を捨てて。
              ,.イi  .:',    ! ー<ェョェョェフ'´       j!ト、           富農を殺してみんなが幸せ
         / / ハ        `ニニニ´      ,:′//. :.\
         /  / / ' 、      '"  ̄¨``  ,.., .イ  //.: ;: .  ヽ     集団農場に行こうぜ、党を信じて。
      /     ̄``ヽヽ、`ヽ、,,       .:.: ;.:'´ // :;: ;: .
    /     . : :;: .: ;: .: . 丶、、``二ニニ二"´,. ‐ '´._/. : :; .:; :;
          . :. :;: . :;. :; .: .: .:. ``丁F‐ ''"´. :. :;: ; :.: .: ;: .
                 .:. :. :; :.: O. :. :;: . : :.

  /~ ̄\
 ⊂===⊃
  (;´∀` )  ・・・・・・
  (    )
  | | |
  (__)_)

115名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:10:05 ID:V571AiAQ0
説得(物理)、説得(殺意)ですね

116◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:10:53 ID:Gm.JNTnA0


しかし、農民たちの間では、集団農場は「新たな農奴制」であるとみなされていた。
集会では地元のリーダーたちが農民らに反対するように声を上げるのが多々見られた。

                                                     ┌──────────────────
                                                     │あんたらは俺達を集団農場に追い詰めて、
                                                     │農奴にする気だろう!
                                                     └v─────────────────
                                                      ∧ ∧ ∩
    ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧   (`・ω・´)// ∧ ∧    ∧ ∧
 ∧( ´・ω )  ( ´・ω )  ( ´・ω )  ( ´・ω )  ( ´・ω )  ( ´・ω )  ( ´・ω )   |  │  (ω・` )  (ω・` )
( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) ( ´・ω ) (ω・` ) (ω・` ) (ω・` )





だが、そういった人物は次の日か、あるいはその日のうちに「反ソ分子」、
あるいは富農とされて逮捕されてしまうのだ。

               ____
     ∧_∧     ヽ=@=ノ
     (´・ω・`)     (,, ´∀`)
     (  (つ(つ∝∝∝と    )
     ノ  r ヽ      人  ヽ
    (_,ハ_,)     (_ヽ_,)

117◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:11:59 ID:Gm.JNTnA0


そして再び集会が開かれ、集団農場への加入は「円滑」に進められていくのである。


                ,.'´#.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ
             /##:#:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
                /.'##.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙,
            ,′##.:.:.:.:.:.:.,,、、- ── ‐- 、、、.:.:.:.:.:゙,
              ,′. :. ,.'"´            ``丶
           j!.: :/      ,,,、、-‐ ===z、、,,    \   さぁ、ここにサインしな。
             j!.:/    ,. '"´   ,.ィ∠ ̄`` .:.``ヽ、   {
          jレ′ ,.ィ==ミヽ    ,rヒrリフ'´     `ト、j{   集団農場への加入を「希望」する農民は
           {  /.: .:,rヒri}゙.    ` ''          `ヽj
          ', /l   ´二´  ,′  .:、 :.: .        1   この書類にサインするんだ。
           Vu       ,(,, .. - '^ヽ. :. :. .    ;.: ',
            ,′.    , ′     ,,,. ィ       ;.: .'.
              ,.イi  .:',    ! ー<ェョェョェフ'´       j!ト、
         / / ハ        `ニニニ´      ,:′//. :.\
         /  / / ' 、      '"  ̄¨``  ,.., .イ  //.: ;: .  ヽ
      /     ̄``ヽヽ、`ヽ、,,       .:.: ;.:'´ // :;: ;: .
    /     . : :;: .: ;: .: . 丶、、``二ニニ二"´,. ‐ '´._/. : :; .:; :;
          . :. :;: . :;. :; .: .: .:. ``丁F‐ ''"´. :. :;: ; :.: .: ;: .
                 .:. :. :; :.: O. :. :;: . : :.

    ∧ ∧     ∧ ∧     ∧ ∧    ∧ ∧     ∧ ∧     ∧ ∧    ∧ ∧            ∧ ∧    ∧ ∧
 ∧(;´・ω・`)  (;´・ω・`)  (;´・ω・`)  (;´・ω・`)  (;´・ω・`)  (´・ω・`;)  (´・ω・`;) ∧ ∧     (´・ω・`;)  (´・ω・`;)
(;´・ω・`) (;´・ω・`) (;´・ω・`) (;´・ω・`) (;´・ω・`) (;´・ω・`) (´・ω・`;) (´・ω・`;) (´・ω・`;) (´・ω・`;) (´・ω・`;) (´・ω・`;)


これらの圧力にはあらゆるものが動員された。
暴力の他にも、集団農場に加入しない者には行政サービスも医療サービスも提供されないようになっていったのである。

118◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:12:37 ID:Gm.JNTnA0


しかし、彼らはまだ幸運であった。
「富農」とみなされた者には集団農場に加入する権利すら与えられず、絶滅の対象とされた者もいたのだ。

                                 __     __     __
                                | |     | |     | |
     _/⌒)                       | |     | |     | |
     `,l=★l_                      ∧ ∧|  ∧ ∧|  ∧ ∧|
     (,,゚Д゚)                  ’;゚∵・ ゚д’;゚∵・゚д゚’;゚∵・゚д’ ) 
     /~i|`:´ヽ__,从 ズガガガガガ゙      (、''<V>^^'(、''<V>^^'、''<V>^^'ハ
     ゝil,ア'(0∩゙゙゙゙゙゚ W               ll':==:= lノ ll':==:= lノ ll':==:= lノ
     /__,ハ__,ゝ                     ll_____,ゝll_____,ゝ ll_____,ゝ
     〈,,__,l、_,〉                     (^,,,(^,,,,)|(^,,,(^,,,,)|(^,,,(^,,,,)|

119◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:13:11 ID:Gm.JNTnA0


政治局は「打倒すべき富農階級」をおよそ500万人から600万人と見積もっていた。
そしてモロトフはこれを三つのカテゴリーに分ける。


     イ ⌒ ヽ   , ‐ 、
    〈  ● 人 人●)
     !、_  ノ Y /           第一カテゴリーは敵対的富農!
     _r j   i (               これらは直ちに処刑されるべきである!
   / γ      \
   |.  |        i          第二カテゴリーは敵対的富農の親族!
   |.   !、 ___人_ノ.l             これらは例外なく強制収容所に隔離すべきである!
   ,..-'ヽ.   `ー- ' /
  ./::"::::`ヽ、.,__ __ノ ゙          第三カテゴリーはその他の潜在的危険性のある富農!
 /::i::::::::::::"'弋'!ー',イ>|'_ノ´`ー -,,_ _      これらは集団農場への加入を許可せず、
. }:::゙|::::::::::::::::::::~゙:_戈;f"  、    イ/ `i     そして農村への残留も許さない!
/:::::::!;:::::::::::::::::::/',r.テ    \xー.ォ、__ノ     しかるに即刻強制移住させるべきである!
::::::::::::ヾ!:::::::::::::l .l r'   ` 、_冫y"
:::::::::::::::::\o:::::l .ト、  ヽ,_ノ"ー'
:::::::::::::::::{::::{\代 l>ー、,_ノ

120◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:14:11 ID:Gm.JNTnA0


しかし、富農の合理的な算出方法はなかった。
農業集団化が党の絶対方針となったいま、そして富農への一切の慈悲が許されなくなった以上、
集団化に反対するあらゆる農民が富農と見做されるようになったのである。



                   ,,,,,,,,,,,
                  [|,,,,★,|]      あいつも富農!こいつも富農!
                 (__・∀・)      あと、そいつも富農だ!
                /´~ V:V~ヽ
            __/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\__
            |   | |    村ソヴィエト.    |  |   |
            |   | |                  |  |   |


実際、富農は農民人口の4%~5%しかいないとされていたにも関わらず、
当局から富農とみなされた人数は最終的には農村人口の15%~20%に達した。

121◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:15:54 ID:Gm.JNTnA0


これは同時に、またもや党指導部による扇動の結果でもあった。


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /:::\:::/::\.   |   |     富農撲滅に積極的でない村ソヴィエトは
   / <●>::::::<●>\  !   !
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l     まさに富農に支配される「富農ソヴィエト」なのだ!
  |     |!!il|!|!l|      |  /
  \     |ェェェェ|     //
  / __        /
  (___)       /


弱腰とみなされた地方の村ソヴィエトは、早晩粛清される運命にあったからである。

122◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:17:32 ID:Gm.JNTnA0


熱狂は過熱した。1930年初頭だけで第一カテゴリーと見做され逮捕された農民は20万人に上る。
第二カテゴリーと合わせると膨大な数字に達した。

        ,. -- 、、    __
      /, .:'"⌒ヾーァty'´::`ヽ
   -‐ァ'/::::::::::,ィ:、:Y;.::|;、:::::::::::',、
   /' /::::::::::/ ̄`リ::/`''i::::::::::l ヽ
  ,イ ,ィi:.:.:.:.:./_     l:ノ   !::::::::::l ハ
z彡ィ'/ !  /、`ヽ /,..-―|::.:.:.:.::!  |
 イ/ ,j|:.:.:.ィ;ミiヽ`//.:,==l: :.: .:!.  ':、
 /l ,イ,'::::/ ̄´/ ,'   、fti   /// r\      まずいぞ。
 ´レイlノ:::/     ;.:.   `7:.:.:.:/,'./イ :.  ヽ     これでは早晩刑務所は満員になりそうだ。
  彳lメ:ノ     丿:  /:::::::イ//彡| ∧
 /l/イト、 ヽ――- 、_ /:::/l// /イル'!ヾ:.      富農撲滅の速度を緩めるワケにはいかん。
△イ「l/リl>、 `` ニニ ‐ シ//,イイハ从 | リ      かといってこのまま刑務所をパンクさせれば
  ▽ /ル'|i\ ゙"゙ /:/,.ィfテ八l>/レヘ !        通常の刑事犯の収容もままならん。
    ▽ リ| ` ―△'´/|▽    ▽
     _/    '´_∠ ┴z_    '′       国家の秩序維持に悪影響を及ぼしかねんな。
    /く彡'´Lr‐ '´ __,、   人
  ,-‐{/|   /_,. - '´  ,. -'´:.:.:ゝ、
. | // / ,'_,. -彡'":.:.:.:.:/:.:.:.:` ̄`` 丶 、
. リ ,' /i  !::::, -'´:.:.:.:.:.:./、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.,. -‐ヽ
. / / ,/::| ,l/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:`>‐ '"´:.:.:.:.:.:.'、
/  ,'/::::l/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:, - '´:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
OGPU長官 ヴァチェスラフ・メンジンスキー

123◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:18:28 ID:Gm.JNTnA0


   r、r.r 、|:::::           |
  r |_,|_,|_,||::::::    ::::::::::::::::::::::|
  |_,|_,|_,|/⌒     ::::::::::::::::::::::::         ふんふん・・・
  |_,|_,|_人そ(^i    :::::::::::::::::::::::ヽ
  | )   ヽノ |.  ┃`ー-ニ-イ`┃       何やら困っとるようでんなぁ、メンジンスキーはん。
  |  `".`´  ノ   ┃  ⌒  ┃|
  人  入_ノ´   ┃    ┃ノ\
/  \_/\\   ┗━━┛/ \\
      /   \ ト ───イ/   ヽヽ
     /      ` ─┬─ イ     i i
    /          |      Y  | |
    /           |      ヽ__|_|

124◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:19:05 ID:Gm.JNTnA0



   巛彡彡ミミミミミ彡彡
  巛巛巛巛巛巛巛彡彡
  |:::::::          i  ブフッ
  |::::::::     /' '\ |
  |:::::    -・=- , (-・=-
  | (6    ⌒ ) ・ ・)( ^ヽ      どうでっしゃろ?
  | |    ┃ノヨョヨコョョi.┃ |
  ∧ |    ┃.ト-r--、| ┃ |      ここはひとつワシに
/\\ヽ  ┃ヽニニニソ┃ ノ      任せてみまへんか?
/  \ \ヽ. ┗━━┛/ \
.    r‐-‐-‐/⌒ヽ-ーイ   `、   ぱぱっと解決してみせまっせ。
ヽ、  |_,|_,|_,h( ̄.ノヽ  ビシッ  ヽ  なに、ワシは宝石商やっとったんや。
ー-ヽノ| `~`".`´ ´"⌒⌒)     ヽ 囚人の管理もそろばんはじくのも、かわりまへんやろ?
ノ^ //人  入_ノ´~ ̄       )
     ゲンリフ・ヤゴダ

125◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:20:52 ID:Gm.JNTnA0


   |l | /:::::::::::::::::::::::::/          !: ::!       ヽ:::::::::::::::::::ヽ ヽ ',
   !l l !:.:.:.:.:.:.::::::::::::/___     l:.:/      __',::::::::::::.:.:.:.:.',  ヽ',
   ノ | l:   :.:.:.:.:.:/   、__`゙ミ=ュ ,':/   ,,ィ'"´__,::::::::',:.:.:.:.:   :|  ',
.  /!| l l:...:.     /_,,..;ァ==ミ、`' // ゙ :::'´: '_´,. ===ミt,     |  ト'、
 / リ ! |:::::.:.:....:.. /   .Y:fj>=─. ,'/  |:::::::::::─=<fj:Y |、:..  ...:.:|、 ', |
,/ // | |:::::::::::::::/r''¨´ ̄´     !'   l::::::::::::::::::::::::::` ̄`'!i:.:.:.:.:.:.:.:.| ', ',j     優秀なチェキストは
 // | ',::::::::::::/!           〈    |::::::::::::::    :::::::::::,'l|:::::::::::::::l ¦リ!     囚人の管理をよく心得ている。
ノイ! ,!i l',:::::::::ハl、                |:::::::::::::::   ::::::::://|:::::::::::::/  ! ト'、
    リ ハ::::::::{トミ'!                |:::::::::::::::::::::::::::::::,'i/ |:::::::::::/  l |     これからの大闘争で急増するであろう
   /! //!:::::::トトッ              ノ:::::::::::::::::::::::::::::// ,!::::::::/ / ,.N     膨大な数の囚人の管理は
  / ,!/イ l::::::::トi,ヽ            :::::::::::::::::::::::::::ノ'′ノ:::::::/  l /|l '、     我々OGPUにとり死活問題だ。
   / /| リ!::::::| jゝ.'、   `='''''¨¨´ ̄ ̄`¨¨'''=イ:::,'   /:::::,イ / lj l! ヽ
.  // l/ l:::::::l//下ゝ、             :::::::::::::::::::::/  /:::/l| j|i |l ヽ     一任しよう同志ヤゴダ。
 /´  ,ノ ,ノ:::::ノ/ /| l|/l\      `~""'''''""~´::::::::::::| ,.イ:::/l リ/!ト、 l!       われらの事業をより円滑ならしめるために・・・
    /;::ィ´/ /,ィ! l| li| \     :::::::::::::::::::::::::::/ |::/ l /l/ ルヘ」
  /ヾシ'´/V/!イィ!」-'ァリ!   丶、    ::::::::::::::,.::::' _」:L..,>イ リ<l77


_ _ _ _  彡ミミミミミミミ彡
-─ ニ 三  巛巛巛巛ミミ彡彡
       |::::::    ⌒  ⌒ l
 - ─ ニ  |::::::   ( ・) , ( ・)
       (6   "" ) ・_・)("ヽ      ま、朝飯前ですわ。
- ───  l     ┃トョヨヨョイ┃l
 ─ ─   ヽ.   ┃ヽニニソ┃ノ      それじゃさっそく仕事に
     , - ''^ ヽ、__、___,_/  (ア,)   取り掛からせてもらいまっせ。
ニ ニ / (    ★OGPU★) ~('" ノ
    /ヽイヽ       99ヽ-- '
 = 'ヽソ /  lニコ__ロ[日]ロ ノ
── ─  {   '"´  ` ̄ヽノ
 _ _ _ _ヽ、__ ,,ィ__/
  ゚       (  , <_、_つ
   ・ ,。 .゚ _(__/
_ _ _. ;・ 。ヽ,_`っ。_______

126名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:20:57 ID:V571AiAQ0
ホモ・ロリコンとならぶスタスレのレギュラーことヤゴダがここで来たかw

127名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:21:21 ID:rIi82ZY.0
ヤゴダの配役ww

128◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:22:06 ID:Gm.JNTnA0


          |   / \, ∨   ,|| .|| .|| .|| .|| .||
  ,, ,,, ,,,,   |    ̄ ̄~~  ,    || .|| .|| .|| .|| .||
    ,,, ,,, ,,, |   ,,  ,     ,, || .|| .|| .|| .|| .||
          | ,         ,, ,,|| .|| .|| .|| .|| .||
 ,,,, ,,,,   ,  | ,  ,,,       , || .|| .ii‐ii‐ii‐ii
,,,,  ,,,, ,    |  ,,   ,   ,,   || .|| .ll .|| .|| .||         __
          | ,,     ,,,     || .|| .|| .|| .||=||D      [|★,,,,|]
 ,   ,,,,  ,, |______,__||_,||_,||_,||_,||_,||_____________(´∀` )
        /,,  ,,, ,(;゚Д゚)  ,   \|| .ll .|| .|| .||       (OGPU)
      / , ,,, , ,,,/  |    , ,  \!!、|| .|| .||       | | |



           ミミミミミミミミミ彡
          巛巛巛巛ミミミ彡
          |::   ⌒   ⌒  ::|
          |::  =・=,  =・= ::|     まず最初に、お前らなぁ・・・これはアカンて。
          (6 ⌒ )' ・_・)' ⌒ a)     いくらロシアが広いからいうて、
      ,,-'  ̄ ヽ|   ┃(^_^)┃  |     刑務所は無限やあらへん。
    /     t、.  ┃ヽ_.ノ┃  |     まして富農にくれてやる土地なんて皆無なんや。
   /   、、i    ヽヽ、 ____,__/
  /    ヽノ   j,  ̄`   ´ヽ、      スペースはもっと無駄なくつかわんと・・・
  |/⌒ `ヽ、_  //    /r    l
  {       ̄''ー-、,,_,ヘ^    ノ
  ゝ-、,,,,,______)-- 、 /
   /   \__        ノ
  |        "'ー‐‐--t-''

129◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:22:58 ID:Gm.JNTnA0


          |   / \, ∨   ,|| .|| .|| .|| .|| .||
  ,, ,,, ,,,,   |    ̄ ̄~~  ,    || .|| .|| .|| .|| .||
    ,,, ,,, ,,, |   ,,  ,     ,, || .|| .|| .|| .|| .||
          | ,         ,, ,,|| .|| .|| .|| .|| .||
 ,,,, ,,,,   ,  | ,  ,,,       , || .|| .ii‐ii‐ii‐ii
,,,,  ,,,, ,    |  ,,   ,   ,,   || .|| .ll .|| .|| .||         __
          | (;゚Д゚)(゚Д゚)(゚Д゚;) || .|| .|| .||=||D      [|★,,,,|]
 ,   ,,,,  ,, |(;゚Д゚)(゚Д゚;)(;゚Д゚)_,||_,||_,||_,||_,||_____________(´∀` )
      (;゚Д(゚Д゚;(;゚Д゚)Д゚;)Д゚)|| .ll .|| .|| .||       (OGPU)
      /  |/  |,/  || | | \!!、|| .|| .||       | | |


   巛彡彡ミミミミミ彡彡
  巛巛巛巛巛巛巛彡彡
  |:::::::          i
  |::::::::     /' '\ |
  |:::::    ( ・ ) ,  ( ・ )      どや!これで完璧やろ!
  | (6     "" ) ・ ・)'""ヽ
  | |    ┃ノヨョヨコョョi┃ |     25人用の監房?ケチケチいうたらアカン!
  ∧ |    ┃ ト-r--、| ┃ |
/\\ヽ  ┃ヽニニニソ┃ ノ     100人でも200人でも詰め込んだったらええねん!
/  \ \ヽ. ┗━━┛/ \
.    r‐-‐-‐/⌒ヽ-ーイ   `、   だいたい定員の4倍~5倍の人数が一番やな!
ヽ、  |_,|_,|_,h( ̄.ノヽ        i
ー-ヽノ| `~`".`´ ´"⌒⌒)     |
ノ^ //人  入_ノ´~ ̄ノ     ノ

130◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:23:49 ID:Gm.JNTnA0



   巛彡彡ミミミミミ彡彡
  巛巛巛巛巛巛巛彡彡
  |:::::::           i
  |::::::::    ⌒   ⌒ |
  |:::::    -・=- , (-・=-
  | (6    ⌒ ) ・ ・)( ^ヽ            あと、数が増えるなら
  | |.     ┏━━┓ |            人数も減らしてイカンとなぁ。
  ∧ |      ┃ヽ三ノ ┃ |
/\\ヽ     ┗━┛ ノ            ひとつの刑務所でだいたい
/  \ \ヽ.  ─── /|\     ノ7_,,, 、   一日70人から140人くらい「処理」しぃや。
    (⌒、"⌒ソ⌒ヽ- イノ  `、  ( ィ⌒ -'"",う
    ~''(_)(_)(_)(_)ソ-ィ     ヽノ   ,イ^   ほら、後がつかえとるからさっさとするんや。
  _ヽ /`、_, ィ/   ヽ      ヽ─/
/,ィ'"/     /    `、     ) /
           /ミ O G P U 彡 i
\       ノ       |      |
  \__ /       ノ    99 ノ


                                 __     __     __
                                | |     | |     | |
     _/⌒)                       | |     | |     | |
     `,l=★l_  <死ね富農            ∧ ∧|  ∧ ∧|  ∧ ∧|
     (,,゚Д゚)                  ’;゚∵・ ゚д’;゚∵・゚д゚’;゚∵・゚д’ ) 
     /~i|`:´ヽ__,从 ズガガガガガ゙      (、''<V>^^'(、''<V>^^'、''<V>^^'ハ
     ゝil,ア'(0∩゙゙゙゙゙゚ W               ll':==:= lノ ll':==:= lノ ll':==:= lノ
     /__,ハ__,ゝ                     ll_____,ゝll_____,ゝ ll_____,ゝ
     〈,,__,l、_,〉                     (^,,,(^,,,,)|(^,,,(^,,,,)|(^,,,(^,,,,)|

131◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:24:29 ID:Gm.JNTnA0


   巛彡彡ミミミミミ彡彡
  巛巛巛巛巛巛巛彡彡
  |:::::::          i
  |::::::::     /' '\ |
  |:::::    -・=- , (-・=-         ああ、それと囚人に食わすメシもタダやないねんで。
  | (6    "" ) ・ ・)(""ヽ        食事は一日100~150グラム程度で十分やろ。
  | |    ┃トェェェェェイ┃ |
  ∧ |    ┃ヾェェェ/ ┃ |        ん?ポルタヴァの刑務所で
/\ノノノヽ ┃  ⌒  ┃ノノヽ      2000人の囚人につき毎日20~30人が餓死してる?
::::::::::|ヽヽヽ ソ⌒ ヽ━┛r ⌒ '`ノ、     それがどうしたん?
::ヽ、:::|::::`- 、_  ノ,ヘ、ヽ  _,/::::;'ヽ
::::::::ヽ:|:冫、ニニ ク ヾ__ノ |、二,クヽ:::/::::::|   あのなぁ、それより家畜の心配しいや。
::::::::::/::::::::::::::/ヽ i l, ./|::::::::::::::\:::::|   牛や豚は餓死されたら困るからなwww
:ソ/::::::::::::::::::/::::;ヽl i/::::|:::::::::::::::::ヽ::|



ど '"゙`づ,,゙゚'Д゚'彡:つ   メ・・・メシ・・・

132名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:24:54 ID:V571AiAQ0
さすが代を重ねるごとに外道度と狂気度がアップしていくやる夫時代のソ連の秘密警察長官は違うぜ・・・・

133◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:26:26 ID:Gm.JNTnA0


ゲンリフ・ヤゴダは宝石商の息子として生まれた。
貪欲な出世主義者でありやる夫体制下の「奴隷労働経済」の構築に多大な貢献をすることになる。
この頃、OGPUの強制収容所管理において辣腕を振るう・・・




., r ' " ´ ̄` ` ' ト 、       \,,人,从/\ノヽ、ノヽハ人
\  これにて     /        )
  \  一件落着  /        <  ま、
   \.,;'"´|``';,、./ミミミミミミミ彡   ,,)  こんなもんやでwwww
     \ヽ| //ミ巛巛彡彡彡彡彡 `ヽ
       ,ィ^ヽ::::::           |  //ヽノWV\/Vヽ/\/Y
     / /,ヽ、:::     /' '\ |
    /' ´ " ' ヽ   -・=- , (-・=-           |  ̄ ̄ | ビロ~ン
    /     {ィ'     ⌒ ) ・_・)( ^ヽ     /壱\ | 壱  |/ `ヽ、
   ノ_    ノ-'    ┃ノヨョヨコョヨi┃ |   / \ 億 | 億  | 壱 /
  /   `'ヽノ|     ┃ |コュユコュ|┃ |    \ 壱.\. ,'´i,'´i ,r、億 / バビロ~ン
/      /-i ヽ、   ┃ヽニニニソ┃ノ   ┌─\億. \| ,|| ,| / /  /
      /  | ヽヽ   ┗━━┛/ト-、  | 壱億\'ヽ. | | |/ /、 / ビロ~ン
     /   |   ヽ ` - 、`ー-ー'/  | ` |____ヽ`ヽヽ ' {
    ノ `ヽ l___ ヽ  ,,ィ介ヽ/ _|  ィ\    /     /
    ゞ、  `、  /   ヽ i | / \   /  ヽ  ノ、    /
    ノ  ヾ  ヽ \   ヽ |/  /  ,;'     /`ヽ、ニ,,ソ
          i   \    /   ,,イ   /       /

134◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:27:08 ID:Gm.JNTnA0


逮捕を免れた第三カテゴリーの農民らも幸運とは言えなかった。
彼らは土地を没収され、財産をはぎ取られ、列車に乗せられ、遠隔地へと強制移住させられた。


ガタン
   ゴトン                      ガタン
                                 ゴトン
,,,,,,,      - .,,,,,,,,,,,,    ,,,,,,,,,,,  ,,,,,,,,,,,,  ,,,,,,,,,,,,, ,,,,,,,        ‐ ,,,,,,,,,,  ,,,,,,,,,,,,,,  ,,,,,,,,,,,,,,  ,,,,,,,,,,,,, ,,,,,,,
,,,,,,|,].    二 [,,,   ,,] [,,|,,,,,,,,,|,,].[,,|   ,] [,,|,,   ] ,,,,|,]      二 [|,,,,,,,|,,][,   ,|,,] .[,,|,,,,,,,,,|,,] [,   ,,,,] ,,,,|,]
Д`)    = (lli ´д`)( ・-・ill)(liヽ゚д゚)( iilli‐-)i゚д)     =  (Д-ill)(・Д・ill )(lli、´-`)(‐Д‐ ill)゚-)
 ̄| ̄| 二  | ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| 三  | ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
─|  | 三  |  |───-─-────-────-|  | 二  |  |───-─-────-────-|  |
_|  | 二  |  |________________|  | 三  |  |________________|  |
_|  |冂=,冂|  |________________|_|冂=,冂|  |________________|_|冂=
ニl ̄ `^'∽^´ ̄lニ三廿三ニl───── ‐lニ三廿三ニl ̄ `^'∽^´ ̄lニ三廿三ニl───── ‐lニ三廿三ニl ̄ `^
_________.ゝ_.ノ________..ゝ_,ノ________ゝ_,ノ_________.ゝ_,ノ____
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
 ⌒  ⌒ ⌒⌒l⌒l_ ⌒__  ⌒⌒⌒ ⌒ ⌒  ⌒⌒  ⌒⌒⌒ ⌒ ⌒  ⌒⌒⌒ ⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒ ⌒⌒
          ノ   、 ̄_ノ ⌒               ∧,,,,,∧                   ∧,,,,,
       と('。Α。ヽ)く ''                `⌒⌒⌒⌒´              ,. -‐っヽ::д)m_
        ∨ ̄∨ ヽ)⌒                


列車のなかでは1日10人あたり100グラムの食事(およそパン一個)が与えられた。
幼い子供が移送中に餓死することは珍しくなかった。

135◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:28:17 ID:Gm.JNTnA0


彼らの移住先はシベリアの僻地、あるいはもっとひどい場合は北極圏の不毛地帯であった。

目的地につくと農民らは列車から放り出される。
そこは家一軒ないあれ果てた荒野やタイガで、無造作に看板が立てられた。

: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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                                   _,,..-‐''`'ー-、_
 _,..-'''"~""''' ‐- ...,,___,,..-‐''~""''' ‐-~""''' ‐- ...,,__'''""~



        ,,,,,,,,,,,
        [,,|,,,,,,,|]  ミ _ ドスッ
        (   ,,)┌─┴┴─┐
       /   つ.5番定住地.|
     ~′ /´ └─┬┬─┘
      ∪ ∪      ││ _ε3
               ゛゛'゛'゛         ∧∧
                           (゚Д゚;)
    ∧∧ ∧∧l||l        ∧∧     .U  U
   /⌒ヽ/⌒ヽ) ………   /⌒ヽ)     |  |
  ~(___~(___)       ~(___)      し`J
 ''" ""''"" "'゙''` '゙ ゙゚' ''' '' ''' ゚` ゙ ゚ ゙''`' '' ''' ゚` ゙ ゚ ゙''`

136◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:29:04 ID:Gm.JNTnA0


そして、そのまま放置される。生きていく術もない状態で。


 ,,,,,,,,,,
[,|,,★,,|]
( ゚д゚)ノシ   じゃ、あとは自分達でどうにかしろよ。
 ノ





彼らが最初にすることは寒さをしのぐために地面に穴を掘ることであった。
そこを当分の「家」とするのである。


     ∧∧
    (;Д; ,)⌒ヽ    そんな・・・これからどうしろってんだ・・・
     U‐U^(,,⊃'~   こんな何もない場所で、こんな真冬に・・・



彼らの半数ほどは冬を越せなかった。仮住まいの穴は、そのまま墓穴となった。

137名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:29:11 ID:.yuXhbvM0
こんだけ農民殺したら畑耕す奴いなくなるんじゃなかろうかと、素人の俺は愚考するんだが…

139◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:29:47 ID:Gm.JNTnA0


1930年初頭だけで、すでに40万人もの「富農」がロシア北部に強制移住させられたと言われている。


           _
             |i|
             |i| ∧_∧    ∧_∧                              /」_∧     ∧_∧      
             G(Д  ;)    (Д <<  G      << ;) ___   ∧_∧     ||Д" )    ( ・Д_∧    
              |と    \    /    ヽ   \     G  G´|.XX|  (メД" )    8二  )    (T  (。。 メ)    
            di| ヽ  ,  ヽ   し  ヽ  しし  ヽ      〉   .ヽ.XX|   ∪∪ ヽ    || | ヽ     Y   ∪∪ ヽ  
            ム| (__,/ ヽ__,)   (_,ヽ_(_)ヽ__,)   (_ヽ_) ̄    (_) J      ||_) J    (_) J ヽ___⊃ 
"`"'"^´''"''"'"'^´''"''^´''"''"`"'`'''"^´''""'"^´''"''"'"'^"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"`"'"^''"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"`"'"^´''"''"'"'^


移住先の村には時々役人が査察に訪れ、暴力の味を知った一部のものは
その辺にいる富農の子供たちを鞭で叩きのめすのが常であった。



               /二二ニノ   ∧_ノヽ_ノヽ_ノ
                //´      ト、ノ
                 //        } ム あ い 生
        ,r/77くニニノ   __   く   シ り  ら き
        /{r==、ノ    /_r_,<>、  〉 ケ が れ て
      く/<} o {>  r、__{ `ハ¨ /}  ノ  ラ た る
       く/ o ゝ_r}ィ=ニ=-く__\  ど い だ
.      くレ´ ̄´ ーr ⌒ ,  ヽヽ/ く  も  と け
       { {_ ___、  /   ヽ廴ノ //  思
          ヽ__,,.rュ―ァ-イ⌒  }/ ) ・・   え
           {_L/^二二二ニ{ ⌒\     ハ    /
            }/ / ,  _ノ  }}     V⌒//⌒Y⌒
            | /j _}_r-=ニ廴___.   /厶___ くユユ
             ヾ,/, -r ´-=ニニヽ   \// ̄ ̄ ̄´
.               Y',',',',{ ニ=- ―ヽ―‐/厶____
           _rゝ',',',V//´   ー=ゝ∠-――― ´
            /´   ミ\',',V/´    -=ニ',   ___      /!
        r┴- 、_ イ.三>、/´  ー=ニ{    `二二    /|
       /´ ̄`ヽ ヽ} }} >´  ヽ , ―-、ヽ  ` ̄ ̄  //
       〉´ ̄ ゚ }ー厂´       Y /´ ̄>{   ___// /}
       〉-―‐゚/¨7        人V_/´_゚ゝ、` ̄ ̄ ̄_//
        (  _゚イ=/    _/{/ ___ ゝ、__゚ゝ、    ̄ ̄7/
      厂  。}}_/   /Zノ /彡彡^ ヽ} Z___゚ゝ、   ∠/ <77/7
      {__/7   /Y/,  {彡{{   ミ} /\_゚}}、       ∠/
.     /ー―'ニ{   ノ} {{ } 弋 、_Lィ /V\ ヽ―-
  r― ´    }ミ}  (二ニrmt≧-=‐'   ` ―-


しかし、彼らの多くが本当に「富農」であったかは疑わしい。

人口のうちほんのわずかな真の「過剰に裕福な農民」の他にも、
ただ自分の土地や村を守りたかっただけの者も相当数いたはずである。

140◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:31:30 ID:Gm.JNTnA0


だがその純粋な思いだけでもボリシェヴィキにとっては恐るべき脅威であった。

党は農村部で活動する党員らに、
純朴な農民たちへ容赦ない圧力を加えることに良心の呵責を感じないよう説得していた。


                      _     〃: : : : `ー: -: :': : : : : : : : :|
                     ´: : : : :`: : ./. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /}
                     : : : : : : : : ,′、: : : : : : : : : : : : : : : : 彡' .{彡'´: ̄`ヽ
                     : : : : : :r: :,   `ー― - - - ― ' ゙   |ハ: : : : : : :i:}
                     : : : : : :!i: ト、               〃.': : : : : : : '
                     ゞ:、: : : : : : :ヽ          ,. . :': ノ:' : : : : : :彡'
                     : : :.\: : : : : : : : ≧====≦: : : : : : : : : : : >´
                     : : : : : 卞、 : : :: : : : : : : : : : : : : : : : : 厶斗<
                     : : : : : : :ヘ}≧==-=ニ二ニrt.・デj´  '  }
                     : : : : : : : :ハ三三二ニi| '.`ー- ̄   ; .イ
                     : : : : : : : : :'. ̄  ̄  ;         ' ´
                     : : : : : : : : :ハ    、 ,′ '.     ハト、
                     : : : : : : : : :从へ'゙'゙ヘ斗 ', _ヾミ   ハ::∧
                     : : : : : : : : : :}ヘ `ー-`゙__彡, 〃{ 从 ヘ
                     : :/イ: : : : : : !ハ ゞ=ー ∧∨ / /: :/: : \
                     ,イ: : : : : : / } i      ,:::ヘ.∨〃: '. : : : : :〉
                     : : : : : :/  〈  >=彡´   ゞ': : /.: : : : ::/:`ヽ
                     : : : : 〃 /⌒i       /.: ::/. : : : : イ: : : : :\
                     ボリシェヴィキ中央委員
                                メンデル・ハタエーヴィチ

    ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
    ┃
                   諸君のブルジョワ的人道主義を窓から投げ捨てよ。
                  同志スターリンに恥じないボリシェヴィキとして行動せよ。
                 富農の手先が現れたら所構わず打ちのめせ。戦争なのだ。

               極端な手段を取ることを恐れるな・・・これは、生死の闘いなのだ。
                       足りないよりは、やりすぎる方が良い。

                              ――― ハタエーヴィチの演説より
                                                                   ┃
                                 ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

141◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:32:11 ID:Gm.JNTnA0


                      / // ///:|  | / | / / / //  ! |/ // / / / /
                       / // /'|/|/! / / / /ィ/ /¨//`ヽj/// / / / /
                  /|// / | /| / /─| |/ |/ //   |//|// /  /
                    ∧| /^ヽ/|/_| /´ ̄! /   ー-=zx、!/ \ / /
                     Ν/  ,; ヽィ'7'/    |{!    ゞミ、弋えラミ、厶イ;; ,; ;
                   ∧{  〃 {ノ/,/     l|八    ⌒ヽ  }}  }lト;; ;'       農民に対しては
                    { V //ヽ|         \      ̄ ̄>’ √\\三≧    一切如何なる容赦も不要である。
                   Ⅵ {::.. |/    /`ヽ      \        ィ仁二\\/
                     |ハ ∨      { {r‐、       `ー一r≦シ⌒ ̄ `ヽ/     我々は農村に対して
                    Ⅵ} /       \            ̄       ヽ    我々の厳しさを教え込まなければ
                  r=/ ;゚             ト=-             r─  ─一〉    ならないのだ。
             ノーノ;ハ {           ヽ‐=ニ=‐        ヽ   フ::::/
            イ′ |  ヘ ';                \‐=ニ三ニ=‐ 、 \  .:::::::;/ヽ
 ─ ┬一  7厂´     |  八ハ                 \‐=ニ三ニ=‐- 、ヽ  ̄
   /    /         |   \             \ `  ‐=ニ三ニ=‐ヽ\ |
   ′  /            |     \               ヽ    ` ‐=ニ三ニ 〉 ノ
                ウクライナ党書記 パーヴェル・ポストゥイシェフ

142◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:32:43 ID:Gm.JNTnA0


まさに容赦はなかった。農村部で活動する党員や活動家らは農業集団化に対する狂信と、
鉄の規律を誇るボリシェヴィキ特有の命令系統にとりつかれて遮二無二突撃していた。

  、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
  _)                                   (_
  _)   ура       ура      ура        (_
  _)   万 歳!!!  万 歳!!!  万 歳!!!  (_
  )                                    (
  ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
  廴゚ノ小:::::::::ミー- __弋.     /          /弋 `Yl
   彡'  ハ 弋 ゚ノ}ー=ニ´   / ⌒ヽ.    /   ヽ/j
      ,/∧ ', Y        /    ハ.   /    /          /ナj
     .ィ z >' |       /     ',  /    /      ___ ///
 ト、____  r /      / ====ミ、/    /        从ノ /7
 `ー─--ミ7´/      / <・):::::::::::::::ノ    /- 、    从_____ノ
 .弋ー----/ /      /    ..:_jト゚イ./    /   ヽ.  / ヾ彡′  /リ
   、二二´ /       / } イー- ィ ノ/    /ー=ミ ハ  /   /  /{ルr,
\      /      ∧   弋___ノ//    / L' ::: ,::ヽ〉/    /  /弋Y′
  ヽ、 ___ノ      ∧. \  == //    / ィ -' j´./    /ヽ /  /
   イ        ∧::\ >ー'./     ∧. 弋㍉/ /    /  // ./
、   .|ォ      イ  ヽ:ss::Xヽ イ    ./:::ヽミ辷´ /   /ーr弌. /ヽ
:::::`Y::::|ミヽ、       \/ |∨ミ弌   イ ヽ:::∧} .イ    /ミ7j/  /ーミ
.::::::::|::::| \\    |{    |  .  ヽ  {  .Y ヽ.|   イ ト</  ∧ーァj
:::::::∧::l   \\  |{  o   | ト、  小  ヽ。_}|   }     弋   Y


 ./          ,, - ''' -               l
 .l      ,, - ゛        ゛ '' - ,,        .l
 .l    ,, -"                  - ,,      l
 l ,,  "                       ゛ -,,   .l
. l "       _,,  -  i-i.i-i  ,,, __        ヽ、 l
 ゝ ,,__,,, ゝiillliiiiw;;;,,,,,__ l .l l,.'l  _,,,, ;;iiiilll>- ,,__/.l    ┏━━━━━━━━━━━━━━─────
 l,,-  ll" _,,ii==τiit","''''l'l l-kl.'''"",,--==t= ,.゛'l   /"''l    ┃
 /.i ゝ .l'l,""  .lii";::;l ゛ l"\ .ゝ   .lii";::;l  ゛l!l  /" l l         農村部の活動分子には
 l l .゛,..l l,   ''゛"""  .l    l   ''゛'''"''  / ./   .l }         さまざまな種類の人間がいる。
 ゝ 、 'i,.l ヽ‐――――" l.  ゛―――――".l /  //
  l''i, , l\         .l           .l/i ./ .l         ・・・しかし、彼らのほとんどが
  レi i,  l         .li             レ /  .l         上からの命令を実行することばかり
   l, i, -'l         .",,            /" /l/          気にしている。
    丶N.,                    /l  / /
       Y      ______      ./ レ"            命令を実行するためなら、
       l\            ゛    / ,l              自分の両親さえ殺しかねない。
       l  丶、    :::::::::::::     /  .l                                         ┃
       l    ヽ,         ./    ,l           . ─────━━━━━━━━━━━━━━━┛
       .l     ゛'――――‐ "     ト 、
   _,, - "lゝ                 .l  l゛ - ,,_
    ソ連の作家 ヴァシリー・グロースマン

143◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:33:21 ID:Gm.JNTnA0


農村では際限の無い集会が繰り返された。
そこでは恫喝が行われ、そしていつの間にか少数の「党に忠実な」農民によって
村全体の方針が決定されるようになっていた。



                   ,,,,,,,,,,,
                  [|,,,,★,|]      いったい誰が集団農場に反対しているのか!?
                 (__・∀・)      我々は必ずやこの農村で集団化を達成するであろう!
                /´~ V:V~ヽ
            __/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\__
            |   | |    村ソヴィエト.    |  |   |
            |   | |                  |  |   |


     ┏━━━┓                               ┏┓┏┓
     ┃┏━┓┃                               ┃┃┃┃  ////////
 \   ┗┛  ┃┃┏━━━━━━━━━━━━━┓┏┳┓┏┓  ┃┃┃┃   /////
\\\    ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃  ┃┃┃┃   //////
\\\  ┏┛┏┛                         .┏┛┃  ┣┫┣┫ ///////
\\\  ┗━┛                          .┗━┛  ┗┛┗┛ ///////
\\\\                                           ////////
\\\   [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  . [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  .  [|,,★,,|]   //////
\\  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ///////
\ [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  ////
 ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ////
(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ )) ///
   く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     //


ある村では世帯主の4分の1しか集会に出席していなかったにも関わらず、村全体を集団化すると誓っていた。
このような光景は珍しくなかったのである。

144◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:33:52 ID:Gm.JNTnA0



        ,. -ー冖'⌒'ー-、
       ,ノ         \
       / ,r‐へへく⌒'¬、  ヽ
       {ノ へ.._、 ,,/~`  〉  }    ,r=-、    同志やる夫。
      /プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く    /,ミ=/    集団化の進展は順調です。
    ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}    〃 /
   / _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ    〃 /      3月までには1400万以上の
  ,/ └' ノ \   こ¨`    ノ{ー--、〃__/      個人保有地が集団化されると見込まれています。
  人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\
. /   |/ |::::::|、       〃 /:::::/    ヽ
/   |   |::::::|\、_________/'   /:::::/〃
  やる夫の官房長官
      アレクサンドル・ポスクリョーヴィシェフ


       ____
     /⌒  ⌒\
    /( ●)  (●)\     いいおいいお!
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    いい感じだお!
  |     |r┬-|     |   こんなに順調ならもう一歩踏み込んでも
  \      `ー'´     /   いいかもしれないお!

145◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:34:32 ID:Gm.JNTnA0


ボリシェヴィキは農地の集団化と同時に、「家畜の社会主義化」を推進する。

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   |
   /( ●)  (●)\  !   !    個人農が保有している
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l    牛・山羊・豚などの家畜は
  |     |r┬-|       |  /    集団農場に提供されるべきだお!
  \     ` ー'´     //
  / __        /
  (___)      /

146◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:35:37 ID:Gm.JNTnA0


【補足】

        ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
        =            ゙ミ
        ミ     ★      ゙ミ
       r―ミ             ゙ミ
      l  ミ;=======.:::゙ミ
       ヽ /  ※   ※   ※ ∧
.      /   r―_‐_'i:¨:¨´:l ̄:`ヽ}    ボリシェヴィキは
      { ※ /: ´/: :/`:./;ハ:`: :l: l
      }   f: /fてハヾ´ /f'云ヾハ:}    真の社会主義建設のために
.      { ※ }:{ 弋__ノ   弋::リ j//
      ハ   {:ヾゝ''''   ,、  ''',イ ヽ    「基本的生産手段」の社会主義化を
.     /: } ※. }: : ;>‐‐--‐<ヽ  }_
    /: :.{    l:/{i{ (ニニXニニ)} :.{ ※ ヘ   行おうとしました。
   ,.イ: : :/ ※ l:ヾ}i}  〃{i  {i: :ヽ  ヽ
.  {:ヽ: :.く   /: :j:ヾx、_ノノゞ≠'j : :.} ※ }
.r<:ヽ:`:ー`ヽ,/f'"::`ーt‐f´:t‐r‐':ヘ:-'`¨¨:}´

147◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:35:59 ID:Gm.JNTnA0


     ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
     =            ゙ミ
     ミ     ★      ゙ミ
     ミ             ゙ミ
    , ミ;=======.:::゙ミヽ
  /  ./ /       ヽ\ \
  \__/ /l / /  , /l'| ト、l ',/
    | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !    「基本的生産手段」とはつまり
    | l |┬::cr ./ /┬::cr」 ||
    | l ! l:::::::j   '. l::::::::j. !l     建物、機械、農業用道具、
      ハ ⊂⊃‐     ‐⊂⊃|
       l \     _    ,/ |     そして家畜です。
     /l .lY` ー‐┐ r‐ イ| |
     /| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !
     l l__j::::::::/: i_lil__|:i::::::! !
    / /  ::::: i: : :l:::::ヒj::l」 : l_|!



.     |: : : : : : : :/  ./  /      ',   ',  「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
      ヽ.ィ: : : :/    /   ,'       l   ', `丶ト、:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
     r‐:':::::::/     ,'  ,'          !   .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
.      ',_:、:::/     l   l        |l     ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
       ノ:,'     ,'l   |     l  | l !  ! |  `丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ハ::ヽ
        /:| |   ,' | ! .!l|    ,'| l l | l ,' ,|. |!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' `¬
     /:::,! |   ..L.',_ト. |',ト   / !./l/├ /¬ ¬、).:: /:.:.:.:./: ::::::::|    |:
      /:::::ハ.ト 、 ! ..l_ヽヽ\、./ l/"´ l/_∠ |  {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ノ|    !:
      ヽ|l ',ヽ \ !,イ `` ト  '′   ,イ"´ lヽ  ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::!|   .!:
.        |   ト、ト.`弋..ン        弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l !   |:    農民たちの財産そのものね。
      |    l l.|. ',     、        l  ! .|:.ヾ ニフ   !::l. |   |:
       |   / / | ト、     ,.、     | l| |/      ヽ:| |l    !    社会主義化ってことは
.      |  / / | |_.> 、       _..-.、l l ! !          |.!   |
      l|  /,イ _..l l:.:.:.:.:.:.:`丶、 __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| |         | !   !    つまり国有化でしょう?
       !|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハィュヘ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、       .| l   |
    _..'"ィ´  ト、:.:.! .l:.:.:.:/``ヾ.ニンリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、       ! !   !

148◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:36:47 ID:Gm.JNTnA0


   r‐く二ニ:/i:i:i:i:i:i/  V^’
.  /:i/[_: :|i:i:i:i:/、yz'′              マ: :_: - :ヲ
 /:i/ lしんく|i:i:i:Yrュヲ                ヽ Ⅶ :: : :己
.〈:i〈  || 己 {i:i:i:i|′   l |    l!   l|   l| ', ' .Ⅵ : : :.__7
 \\!!   し|i:i:i:i|   | l l |  l!   l| | l i!  | !  |: : :_:∠,
    ̄|L__ムスi:i:i:i:{l  | | | |  l!   l| | i i!  i | l  }: : _く
    | ̄|i:|i:|マi:r=Ⅶ  i 士十i l!  l| | ルl_」L リ| .!.   |__ノ   そりゃあ、私有財産制を認めない
    |  |i:|i:|ミ.ム泌リ l|r‐rテi〒i/!ノ ‐rテi〒r|  .トミx7     社会主義じゃそれが
    | /i:{ゞ\ゞ=イ| l| 弋.(ソ      弋(ソ 从ノマヘⅣ     当たり前かもしれないけど、
    | : ̄|  ̄ゞ≠ l| 、、、       .    、、 l.| | l |.|      農民の反発は凄いことになりそうなのだわ。
    | :  |    |  |             八| l |.|
    | i  |   x≧|  |          _     イ  | l |.|
    | l. 八  《ミく  |ゝ、      ´    イ |.  i l |.|
    | | | ヘ ∨i:l  |≦三三r≠くヘ≦ 三 ∧. ', .| l.|
    | | | ',./ ヾ|  |三三三いゞソメ《 三三.∧ ゝ l.|


                                                      ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
                                                      =           ゙ミ
                                                      ミ     ★     ゙ミ
                                                      ミ            ゙ミ
                                                      ミ;=======゙ミ
                                                    / ,=          ヽ
                                                   /  ,='  _  ∧_ _,,
                        その通り。                    /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_
                                                    ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\
                        基本的生産手段の社会主義化は         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ
                                                     ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ
                        農民たちから凄まじい反発を買います。       |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/
                                                     | |{i t    _     / |
                                                     | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
                                                     // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
                                                r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
                                               __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
                                               ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |

149◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:37:04 ID:Gm.JNTnA0


       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',      なかでも最大の不評を買ったのが
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|      家畜の社会主義化です。
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |      農民たちにとり家畜はまさに生活の要であり
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|      生活そのものでありました。
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ      家畜を失うことは、生活基盤を失うことと同義だったのです。
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /


            __ __,.
      「`ヽ´ ̄`フ.::::::::/´  ,. -‐'′{::::し'.:::::::イ
    . ィ⌒ヽ  /.::::::::::/       ハ:::::::::::::!::::)
    { イゝ   /.::::::::::,′. . . ..x  く`ーヘ.:.:.::::し'
    Y.::::::::ノ '.::::::::::::|.:: . ---xノハノ    ヽ:::)
   ( ̄  . :.|:::::::::::::「´ _、  )⌒Y     レ′
    i 7ゝ.:::∠!:::::::::::::|.:.:.:.:j「 Y    !    }
    | i::ハて...」::::::_.:::::! ノ」ハ '.  ,ハL /  ′
    | L! | 丁Yr刈:::|ィハハ「ゝVイムイ//ハノ      家畜が最大の財産であるのは
    |     |\ゞイ::::ト弋)ソ   ヒケj小        途上国ならどこでも同じね・・・
    l  /   !  `トゝ:!ハ´     ' .イ j |
   ノ. /  |i  ゝ'' | 仆. .  ´ イ 」 ;i |       畑を耕すにも、乳児にミルクを与えるにも
  / :/     |小./ゝ.|ヽ\下`ヽ 丁jハ       家畜は不可欠なのだわ。
イ  , ′    ヽ:/ィ  ハ. ヽ\ハ.:.:.:jり__」!
 /       ,ノ.:/ /.:::: ` ー 、ーヘ〈ゝ--=ァ     それを取り上げられるのだから
    /⌒Y .::::/  (::::::.     下不厂゙ぐく      農民たちが憤慨したのも納得なのだわ。
   r '   ノ.:::::/ .イ )::::i    | ̄j ) `ヽソ
.   \:::`ヽ//.::/.::::::i    `ヽヽヽ (

【補足終わり】

150◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:37:34 ID:Gm.JNTnA0


農民たちは家畜の社会主義化に強烈に反対した。


  ∧_∧
⊂(#・д・)      何でお前らに苦労して育てた家畜を
 /   ノ∪     差し出さなきゃいけねえんだ!!
 し―-J |l| |
         人ペシッ!!
       __
       \  \
          ̄ ̄

                       |il|il|il|il|il|:::|i Ⅳ
                       |il|il|il|il|il|:::|i /
               ー=ミY|il|il|il|il|il|:::|il|
                 ミ1三≧ il|:::|ilト.
                彡/ `ヾ::::ゞ=彡∧
                  彡ソ    \:::::/ |
               彡::}__,,r:::::::::::ェ::::::::::y、      うるせぇ!!
               彡::「t ̄`ー='7⌒ー=''〈}       家畜を引き渡さねえ奴は富農の仲間だ!
               彡::人_, l  ノニニ  /ノ       強制収容所行きだ!!
       __ .. -=彡.:::::::/ | | {-─-{{ |
  /´        `ー=彡''  \` 弋三ヨj ∧ー── - - ..
 〃       ̄ ̄ ̄\    \   \___/ ∧\         `ヽ
//  ____        `ーr  -=ミー- __彡'' }::.. }´ ̄`ヽ.   ノ ノ
{{ //     `ヾ ___人__/∧ー一 ”  弋从     }__彡"ヽ
 `ー{         _才  |:::::::::::::||    .   Ⅵ:::`ー=彡     }
   |      _才"      | |::::::::::::||      :  Ⅵ:::::::::∧_____ 人
   人___才"         | |::::::::::::||     i   Ⅵ:::::::::::i      |

151◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:37:51 ID:Gm.JNTnA0


    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧    <家畜を無くしたら俺達は最後の財産を無くしちまう・・・
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U (  ´・) (・`  ) と ノ    <無一文になって集団農場に入るしかないぞ。
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'        <それじゃ本当に農奴と同じだ!!




    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´-ω-) (-ω-`) ∧∧
(;´-ω) U) ( つと ノ(ω-; )   <こうなったら・・・もう仕方ないな。
| U (  ;´-) (-`;  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'

152◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:38:11 ID:Gm.JNTnA0


パッ   パッ   パッ    パッ   パッ    パッ
 [屠殺]  [屠殺]  [屠殺]  [屠殺]  [屠殺]  [屠殺]
  ∥∧∧  ∥∧∧ ∥∧,,∧ ∥∧,,∧ ∥∧∧  ∥,∧∧
  ∩;ω;`)∩;ω;`)∩;ω;`)∩;ω;`)∩;ω;`)∩;ω;`)
   (    ). (    ). (    ) (    ) (    ) (    )
   `u-u´  `u-u´   `u-u´  `u-u´  `u-u´  `u-u




農民たちは家畜をボリシェヴィキに引き渡すよりはと、自らの手で屠殺することを選んだ。



  ∧,,∧          A_A __         
 ( ´;ω;)       ⊂・ ・ ⊃▼⌒丶  注射するの?
 /   o├==l--    (ω__) )  ●|~* ボクどこも悪くないよ?
 しー-J            U U. ~- 'U   なんで泣いてるの?


         ごめんね      
           ∧,,∧   A_A __      
          ( ´;ω;)⊂- - ⊃▼⌒丶 
          /   つ (ω__) )  ●|~*
          しー-J プシュ U U. ~- 'U

153◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:38:37 ID:Gm.JNTnA0


そして殺した家畜の肉を取り上げられないように、
その場で食べて自分達の胃袋に詰め込むのであった。


  ∧,,∧
 ( `;ω;)  。・゚・⌒) シャシリク作るよ・・・!!
 /   o━ヽニニフ))
 しー-J



家畜を失った後に待っているのは、農地の荒廃と飢えだけである。
だがそれでも、集団農場に取り上げられ、農奴に堕ちるよりはマシだった。



                          ∧,,∧  おいしいよ・・・おいしい・・・
                         (;ω;  ) 初めてお腹いっぱい
             / ̄ ̄ ̄ ̄ヽ・゚・ 。・゚/(_,   ) ご飯を食べれたよ・・・
            /         ̄ ̄ ̄ \、_)
           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
             ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| ̄



農民たちは、その惨めな歴史のなかで初めて腹いっぱい飯を食べたのだ。
それが、飢餓の入り口であると知っていながら・・・

こうして農村は極度に疲弊していくのである。

154◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:39:08 ID:Gm.JNTnA0


1930年2月、名目上の国家元首カリーニンとオルジョニキーゼが農村の視察を行う。

                _____
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}     さて・・・集団化がどの程度進んでいるか、
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{     視察しましょうか、同志セルゴ。
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!
  ,.ィ'´ト.´     ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、       /i|iト、  |l:::::::ヽ:::::\
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、   ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::\
全連邦中央執行委員会議長(国家元首)
      ミハイル・カリーニン

                       , .-‐======- .、
                   /,. -;ィイ/⌒^^~~"''ー 、.\、
               r‐←/i/ レ'  ̄r‐- 、' , ' , ' , `ヽ.\
                 /ー'´/ .レ´  _`‐- ´`'‐、 ' , ' , ゙li ヽ
              ,r/"⌒! レ'  /´ ̄`''‐ 、 i´゙ヽ' , ' ll  i、
            y'- 、' , ヾ=ー''", ', ', ' '   ヽ ヽ、_)   !!  .l
        _ , rr‐(    \' ' ' ' '  ,. ‐'   ヽ ' , ゙!!  !   !! /⌒'/`y'⌒ト、
、/\ __("i´ l  l !`'‐、  ヽ .r ''"   |i   ノ ' , !!  !  !! ! レ' /  ノ─
"´ ̄    ゝ-┴r´ ヽ、.._`o、{ { _,,.-=キ‐´ __ ||  | .〃 ,i -─-'、イ
       ト 、. __!     .r'"´ ̄``ヾー-=イf''´ ̄ r'´, - 、〃 ト、 _,,.ノ!        モロトフなどは
       ,r` ‐--i r'"´ ̄ ̄`ヾ     ^ヽ.  {. {   ) /'` ー--‐'1        大躍進だと息巻いておりましたな、
       /   ,r'" ̄~`'‐ 、      Nヽ_,,..===:ヽ、._ー ン /       .{         同志カリーニン。
      i   { ヽ、{  ノ }ヘ_,.. '-‐ !-┘      ),∨ ./       l
     i   (ゝー---一'´`´            ノ〃 ./        l        もっとも、何事も百聞は一見にしかず。
.     i r─‐ !、._,,,..___ ,.ノ       _ ,. ‐'´,〃./ ,r──‐ 、.  l        己が目に勝る評判はありますまい。
`''‐ 、.._l l      ヽ`''‐ 、          _ /´/ /      l   !_,,. -‐'
     ! !     ヽ \ 「!''ー-====-fr´ ̄ / /         l.  {
.    | |        ヽ、 l.L三三三二ニ!i. ‐''´,. ‐'´          |   !
ヽ、._,! |           ! ┌‐-----─┐  i´               |  ヽ、.__,.
    政治局員・やる夫の盟友 セルゴ・オルジョニキーゼ

155◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:39:50 ID:Gm.JNTnA0


  ,.  - ァz .,
イヶ 、ヾ〃ケヘ、ヽ
zシ ー`´ー__ <ヤヘ
 _ 三二彡三_  `ミミヘ
,.ィ≠z、  マ⌒ヽ ミミケ、
.l´ ̄`jzzzl!´ ̄`l=ヤリz、
入__ ノ  .入 __ ノ  ヾ j.!
   , ゝ~ー' 、     ',.リ     (そう・・・その通り。私のところには色よい報告書しか上がってこない。
 イムリムリムリハヾ     j       そして実権を持たない私が真実を知ったところで、何ができるのか・・・)
   、 ___ ,       .l、
             ,'7>、
              /.j j ! >.
  ゝ ー─ イ   ,イ.j! .リ .!l ヘ >.
、         イ 7 ,' l !l .ヘ   >、
  ` ーァ- マチ´  ./    |   ヘ     \
   /:::::::::ヘ     /         .ヘ    / ヘ
\ ./ ゝーイ \ ./          ',   /  j




        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ
       f彡イ彡彡ィ/     f     ヾユ  fへ‐ォ
       f/ミヽ======<|       lr=〈    リ
       イイレ、´彡f        ヽ _ __ノ   λ   ノ
       fノ /) 彡!               ィ     ノ ̄l    (だがそれでもこの目で確かめねば。
       トヾ__ら 'イf          /_ヽ,,テtt,仏  !
       |l|ヽ ー  '/          rfイf〃イ川トリ /     報告書通りの「大躍進」であれば良いのだが・・・)
       r!lト、{'ー‐    ヽ      ´    ヾミ、  /
      / \ゞ    ヽ   ヽ               ヽ /
      ./    \    \   ヽ          /
   /〈     \                 ノ
-‐ ´ ヽ ヽ       \\     \        人

156◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:40:29 ID:Gm.JNTnA0


だが、カリーニンらが見たのは、惨憺たるものであった。


        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ.  ━━┓┃┃
       f彡イ彡彡ィ/      f   ̄ ヾユ  fヱ‐ォ       ┃   ━━━━━━━━
       f/ミヽ======<|    lr=〈   !フ.    。 ┃               ┃┃┃
       イイレ、´彡f        ヽ 二 _rソ  弋_ _..リ  ゚ 。                      ┛
       fノ /) 彡!               ィ    ≦ 三、_,)ヽ  |
       トヾ__ら 'イf          /ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
       |l|ヽ ー  '/         。≧         三 ==-
       r!lト、{'ー‐    ヽ      -ァ,          ≧=- 。
      / \ゞ    ヽ   ヽ         イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
      ./    \    \   ヽ     ≦`Vヾ        ヾ ≧
   /〈     \             。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・
-‐ ´ ヽ ヽ       \\     \

157◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:41:15 ID:Gm.JNTnA0


それは、ボリシェヴィキの暴力と農民の熾烈な抵抗によって破綻した農村の光景だった。
農地は荒れ果て、浮浪者がさまよい、政府に敵意を燃やす農民たちの姿だった。

                                                     _
                                                       /| r`l
                                                    |::|└:|
                                                     |::| ..:::|
                                      ,t                  |::| ..:::ト、
                                   -}ト         、 ト、   /T|::|:::::::|:::
                                    Y:ヒ、  ,、   || r┘.:|-┐|.;|:|::|:::::::|:::
工|工|工l工エエエl\                        `=|;:{二  |:| /\.||...::/〉:::::::,⊥;:|::rェェェェ
__|___|_,工工]エエ}ニTニ7〉ェェェュ                |;:厂 .r┴:/.::.:.└┐/.::: __|_rェェエlエ工
_|_|_;工工]エlエ|-[]─[[:ロ::ロ:{                  |:;|   |..::::':::: .r:、:...|:::::r┘..;;'エエ工[工[
__|_|_l工工;エエ|____]〕ニlニl               、.v,,!;:.v、ミ.:ゞ;yv;ゞ;ゞv;ゞ ,工/\>工工工
_|工|_;工工]エlエ|┴┬/>─‐>          、.v,,;..v、ミ.:ゞ;yv;ゞ;ゞv;ゞ.v;ゞゞ,上/ ./|エエ;工工
__|_|二l工工;エエ}┬//.::::/   、.v,,;..v、ミ.:ゞ;yv;ゞ;ゞv;ゞ,v,,v,vゞゞ;;ゞv;ゞゞ,.上ェΥエlエ[工:[工[
_|_|_,工工]エlエ}//.::::/v、::.;.;...       ;.w;ヾ.:゙;;ミ゙':ヾvv'w:,ゞ;;;ヾ.:;ゞ彡ゞ/.\\:|エエ{工[工工
__|二l_l工工;エエl/,,;;,/    ....-::.;.;::.::::-..... .. .... . ... ... .`"''、v,;.wVゞ;v;ゞ;';\::..:\{エlエ[工工工
_|_|_l;;工工;エエl-_L-|,,;..v、       ....::. ::: .:.;:へ.;.'.. ._... .'.. __ `.';;::.._/\二:トニH.{エエ[工l工工
、.v,,;..v、, 工工エエ|-l_ L|vゞ;ヾ.:゙;;ミ゙',,,ゞ、.v,,;..v、 ~~. .::/vへ\-/:/\へ . 、.v,,;.v<|ニHニ|エエ}工]工[ニ
ゞ;爻彡ヾ;ゞ;yゞ、.vk,,..vl,|ゞ゙;ミ゙、.v,,;..v<>'ニニTニニTニTニ>/./,:、:.:.\;ゞミ.:ゞ;y;、HニH.kv,l.v[工;工工
”v:";v;oゞゞ;yゞ ゞ;爻彡ヾ;,,;..v、,...:/ ./:/.ー~「l─「l─「l-|:|./ <;~~`.::: llニコ;;::/>.爻v;oゞ;ゞ彡ゞ゙;
.:゙;ゞ;ヾ.:゙;;ミ゙':,oヾv”v':,ゞ;;ミ゙'爻。....:~~'~<二二二>~ ~~ ~/ <\\   ゞ;ヾ.</:ゞ;yゞ゙;;ミ゙':,;oゞ;ヾ;
.:゙;;ミ゙':,”:";oヾv;;ミ゙'爻vゞ;ヾ.:゙;;ミ゙':,;.;:: .:. ....  ..'  .  ....::.;.~~`´:~:.::~~.~`.... .. . __ ゞ;ヾ゙ヾ;ゞ;yゞ;ミ゙':,ゞ.彡


        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ     し  ま
       f彡イ彡彡ィ/     f _ ̄ ヾユ  fヱ‐ォ     て  る
       f/ミヽ======<|-'いシ lr=〈fラ/ !フ    い  で
       イイレ、´彡f        ヽ 二 _rソ  弋_ { .リ    な  成
       fノ /) 彡!               ィ     ノ ̄l      .い   功
       トヾ__ら 'イf     u    /_ヽ,,テtt,仏  !     :
       |l|ヽ ー  '/          rfイf〃イ川トリ /      .:
       r!lト、{'ー‐    ヽ      ´    ヾミ、  /       :
      / \ゞ    ヽ   ヽ               ヽ /
      ./    \    \   ヽ          /
   /〈     \                 ノ
-‐ ´ ヽ ヽ       \\     \        人

158◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:41:40 ID:Gm.JNTnA0


 ヽ \__l   ___//  //l l)/  , ─ 、   \
‐‐' //////>、_l / {  /  l `´. /      \ ○ \
 ///////////,=-‐,─ l (⌒ヽ ヽ_/     _.  \
/////////////( ∨  l) l\ \  .-‐  ̄  /    >
|////////////l二} {二Y  ヾ `o、 (   キ>-‐'   _/. /    どうも報告書の内容とは
|//////////./     {    >' ̄ ̄ヽ≦二     `、/     違うようですな?同志カリーニン。
∨/////////      l  /── 、     `      :.ヽ
. ∨///////  ___ l>'         ∧)ヽ/`   l
  \/////| ///////>── 、     _/ l  )    ∧
,'   `<//| |//////l 、     `‐、_ハ/ ` ‐' ̄    / ヽ

                      _  _
                       , ' ´ 、、 `' , , ` 、
                      /彡ミ三ミY彡三ミミ  、
                      彡ミ          彡ミ
                     彡ミ  二 二 二二  彡ミ
                 彡ミ    ー ― ―   彡ミ
                 X彡 彳≧x   .ィ≦ミミ . ミγ、
                ト、| ̄Y   γ=Y   Y ̄|/ .|
                     !ド  入_ ノ  入_ノ  .}' ノ
                \i     ` ー '       .i/
                 λ  ィ彡彡ミミミミ、 U j      (なんということだ・・・
                / ハ             ,ハ      まさか農村がここまで荒れ果てているとは・・・
                 /  ` 、.  乂__ノ   .イ  ヘ      これでは次の収穫期まで持ち堪えられるかどうか)
              _ - ´/:::  |  ミ 、 _ , 彡' i!   \` ー _
          ´    l :::::::  |   `ゝ====<´   |    l     `
             /     |: /´》:::::::::《`\ |    \

159◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:42:06 ID:Gm.JNTnA0


        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ
       f彡イ彡彡ィ/     f _ ̄ ヾユ  fヱ‐ォ
       f/ミヽ======<|-'いシ lr=〈fラ/ !フ
       イイレ、´彡f        ヽ 二 _rソ  弋_ { .リ
       fノ /) 彡!               ィ     ノ ̄l
       トヾ__ら 'イf     u    /_ヽ,,テtt,仏  !   (なんとかしなければ・・・!!)
       |l|ヽ ー  '/          rfイf〃イ川トリ /
       r!lト、{'ー‐    ヽ      ´    ヾミ、  /
      / \ゞ    ヽ   ヽ               ヽ /
      ./    \    \   ヽ          /
   /〈     \                 ノ
-‐ ´ ヽ ヽ       \\     \        人

160◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:42:45 ID:Gm.JNTnA0


ボリシェヴィキ幹部の中において、
唯一の本当の農民階級出身者であり全ロシア農民の長老と言われていたカリーニンは、
視察から戻ると集団化政策に断固として反対し、やる夫を激怒させた。

                      _  _
                       , ' ´ 、、 `' , , ` 、
                      /彡ミ三ミY彡三ミミ  、
                      彡ミ          彡ミ
                     彡ミ  二 二 二二  彡ミ
                 彡ミ    ー ― ―   彡ミ
                 X彡 彳≧x   .ィ≦ミミ . ミγ、    中農や貧農に対する
                ト、| ̄Y   γ=Y   Y ̄|/ .|
                     !ド  入_ ノ  入_ノ  .}' ノ    強制的な集団化は行き過ぎている!
                \i     ` ー '       .i/
                 λ  ィ彡彡ミミミミ、   j      ただちに中断させるべきです!
                / ハ             ,ハ
                 /  ` 、.  乂__ノ   .イ  ヘ
              _ - ´/:::  |  ミ 、 _ , 彡' i!   \` ー _
          ´    l :::::::  |   `ゝ====<´   |    l     `
             /     |: /´》:::::::::《`\ |    \
                 l       |   /:::::::::::ヘ    |     l
                l       !   ,.::::::::::::::::‘   !      l


        .____
     ;/   ノ( \;
    ;/  _ノ 三ヽ、_ \;      な・・・!!
  ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\;     いったい何のつもりだお
 ;.| ⌒  (__人__) ノ(  |.;    カリーニン!!
 ..;\ u. . |++++|  ⌒ /;

161◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:43:00 ID:Gm.JNTnA0



    ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
    ┃

                 / ̄ ̄ ̄ \
                ノし ゙\, .,、,/"u\
              / ⌒ (◎)ヾ'(◎)u \
               | u  ⌒゙(__人__)"⌒ u |    君は富農を擁護する気か!?
                \ u   `ヾ,┬、/` ,/
         .       /⌒/^ヽ、 )__( ,ィヽ、
               /  ,ゞ ,ノ ゙⌒" ,  ゝ、
              l /  /      ト/.\\


         / ,ニ三―=三テ           !
         //ニ二  ‐=三   _二ニ_ ニニ !
          レ/////    ,.==== 、  , ハ
        iヒ-、__/__--≠rテ宏,.`Y==f辷示、
        Y⌒ヽ三 ̄ ̄ `  !`ニラ r厂`ゞィ { リ
        ! ノrう,         `ー―ネ   }ーY    私が擁護しているのは
        { {  (           ノ{_rっ ィノ、 !
        ||ト⌒'          r{i!i{{从仆リ ,'    富農ではなく働く農民たちだ!
       _|{!、ゞ ‐ァ  \         `:::::   /
       / \ゝ  \  ヽ            /
   / ̄/   \   ヽ  ヽ         Y

                                     ――― やる夫とカリーニンのやりとり

                                                                   ┃
                                 ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

162◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:43:58 ID:Gm.JNTnA0


やる夫にとってさらに衝撃的であったのは、
最強の盟友であったオルジョニキーゼが反対派に回ったことであった。


.    >‐ 斗 ¨: : / /: :{:     \<ミt
  /  //: : γ¨7,//: : :.:Y⌒\  ‘,: :`寸
 /   / /: : : : /`ー´//: : __ :.{.    \ ‘,: : __\           ウクライナにおける家畜の社会主義化に反対する。
./   | |: : : ノ   〈〈 -‐ `: ゝ._tァ__ゞ='-' };} .)          これ以上農民を追い詰めるべきではない。
    | |: :Y´ ̄Y、 } }__   , ィ ,,   >'¨¨≧ェ__
.    Ⅵ {   } }γ´   \/ |' .{.    ,γ´   , \
\    Ⅵ ゞニ彡'::{   ij    ̄¨¨^ ─Y_.」_ヽ / ィ }           /ヽ
、__}   ‘,',l    !:::!                ¨ ‐- 、′      /   }
」-'¨\  \\__/  \_〟-‐       `ー‐- _   ノ    / ̄〉'_>´ ̄У ̄\
    \  \\         _         / ̄_ ェェ/_/       {_   〉
.       \  \\  \ \ゝ_ 三二≡=-─ ´仁}三三三三三三三≧ェ.    ̄¨ヽ


      ____              ━━┓┃┃
     /     \                 ┃   ━━━━━━━━
   / u      \≦ 三 ゚。 ゚         ┃               ┃┃┃
  /           \  三 ==-                          ┛
  |        u     |   ≧=- 。
  \              /   >三  。゚ ・ ゚
               。゚ /。・イハ 、

163◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:44:27 ID:Gm.JNTnA0


         ____
        /ノ   ヽ、_\    r ⌒j
      /( ○)}liil{(○)\  /   /
     /    (__人__)   \/   /   /  )
    |     |i|||||||i|     /  /  /  /       ちょっ・・・セルゴ!
    \     |ェェェェ|     /   '` ´  /         お前まで反対するのかお!?
      r´  (⌒'ー―- イ′     ´廴
     /    > 、     ヽ      _  ̄ ̄ ̄)    やる夫たちは仲間じゃなかったのかお!?
    /        -、      }        (  ̄¨´
   /           ヽ._       __  \
                `   --‐'´ `゙' 、_.)


:::::;;;;/ヽ_.ノ       \   }__  \
: ;/    ィ=ミヽ      \_ル'| ̄`ヽ\
Y⌒ヽ  // 仁ニ二二二二二}∴. /¨\.            / ̄ ̄`ヽ
|____丿 //   /. ̄ ̄ ̄`ヽ ∵ /、   |___.      / / ̄ヽ
|   //∴ Y_          \ 〈.   }ヽ/|\   \__{/      \
||   //∵   \ ` ー-==、 .   ) )__ノ,ィ彡'}‐-丶   \三三三三三三三
|ト、 ヾY     ヽ\    O ==' ̄ ̄`ヽ==ケ  \    \三三三三三三
|| l } y'⌒==ュ` ー===イ    -‐ "¨¨¨ヽ _}  ̄ ̄ ̄}三三三三三三
|| l ./     `ヽ    /  .../    , '"¨¨ヽ ¨¨ヽ  ノ三三三三三三       仲間だとも。
||ノ /    _                 ,,/       |  ノ7/二7ヽ三三三三三三
||彡イ   ⌒ヽ ̄`.,イ㌦_ヽ     { ヾゝ   ノ .〃/    \三三三三三      だが、今回はやりすぎだ。
|. /| |        \/ |. |∨∨「ノィy-rケヽ___,ィレ′       \三三三三
|/ .|人:::::...    廴ノ__ノ勹ィヽ,ィュ ,イレ'ヽィy′レイイ}___   ヽ 三三三      一時後退すべきだと思う。
|  |  \::::::::...      ` ー─‐-Y |勹Yl`ヽハ-‐─j:三三三\    \三三
|\     \             ` ー '  ̄  __ノ:三三三三:\    ヽ三三
|\\    ` ー─-  ヽ:::..   ` ー───イ三三三三三三三三\    }三三


      ノ L
      ⌒
   ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
  〈○ ノ\   /\ ○〉ノ L
    ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ ⌒
    )    Y    (
   /γ⌒     ⌒ヽ\      セルゴ・・・君は自分の言っている意味が
  /  |         |  ヽ     分かっているのか・・・?
  |   ヽ__人__ノ   |     君は党の結束を乱そうとしているのだぞ!
  \     `ー'´     /

164◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:44:55 ID:Gm.JNTnA0


            , =-‐ニニニミヽ、
          ,ィ´ィ,ィ'"´_=-‐-=、`ヾヽ
       .,r‐‐=///´r''´⌒、_∧_⌒,=、ヽヽ、____
ー<´ ̄~¨7  .///f´`,ィゝ‐''.〈ハ〉 ̄ゝ‐'、ヾヽ`ヽ\r‐-、
ヽ  ヽ _/ .///r‐f´     〈ハ〉    f`Y:l‐-、. }  l‐-、
 ゙v''"´  `ヽ{ i l`/'"//⌒ヽ. 〈_〉 ./⌒ヾ、 l l、  `ヽ ノ´`,、´ヾ
  }ゝ、 __, ィ'"l l: Y`i l l (⌒ヽヽ__/´,ィ'⌒) l l_l_l、ゝ ___)´` ⌒
  .l`ー---'''"l l:..l rf⌒ l`x、 ` v ´)ヽ,ィ' ff´ ハ `ー-‐'i ´` ,,、    それはお互いの解釈のしようでは
  l       l l八ノl ヽri゙ゞニ゙、_|_,∠´、",r`Y ノ    l       ないか?
  l    _ ヘ∨ゝ. /.f´l:.'´-三-`゙l`iヾ ハ'"     l
  .ハ,ィ'"´:::ヘ //ヽ,,`ゝ{ ,>=< }‐'"rヘ l.      l       少なくとも、俺はボリシェヴィキとして
 .ノ //////∧'"ヽ、゙ ゝ ハ'´ヾ  ,イハ ノ,ィヘl /⌒ヽ l       真実を主張しているだけだ。
:./ l///////,`>-、 八_,,` ー‐‐'__ノ´ ,,ィ'"/////} l
/  ゝ///////////`ー=i `ー―'  ,ィ'´////////ノ l
   ` 、////////////l l7777l l´/////八 ̄   /
  _ =-‐'"///////>'"_ ヾ//ノ l////////`>. /


         ノ L
         ⌒
      ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
     〈○ ノ\   /\ ○〉ノ L
       ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ ⌒
       )    Y    (
      /γ⌒     ⌒ヽ\
     /  |         |  ヽ     よよよよくもそんなことが言えるな!
     |   ヽ__人__ノ   |
     \     `ー'´     /
     /     `ー'      \ |i.
   /            ヽ !l ヽi
   (   丶- 、         しE |.
    `ー、_ノ         ∑ l、E ノ >
                 レY^V^ヽ

165名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:45:20 ID:.yuXhbvM0
コブラであった台詞を思い出す
「俺たち海賊ギルドは牛の血を吸う虫だ。牛の血を全て吸えば俺たちも破滅する!」

166◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:46:00 ID:Gm.JNTnA0


この頃になると、やる夫を悩ます問題が噴出してきた。

          ____
       / ノ  \\
      / (●)  (●)\
    / ∪  (__人__)  \          ちょ・・・ちょっと二人とも
    |      ` ⌒´    |          落ち着くお・・・
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /     仲間割れは良くないお。
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /

強烈な集団化政策とそのプレッシャーは、幹部たちの人間関係にも悪影響を及ぼし始めたのである。
幹部らは些細な意見の食い違い、あるいは所管官庁の縄張り争いなどで互いに反目し始めていた。

167◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:46:40 ID:Gm.JNTnA0


さらに幹部の間の人間関係は複雑に絡み合いつつあり、それが複雑な問題を引き起こしていた。
カガノーヴィチとミコヤンは反対派に回ったセルゴの親友でもあったのだ。

         ______
        r' ,v^v^v^v^v^il
        l / ─  ─ |
       i~^'   (・)   ・ |)
       ヽr    ⊂⊃   ヽ      (同志セルゴとは
        l U    |    |
    __,.r-‐人      3   ノ_     飲み仲間だからあんまりきつく言えねえんだよなぁ・・・)
   ノ   ! !  ゙ー‐------‐'"ハ ~^i
    ヽ ! ヽ、_     _.ノ  i  \
   ヾV /              ! / .入
 やる夫の忠臣 ラーザリ・カガノーヴィチ



   \  /:\  /ヽ     /|
 !,:::::::..\|:::::::::..\|:::::::..\_/::,!
  !,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,!
  !,:::::::_;;;;;;___;;;;___;;;;;;:::::|
   !,:::「 /._|乂X/ ヽ |::::|
   」:::| |  | ・ i f´./   | |::::j 、     (ふん。まるで自分が支配者みたいに振る舞うモロトフには
  r⌒i  |   ̄| | /   /. |f┐|
  | f´'i  ヽ___|,,⊥__ノ j´`'/      もっと言ってやってればいいのさ、同志セルゴ!)
  ヽ/     `ー´   く/
 ∠_________二}
   ` 、_      _,,,一'′
       ̄ ̄ ̄ ̄
政治局員候補 アナスタス・ミコヤン

168◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:47:14 ID:Gm.JNTnA0


さらに急進的な農業集団化のために厳しいノルマを課せられた他の部下たちも余裕がなくなり始める。

特に穀倉地帯である北カフカースの責任者アンドレーエフは
中央の穀物供出命令のノルマがきつ過ぎると上司のやる夫に反発していた。

          _, ィ'"フ==‐- 、、
       ,べ´ヾル≦、;;三三ミミヽ、
       ,イ〃,、ヽソ⌒ヾトミヽ`ヾミミヾ`、
     /  ,;;.:;:;:;:;:,=t;;, lミミ、 ヽ`ゞ;;;;\
     ,'/,' ;;/´`~´ ヾ; lト、 J、;;;f;;;;;;;;;くヽ
     kイ// ι u  ゙i,Wl;;;;, l;;;;;;ヾ;;;;;;;;;ト、
     li;;;;;/ 、、    >;;lヾ;, l;;;;;;;;;;;;;;;;ミ、
    /l;;;/ィ'^ヾァ ー,シヘメミ、いト;;lト、h;ゞ、      こんなノルマ無理だっつーの!!
     ljバ'(0)   `'(0) 〉ヾl V〈ノ人ハ
       l`'=",ィ  u `'ー'" ,ソ  ',ノ ヾ-、、
         !u `''       u /   ヾ} ヽ、_
       ヽヾ亡二ゝ、 u  ,.イl     ,!  ヽ
        ヽヾ::::::::::::ヽ  /  l   /   〉
           ヽl::f>'"フ'} /;;;  l   /    l
        /ヾミ=zァ,. <;;;;    /    l
       /   `ー-イ  `ヽ.  /      /
        アンドレイ・アンドレーエフ

169◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:47:52 ID:Gm.JNTnA0


そして部下たちはむかっ腹をたてると辞任すると言ってやる夫を脅すのが常であった。


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /    辞めてやる     /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /


         ___
        / .u   \
      /((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒).::::  (__人__) l_j :::\     /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|     | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/
|     ノ    | |  |    \  /  )  /
ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /

170◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:48:19 ID:Gm.JNTnA0


やる夫が、腹を立てたアンドレーエフに送った手紙がこの頃の苦しい立場をよく表している。


                             ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
          ____              ┃
       / _ノ  ヽ、\
      / ⌒   ⌒ \               やぁ、アンドルーシャ。
    / ∪  (__人__)  \              返事が遅くなってすまない、怒らないでくれ。
    |      ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)        戦略問題についてだが、前言は撤回する。
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/         再度強調しておきたいのは、
 |    l  |     ノ  /  )  /          親しい仲間は最後まで信頼し合い、互いの名誉を
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /           守らなければならないということだ・・・握手を送る。
  ヽ __     /   /   /
                                                                   ┃
                                 ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

171◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:49:23 ID:Gm.JNTnA0


やる夫は明確な「指導者原理」を持たずに独裁者となった特殊な人間だった。

権力基盤である自派閥の幹部らは自己中心主義の権化たちで、
彼らはことあるごとに対立してはボスであるやる夫を悩ませた。


   \      ☆
             |     ☆
      コノヤロー  ⌒ヽ   /    ボカ
    \  (´⌒  ⌒  ⌒ヾ   /
      ('⌒ ;     ⌒ ::⌒ )      ボカ
     (´  (              ::: ) /
  ☆─ (´⌒;:    ::⌒`) :;  )
     (⌒::   ::          )  )  ::⌒ )
    / (       ゝ  ヾ      )

           ____
         /   ∪  \
       γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ
      / _ノ (>)三(<) \ `、
     (  <:::∪:::::(__人__):::::∪|  )
      \ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://


やる夫は足元の権力機構が分裂・崩壊しないように常に細心の注意を払って調停に動かねばならなかった。
ともすれば、部下たちはアンドレーエフのようにやる夫に刃向うことも恐れなかったからである。

172◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:50:16 ID:Gm.JNTnA0


特にセルゴの存在は大きかった。
生来のカリスマであった彼は幹部たちの間においても頭一つ抜けた存在であり、その求心力は強大だった。

                           .-‐…… .、
                            /。o゚oO ハ。о\
           , ‐…==-==、<¨ Y¨ヽ-,'/。o゚ _. `ハ  _. \______
           / , ─ 、  ヽ^ ^\ヽ八 l//o /(  ヽ. l_l / ヽ ヽヾ/////////| ̄
        | /   /   |^ ^^ (二) l l /  人  ',ニ/   ) l(二)///////|
   ___/Y    / /  |^^ ^^ l   | | >  l`´\ Y ヽ∠l l、 ∨//////|
 /      ̄\ ./ ̄   .}.、 ^^^!   | |Y ニヽ__゚__ヽl≦キ¨ ̄ヽ) ∨////./
/彡三       ヽ`ミ三  / \_/    l l.l  /l/i  三三  ハ) |   |////
|     ヽ/    入___     `─ 、 ヽヽ _`´!/( ヽ l / /.¨/.l.  !- ´
|彡     |彡_/            ヽ-、\ヽ `i!ヽvwwv-}  |-i/.  |     /
|  / ̄ヽ/─、               i \`-`、 ヽヽ_l._)/. / /\ |     / \
ヽ」    !   l                   \_ \ l ∧nnn∧ l/.///ヽヽ__/  ゚。 \
  ヽ   /、  /  /        /  , -  \ ¨/`7──f ̄|///////| | ゚o
  /\/ l_/‐‐==  (     ,l_/       !/ ////∨  !///////! !。 ゚
../ ==ミ 、/ ` .___, -ヽ ___/  Y⌒ヽ   /─ 、\/./ヽ二ミ///  l   ゚o。
..!     l ′、_, 、_, 、_,`-'、_,-'`-'、 /   l__////∧ ///////l ̄   l゚。oO
. l / ̄`<>、  、_,  、_, `-'、_`-' /  .<////////|////////.∧.   /о゚。oO
 ヾ    |  { 、 、_, `-' _、_,/_二¨///////////////////////|  .へo゚oO゜゚
   `─‐´    ̄`…‐ t…'   \////////////////////////// /.  \oΟ

                       スターリン
早々と自分の縄張りを固めており、小やる夫として配下の官僚達から畏怖と尊敬を勝ち得ていたのである。

         ____
       /     \
.    /       \
.  / /) ノ '  ヽ、 \
  | / .イ '=・=  =・= u|
    /,'才.ミ) (__人__) /
.   | ≧シ'  ` ⌒´   \
 /\ ヽ          ヽ

この頃のやる夫にはセルゴを敵に回せるほどの余裕はなかった。

175名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 21:51:32 ID:.yuXhbvM0
ちゃんと現場見に行くだけ、他の連中よりはましに思えるのが感覚マヒしてるな…

173◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:50:42 ID:Gm.JNTnA0


結局、セルゴとカリーニンの反対を受けたやる夫は譲歩するしかなかったのである。

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \      わ、わかったお・・・
  / o゚((●)) ((●))゚o \
  |     (__人__)     |    集団化の速度は緩めるお・・・
  \     ` ⌒´     /

174◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:50:59 ID:Gm.JNTnA0


1930年3月、やる夫は有名な論文「成功に目が眩んで」を発表する。
それは強制的な集団化政策を非難するものだった。


          ( ⌒ )
        γ⌒   ⌒ヽ
        ゝ      ノ
          | l |
            ____
            /      \
         / 一 ノ  ゝー ヽ          農民を強制的に
        /  (●) }lil{ (●) ',         集団農場に追いやるようなことは
     __|  ノ(  (__人__)    |         絶対にしちゃいけないんだお!
   (´  .\ ⌒   | /     /
    ``゙''ー、 >ー- `´ --‐ '’          集団化は農民の自由意思に
          }         ヘ           基づいて達成されるべきなんだお!
         .{       j、   }
       }        :! `ー'    ペシッ!! 無理矢理するなんて、絶対だめだお!
       /  / ヽ   }  |l!il|
        (  /    ヽ  ! γ `゚´ ヽ て
        `ー'      `ー'  {___jzz, て
              )          て
              ゝ⌒ ヘ/⌒ヽて

176◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:51:52 ID:Gm.JNTnA0


【補足】


.       /    /   .'    / /        |
       i l   l  l     / ′          .′|
       | |   |  | ‐、/| !        /   l
       | |   ト . |  |`ト、| .¦      〃  / /
       ヽ.|\ l ヽト .xィ士.j ト.| /    //  / /,′
        / / ヽ/ ハ.|ヽト辻}小∨j//./_/__,//_/__
     //   // /ヽi|  ^冖^      ‐テ士</-‐ ´
.     〃   // /|!  |     ,       ト辻}小>‐ /
    /′ // / |l ハ    ′      ^冖^ / /
.   /   // /  _!ヽ   \  r__,   U    / /|      こいつ白々しすぎだろマジで。
   '   / | i  /'| ',  | i\        / 厶イ|
  l l   |,-l |‐厶-ヘ  }  V  >‐z――…/ /'   !
  | l  / N´ ,. -‐ヽハ  |-く^Y´       ' /\  |!
  | l<⌒ ‐-'---‐'_丿 小丕}|      |/   \.|l
-‐┴'´  \_ ̄  ̄ _/,小辻リ       l ! -――/.'
       | ̄ ̄/ / ヽ{__ソ\   /!l,. -―//


          ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
          =           ゙ミ
          ミ     ★     ゙ミ
          ミ            ゙ミ
          ミ;=======゙ミ
        / ,=          ヽ
       /  ,='  _  ∧_ _,,
      /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_
        ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\     やる夫はこの論文で
         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ      自分の罪を
         ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ     「地方幹部の行き過ぎ」ということにして
          |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/     他人になすりつけました。
         | |{i t    _     / |
         | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
         // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
    r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
   __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
   ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |

177◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:52:42 ID:Gm.JNTnA0



           ,.:-=;1―;1―;1―;1―;1,=;:、
           ミ              ゙ミ
           ミ      ★       ゙ミ \
         / ミ              ゙ミ   \
        V/::ミ;=========゙ミヽ   \
       //:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :',  `、ヽ ム>
.      /:i:: :: /:: :: :: :: /:: :: :: :: :∧:: :: :: :: :::i  } >/i´
      ,'::i:: :: i:: :: :: :: /:: :: :: :: :/ ∨:: i:: :: ::l  V/:: l
      ,':: l:: :: l:: _:: :: /:: :: :: :: :ム--+::-l―:: |   |:: :: |     しかし、この論文は大きな意味を持ちます。
.     i:: ::l:: :: |:: :`''フ:: :: :: ,:: /    ',:: |:: :: :|   |:: :: |
.     l:: i:.|::..::|::_:: /:: :: : //     v|:: :: :|   |:: :: |     なぜならはっきりと「強制的集団化」が否定されたからです。
.     |::.l::.|:: ::|::/ニ_;; ;//  ====V:: ::,'   |:: :: :|
     |::∧:',:: ::V弋.:.:テ    ´ て:::::::o|:: ::,'   .|:: :: ::|     この論文の発表により集団化は中断され、
     |::i ',:',:: :∧廴::ソ      こ .ン|::/,'   i:: :: ::.|     囚人の釈放、集団農場からの農民の解放が
     ',.i  }::ト:: : ヽ゛゛  ` _   ゜゜イ|/:,'   ,':: :: :: |    相次いで行われました。
      ',' .ハ::iヽ:: ::>ァ-------<´<:: /:,'   /:: :: :: ::|
       ∧ヾV>、:V/ | (ニxニ)  |: :',:: /_ -'''´:: :: :: :: ::|
       /:: L_i VX|: :|  ∧   |: : |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
       /:: :: :: :: :: :: :|: └ ┘└ ┘: :.|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\


    (::::::::`::-/, ィ    ./          ヾ、::.:::.: ̄ヾ::.::i .V::.::廴
     フ`::.//  /                V:::::::r-イ、:/ V::.::.::.}
     V:/ /   /  /  ,             V::.:廴::.::i  il::.::.(
    ィ::イ ./   /.  i  イ     i         i::r=イ::.::il   il:::.:::.:)
   {{/ ./ イ i   il  il     il      i   {;,;,;,;:.:.Vリ  il::.::.:廴
   Y  i  il .il  .il  il    .イ        il  イ:.:.:}:.:/  リ:.:.:.:.:ソ
    i .ハ  .il .il   ハi、ノil   人_イ i .ハ   il  {:.:./  /:.:.:.{´
    ヽリilト .iトⅦハx=zミ:八 ./ ,..斗=ミ 、  .リ /ノ)/   ./::.::.::.ハ_    あら、口だけじゃなかったのね。
      ハトヾ入ゞ 〈i ん/ハ ∨ ´ん゚/ハ j〉 /ヽ イ/:/┴ 、./:.:.:.:.::.ノ
    / ノ人ゝ川ハ Vi.:ソ      Vi.::ソ ノ/イil {::イ-r=、i}:.:.:.}'//      ということは農民たちは
   .//.イil /人小 、、、  .     、、、 フ升 ili i:.K {rj]iイr'´//
   イ// /il.// /// i           イil_i_l_ilili il:.ノ人ツ //       助かったのかしら?
./イ// イイr⌒>''´ \   , 、    イ:::.::.::.::::Yフ/    .//
 /// iヾ:::Y''´      >‐ 、__ /;'::::.::.::.::.:{ソ-、    {{
V/ /∧::.::.::.:ヽ     _ t ` r</.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:人:.::.:.ヽ>  .|.|
_,,/ < 入::.::.::.::.\_-'`-' r 人 il:.:.:.ヾ:.:.:.:.ィ:.:.´:.:.ー 、_/:ヽ..|.|

178◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:53:24 ID:Gm.JNTnA0


          ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
          =           ゙ミ
          ミ     ★     ゙ミ
          ミ            ゙ミ
          ミ;=======゙ミ
        / ,=          ヽ
       /  ,='  _  ∧_ _,,
      /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_
        ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\
         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ
         ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ
          |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/    ええ、今のところは・・・
         | |{i t    _     / |
         | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
         // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
    r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
   __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
   ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |

【補足終わり】

179◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:53:55 ID:Gm.JNTnA0


農民への圧力は緩和された。
囚人は釈放され、集団農場に入った農民らにも自由な脱退が認められた。


         ∧_∧∧_∧
        ( *;∀(∀;* ) タスカッタ・・・
       / ⌒`')と   ヽ
      ( ̄ _)(`_ O)


これは春の播種に最もよい影響を与え、1930年は飢餓を回避することができたのだった。

                _____
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!    (これでいい・・・
  ,.ィ'´ト.´     ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/      最悪の事態は回避できたようだ)
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、       /i|iト、  |l:::::::ヽ:::::\
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、   ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::\

180◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:54:55 ID:Gm.JNTnA0


   /       ,_,              ',
   /       ( l 、            ',
   l      ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ   `ヽi   l
   l    i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ   /
  │  i、l=‐':´`"゙:::::::::::::.  : ノノ/、  /
   | i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::..  .:: l l  l   ヽ
   l ヽゝ l::: ::: :::/ |  `' 、::: -'´j l' /   )      セルゴ・・・
   ヽ、ヽ ` 、、:::/  !、-     ゝ,l '   /
    ゙''- 、ミ ',   _, - ‐-   /r, 、 `( _      まずは君の勇敢な意思に乾杯させてくれ。
       _ノヽ\    -    , '// \   )
       `ヲ.  \      / //    `''‐'-,     まだ政治局の同志のなかに、
    , ==l ,  l ` - ‐ '  //   ,---、 /
  , , ' '´   !li  lL.   , - ' 7/   |=000| )     君のような現実主義者がいることを幸いに思う。
//      `゙゙゙_)| `' '´   l(    ゙ー ' ´く
ヽ.ヽ、        l      ヽ >      l
   元右翼反対派・現在は失脚
           ニコライ・ブハーリン


   乂___乂   ヽ' / },γヽ
   -======、    Y  / | 、__}==、
=': : : :γ⌒゙\\   ヽ/ /|ニ=、‘,‘,
: : : : :.人    \\  ∨/}: : :ヽ|} ‘,
: : : : : :.f \    \\. ¨/:.:./¨ヽ. ‘,
=、   |  \    \ゝ-'/、  /-─‐
  ヽ   .    \.   }.r'  { }/
ヽ ‘, 乂__rtァ__≧、_ノノ_≦彡'乂
 ‘,  ,   γ´¨ ̄ ̄¨  、⌒ヽヽ`ー─       何をいまさら。
  ヽ/ | ,  :::..  , -‐……- 、}`ー─
.   {:. / |   :::....   _  -‐…‐ 、:: ::       あらたまって言うことではない。
   `ー{::..__」  、  , r'¨       .::|:. \
::.       `ー= _/ {  、     |  , /
            L_人  ヽ    / / /
 ̄`             `  ----- ´ }、
   、   、   ヽ   __    =--‐''/|
\  \   \   _二>-,=─ ´///////
三==─── ¨ ̄ /  /////////////

181◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:55:14 ID:Gm.JNTnA0


.    >‐ 斗 ¨: : / /: :{:     \<ミt
  /  //: : γ¨7,//: : :.:Y⌒\  ‘,: :`寸
 /   / /: : : : /`ー´//: : __ :.{.    \ ‘,: : __\        言っただろう。
./   | |: : : ノ   〈〈 -‐ `: ゝ._tァ__ゞ='-' };} .)
    | |: :Y´ ̄Y、 } }__   , ィ ,,   >'¨¨≧ェ__     たとえ何があっても、俺とお前は友人だと。
.    Ⅵ {   } }γ´   \/ |' .{.    ,γ´   , \
\    Ⅵ ゞニ彡'::{   ij    ̄¨¨^ ─Y_.」_ヽ / ィ }           /ヽ
、__}   ‘,',l    !:::!                ¨ ‐- 、′      /   }
」-'¨\  \\__/  \_〟-‐       `ー‐- _   ノ    / ̄〉'_>´ ̄У ̄\
    \  \\         _         / ̄_ ェェ/_/       {_   〉
.       \  \\  \ \ゝ_ 三二≡=-─ ´仁}三三三三三三三≧ェ.    ̄¨ヽ


   /       ,_,              ',
   /       ( l 、            ',
   l      ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ   `ヽi   l
   l    i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ   /
  │  i、l=‐':´`"゙:::::::::::::.  : ノノ/、  /
   | i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::..  .:: l l  l   ヽ
   l ヽゝ l::: ::: :::/ |  `' 、::: -'´j l' /   )    ・・・ありがとう。セルゴ。
   ヽ、ヽ ` 、、:::/  !、-     ゝ,l '   /
    ゙''- 、ミ ',   _, - ‐-   /r, 、 `( _    君は無二の親友だよ。本当に。
       _ノヽ\    -    , '// \   )
       `ヲ.  \      / //    `''‐'-,
    , ==l ,  l ` - ‐ '  //   ,---、 /
  , , ' '´   !li  lL.   , - ' 7/   |=000| )
//      `゙゙゙_)| `' '´   l(    ゙ー ' ´く
ヽ.ヽ、        l      ヽ >      l

182◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:56:01 ID:Gm.JNTnA0


かつての右翼反対派の頭目、農民融和を掲げたブハーリンは
失脚後もやる夫派のオルジョニキーゼと緊密な関係を維持していた。


:::::;;;;/ヽ_.ノ       \   }__  \
: ;/    ィ=ミヽ      \_ル'| ̄`ヽ\
Y⌒ヽ  // 仁ニ二二二二二}∴. /¨\.            / ̄ ̄`ヽ
|____丿 //   /. ̄ ̄ ̄`ヽ ∵ /、   |___.      / / ̄ヽ
|   //∴ Y_          \ 〈.   }ヽ/|\   \__{/      \
||   //∵   \ ` ー-==、 .   ) )__ノ,ィ彡'}‐-丶   \三三三三三三三
|ト、 ヾY     ヽ\    O ==' ̄ ̄`ヽ==ケ  \    \三三三三三三
|| l } y'⌒==ュ` ー===イ    -‐ "¨¨¨ヽ _}  ̄ ̄ ̄}三三三三三三
|| l ./     `ヽ    /  .../    , '"¨¨ヽ ¨¨ヽ  ノ三三三三三三
||ノ /    _                 ,,/       |  ノ7/二7ヽ三三三三三三
||彡イ   ⌒ヽ ̄`.,イ㌦_ヽ     { ヾゝ   ノ .〃/    \三三三三三
|. /| |        \/ |. |∨∨「ノィy-rケヽ___,ィレ′       \三三三三
|/ .|人:::::...    廴ノ__ノ勹ィヽ,ィュ ,イレ'ヽィy′レイイ}___   ヽ 三三三
|  |  \::::::::...      ` ー─‐-Y |勹Yl`ヽハ-‐─j:三三三\    \三三
|\     \             ` ー '  ̄  __ノ:三三三三:\    ヽ三三
|\\    ` ー─-  ヽ:::..   ` ー───イ三三三三三三三三\    }三三

公然と政策に反対することはなかったが、政治局内のパイプ、
そして学術界における影響力は元反対派の彼が持つには、あまりにも大きすぎた。

183◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:56:40 ID:Gm.JNTnA0


           ____
         /:::     \
       /::::::::::     \       セルゴ・・・
      /::::::::::         \      なんでやる夫を裏切ったんだお・・・
     |:::::::::::::::         |     いや、分かってるお。
    /⌒:::::::::      ⌒ヽ/      誰かにそそのかされたんだお。
  ;/::::::::::::            \;     やる夫の邪魔をしようとしている奴に・・・
  ;/::::::::::::::          \ ヽ;    誰かに・・・

184◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:56:56 ID:Gm.JNTnA0



     /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
    /: : :             \
  /: : : :            \
/: : : : : :                   \
: :  ___              /   \   人人人人人人人人人人人人人人人人
: : : : : :\_____,ノノ ソ ((,,,/_ _     l  <                       >
: : : :;;((_(|)_))ノ::::ノヽ:::( (_(|)_) );;:::   |  <   ・・・・・・ブハーリン!!!!!  >
: : : : :   ⌒ _ノ "''"´     ゙゙     l  <                       >
: : : : : : . . (    j    )       _人_人_ YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
\: : : : : : :. {ー-‐'´`ー-‐/'′   /| ギ |
  ヽ: : : : : :{ソヘノ' ―ー_( : : : :ーイ< リ  {
: ーイ : : : : : :  ̄ ̄ ̄”^       | ッ  ゝ
                    へwへイ

185◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:57:13 ID:Gm.JNTnA0


          O G P U
   ――― 統合国家政治局

               ┼                                ┼
             /⌒ヽ                            /⌒ヽ
              (;!___!_)              /\            (;!___!_)
             (;;_i____i__)_____________________.//\\ _____________________(;;i____i__)
                !XXXXX| ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ::://三三\\; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;|XXXXX|
    ___________________[三三三] ; ; ; ; ; ; ; ; ; //:i |:::iニ|:::i |;\\; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;[三三三]___________________
  /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;!|;;;;;;;;;;;;;/_;_;_;_;_;_;_;_//::::::i_|:::i__|:::i_|::::;;\\;_;_;_;_;_;_;_;;;;\;;;;;;;;;;;;|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; \
/ ;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_|;;:::::::::::::::!::::::::::::::::::;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::::::::;;i;;::::::::::::: i;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_;_\
.. ̄|:::::::::::::::::;:::::::::::::::: |;;:::iニ|::::::i:::::::∧:::::::;;|::::∧::::∧::::;::::;:::∧::::∧::::|:::::::∧::::::::;;!;;:::iニ|:::: |:::::::::::::::::;:::::::::::::::: ! ̄
  |::iニ|::iニ|::;::iニ|::iニ|::|;;:::i__|::::::i::::: i_i_|::::::;;|::::i_i_|::i_i_|:::;::::;:::i_i_|::i_i_|::::!::::::i_i_|:::::::;;i;;::::!_,|:::: i::iニ|::iニ|::;::iニ|::iニ|::|
  |::i__|::i__|::;::i__|::i__|::|;;:::::::::::::::!::::::i_i_|::::::;;|::::i_i_|::i_i_|:::;::::;:::i_i_|::i_i_|::::!::::::i_i_|:::::::;;i;;:::::::::::::::| i__|::i__|::;::i__|::i__|::|
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; [三三三]三三三三[ 三三三三三三三三三]三三三三:[三三三];;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
  |:::::::::::::::::;:::::::::::::::: |;;:::::::::::::::!:::::::::::::::::::;;|:::::::::::::::::::::::;::::;:::::::::::::::::::: |::::::::::::::::::::;;i;;::::::::::::: |:::::::::::::::::;:::::::::::::::::|
  |::iニ|::iニ|::;::iニ|::iニ|::|;;::::iニ|:::::i::::i |::::i | ::;;|::::iニ|::::iニ|::::;::::;:::iニ|::::iニ|:::|::::i |::::i |::::;;i;;::::iニ|:::::|::iニ|::iニ|::;::iニ|::iニ|::!
  |::i__|::i__|::;::i__|::i__|::|;;::::i__|:::::i::::i_|::::i_| ::;;|::::i__|::::i__|::::;::::;:::i__|::::i__|:::|::::i_|::::i_|::::;;i;;::::i__|:::::|::i__|::i__|::;::i__|::i__|::!
  |:::::::::::::::::;:::::::::::::::: |;;:::::::::::::::!:::::::::::::::::::;;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |::::::::::::::::::::;;i;;::::::::::::: |:::::::::::::::::;:::::::::::::::: |
'''''';'''''''';''''''''''''''''''''';'''''''''''''''';'''';'''''''''';;'''''''''''''''''';'''''''''';;'''''''''''''''''''''';''''''''''''''';;'''''''';'''''''''''''''''';'''''''''''''''';;''''''''';'''''''''''';''''''''';''''''''''''

186◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:58:04 ID:Gm.JNTnA0


jノ /  /:::::::::::::::::::::::ヾリ/:::::l::::::::::::ヽ
 /  /::::::::::::::::::::::::::::},ィi!:::::::l:::::::::::::::':,
_/ ,' ,'::::::::::::::::::::::::::::/^'ー!::::::l:::::::::::::::::::':,
' / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::/  ,l:.:.:.ハ:::::::::::::::::::::',
/ ,/: : : : : : : :.:/    l:. / ',::::::::::::::::::::i
//: . . . . . : /`丶、  ,'::/  ',:::::::.::::.::::::l
;': : : : : : :::ィ'zzミ、、ヽ,/::/   ':,:::.:.:.:.:.::::l
:.:.:.:.:.:.:.::::/´,ィ=ミヾ'、 /:/ , -― l::.:.: :.: :::l
:.:.:.::::::::,〈  {lifjlリ 'ソ ,':/ /::_  l:: . . .::l     このたびはまこと災難だったな。
:::::::::::/ ゙`ミ竺ョ  ,'/  lッ'",ニヽ,j: : : : ::l
:::::::::/       /′ l 、,{ifjリ,リ!:.:.:.:.:::l     よもや身内から造反者が出るとは。
::::/       /   ',ヾ=彳 l::.:::.:::l
''′             '、  ,! l l::::::::,'      まさに「飼い犬に手を噛まれた」というやつか。
  、、         _,.:ノ / //!::::::,'
   ヾゝ、、      ` '´ / //,l:::::/       さぞかしモロトフとクィヴィシェフも
    `' 、 ` ' ―-- 、_, / // /:::/
、     `丶、、__ヾツ,イ /イ /:::/        悔しがっているだろうな。
::丶、    丶、,,__,` /」ム' f/:::/
 ::::::丶、    `""  / r/ //
  ::::::::::::丶、 ___,ィ'    ▽
  ::::::::「 ̄ ̄        /
、  :::::l



                                                      ____
                                                    /     \
                        やる夫だってこのまま             /_ノ  ヽ、_   \
                        農民に膝を屈するつもりなんて       /(●)三(●))   .\
                        ねーお!                    |   (__人__)      |
                                                 \ ヽ|r┬-| /   /
                                                 /   `ー'´      \

187◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:58:28 ID:Gm.JNTnA0


                  ___
                    /\:::::::::/\.
                   /:::<①>:::<①>:::\            農業集団化は
                  /::::::::⌒(__人__)⌒::::::\          我が国の工業化のために
                  |     ` ー'´      |          決して回避できない大事業だお!
                  \      :::::     /          やる夫はこの事業を
                  /    :::::::::::::::::::    \          必ず完遂するつもりだお!
                /                 \  〈〈〈 ヽ
                               (〈⊃  } }


/  /  | l、`゙ヾ:;:;:;:l    -‐ '´  〈
  / i l / ` ‐ヘ;:;:;:l         ',      ・・・・・・
. /l  l ル′',   ';:;:;ト、_____ノ
/=レV'′  ',  ,!;:;l    _,. - '"´
、_/ `丶、  ', ┴'ァ  ,'
::リ\ 、 `丶、;-ゝく /
::::::::::\',、丶、..ヾ′ `Tヽ
::\:::::::::丶、:....::l  、 ', ヽ
:::::::`ヽ::::::::::\:..l  li,    ',
::::::::::::::ヽ::::::::::::ヾ  lli,    ';
::::::::::::::::::゙',:::::::::::::\l|li,  i,  ;
:::::::::::::::::::::',:::::::::::::::::ヾi,  ', 、 ',
:::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::ヽ ', li, ',
、:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::〉、l、li, ',
::ヽ:::::::::::::::::::L::_:--―▽::::ヾ li l
::::::ヽ::::::::::::::::::::::``丶、::::::::::ヽ li !

188◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 21:59:29 ID:Gm.JNTnA0



         /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
        /: : :            \
       /: : : :            \
     /: : : : : :              \
    / : : : : : : : ..               \
    |: : : : : :  ,,,,ノ⌒" '' ``⌒\,,,        l
    |: : : ::;; ( (・) ) ノヽ ( (・) );;:::    |      だが、そのためには
    |: : : : :  ´"''"        "''"´       l      まず獅子身中の虫を
   . \ : : : : . .(     j     )      /       始末しなければならない・・・!
      \: : :: : >ー-‐'=ー-ー<    /
     /ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\         今回の件でそれがはっきりとわかったお!
     : : : : : : : : :``ー- -‐'"´      \


        ,. -- 、、    __
      /, .:'"⌒ヾーァty'´::`ヽ
   -‐ァ'/::::::::::,ィ:、:Y;.::|;、:::::::::::',、
   /' /::::::::::/ ̄`リ::/`''i::::::::::l ヽ
  ,イ ,ィi:.:.:.:.:./_     l:ノ   !::::::::::l ハ
z彡ィ'/ !  /、`ヽ /,..-―|::.:.:.:.::!  |
 イ/ ,j|:.:.:.ィ;ミiヽ`//.:,==l: :.: .:!.  ':、       セルゴ・・・カリーニン・・・
 /l ,イ,'::::/ ̄´/ ,'   、fti   /// r\
 ´レイlノ:::/     ;.:.   `7:.:.:.:/,'./イ :.  ヽ     そして、裏切りの「前科」を持つ
  彳lメ:ノ     丿:  /:::::::イ//彡| ∧
 /l/イト、 ヽ――- 、_ /:::/l// /イル'!ヾ:.      元右翼反対派どもか。
△イ「l/リl>、 `` ニニ ‐ シ//,イイハ从 | リ
  ▽ /ル'|i\ ゙"゙ /:/,.ィfテ八l>/レヘ !       たしかに前科者が二人も
    ▽ リ| ` ―△'´/|▽    ▽
     _/    '´_∠ ┴z_    '′       政治局内に残っているのは問題だな。
    /く彡'´Lr‐ '´ __,、   人
  ,-‐{/|   /_,. - '´  ,. -'´:.:.:ゝ、
. | // / ,'_,. -彡'":.:.:.:.:/:.:.:.:` ̄`` 丶 、
. リ ,' /i  !::::, -'´:.:.:.:.:.:./、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.,. -‐ヽ
. / / ,/::| ,l/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:`>‐ '"´:.:.:.:.:.:.'、

189◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:00:07 ID:Gm.JNTnA0


  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:::/    |..:::|
. /. : .:.:::::::::::::::::::/       ',.:::!
 ′.:.:.::::::::::::::::::/       |:::|
i:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::/`丶、    |:::!
|:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::/    :::ヽ.   |::l
|::::::::::::::::::::::/ ̄/丶、 ::':,  |::!
|:::::::::::::::::::∧  |{frj}ミ>、',  !:!
|:::::::::::::::::,'  `‐`=='      l:|
',::::::::::::::::ト、       i  リ
.ト、::::::::::::| l',        .,'
.| l、:::::::::| |. 、    .::/               あまつさえルイコフに至っては
.|,ハ:::::::::| | li':,    ::〈
7  ',::::::::| |ノリl'、     ヽ              「首相」という重大な地位についている・・・
.   ',:::::::Wl/|l ヽ
   |:::::::| / リ、 li>、t,、、
   |:::::::lイ lj 〉l/リi、丶ミ 二二
   |:::::::| /イi;▽<lヘ、 、__
   |:::::::|.// l / ソ>、    ̄
   |:::::::l′  /-‐'´ ,ィト、
   |:::::::!  イ    〈:::| ` ―‐


        __
      /..::::::::::::::..\
    /..:::::::::::::::::::::::::.\       今までは
   /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\      見逃してやってきたお。
   | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      だが、こうも実害を及ぼし始めた以上、
  ,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...`丶、      これ以上やつらに容赦する必要はないお・・・
  ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ

190◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:01:16 ID:Gm.JNTnA0


やる夫は反対派に妥協するつもりなどなかった。
オルジョニキーゼとカリーニンの造反の後、やる夫はメンジンスキーと密接に連絡を保って
反対派の切り崩しのためにはやくも策略をめぐらしつつあった。

       ____
     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\       同志メンジンスキー・・・
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\      ここからがOGPUの力の見せ所だお。
  |     |r┬-|     |      期待しているお・・・
  \      `ー'´     /


         , ――‐- 、       _,. -―- 、__
         /::::::::::::::::::::::::::`丶、___, '´  __ ―-ミ'、`丶、
        ,'::::::::::::::::::::/:::_::::::::::::::/  ,. '´  --―-'、二_ヽ、
        !:::::::::>―'‐'´:::::::::/  / ,. - _,. _-‐==ミ、_ ,. ','、
       ,ノ>'´:::::::::::::::::::::_,ノ/  / /  , "´ , ― 、ヽ',-‐ ヽ'、
      /:.:.:.:,. --::――:::ァイ  //  /   /::::::. .:ミミ\}_,. -‐、','、
     /:.:.:./::::::::::::::::::::::::/::/ ,.ィ′ , '   /.::::::_彡‐ミミミ;彡彡ミ'、ト'、
.  /.:.:.:/:::::::::::::::::::::::::::::{l>イ'´/|  /  / .:,.<    `ヽ彡ァ=ミ:..', ',
  /:.:.:./::::::::::::::::::::::::::::::::'´l|/! /|ノ ,イ   / ,ッ≧、\    //   ハ l !    我々OGPUは「革命の剣」だ。
. /:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|!::l7::l / l  /:..:/!l:f6!:iヾ',ヽ  /,ィニ才:. l、|
//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l!:::ヽノイル! /!:._;' ゙' =='-  ,.ン'イi} ノイ|l:.:::!l |    大船に乗ったつもりでいるがいい。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'i,:::/:ハ!小ノ |:八   __,. '´ ト='彳 {{!|::::ハノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::/ |i l  |:ト、ヽ、      |/| !ヽ〉,!:/ノ     奴らがデカイ顔をしていられるのも
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::メ、 !l l>‐{:トヘ.ヾゝ- 、__ 、_」| 八|  /'′
::::::::::::::::::::::,. :: -――- 、:::::::::::::', ハ/ /△'´\`^'テ'´  <7  ▽       いまのうちだ。
:::::::/::,.:: '´::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::V彡'´   ヽ  `オ´   ´   丿
:::::{/:-―::::::::‐-::、::::::::::::::\::::/        /:/                テロルの味を思い出させてやる。
,∠:-‐:::::::::::::::::::::::::丶:::::::::::::::У\     /.:.:/

191◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:02:14 ID:Gm.JNTnA0


   |l | /:::::::::::::::::::::::::/          !: ::!       ヽ:::::::::::::::::::ヽ ヽ ',
   !l l !:.:.:.:.:.:.::::::::::::/___     l:.:/      __',::::::::::::.:.:.:.:.',  ヽ',
   ノ | l:   :.:.:.:.:.:/   、__`゙ミ=ュ ,':/, ノィz,ィ'"´__,.   ',:.:.:.:.:   :|  ',
.  /!| l l:...:.     /_,,..;ァ==ミ、`' // ゙'Y:::'´: '_´,. ===ミt,     |  ト'、
 / リ ! |:::::.:.:....:.. / '´ |{ift:チj}Lン ,'/  |::::   、{{ft:チリ} `l、:..  ...:.:|、 ', |      ・・・が、
,/ // | |:::::::::::::::/   ` ̄ ̄ ̄´  !'   l:::::..   ` ̄ ̄ ̄´!i:.:.:.:.:.:.:.:.| ', ',j
 // | ',::::::::::::/!           〈    |::::::::..       ,'l|:::::::::::::::l ¦リ!      あの腑抜けのカリーニンに
ノイ! ,!i l',:::::::::ハl、                |::::::::::.      //|:::::::::::::/  ! ト'、     公然と我々に立ち向かえる勇気などあるはずがない
    リ ハ::::::::{トミ'!                |:::::::::      ,'i/ |:::::::::::/  l |
   /! //!:::::::トトッ              ノ:::::       // ,!::::::::/ / ,.N      誰かが後ろ盾となっているのだ。
  / ,!/イ l::::::::トi,ヽ                    ノ'′ノ:::::::/  l /|l '、
   / /| リ!::::::| jゝ.'、    _,.ィ≦三三三三≧ュ、_  ,'   /:::::,イ / lj l! ヽ     つまり・・・
.  // l/ l:::::::l//下ゝ、  `~´          `~´ /  /:::/l| j|i |l ヽ
 /´  ,ノ ,ノ:::::ノ/ /| l|/l\      `~""'''''""~´    | ,.イ:::/l リ/!ト、 l!
    /;::ィ´/ /,ィ! l| li| \             / |::/ l /l/ ルヘ」
  /ヾシ'´/V/!イィ!」-'ァリ!   丶、        ,. ' _」:L..,>イ リ<l77



                                                   /  ̄ ̄ \
                                                  /ノ  ヽ__   \
                                                /(―)  (― )   \
                             ・・・セルゴかお。         |.  (_人_)   u |
                                                     \   `⌒ ´     ,/

192◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:02:54 ID:Gm.JNTnA0


  / ,、 -、 = ,..\
 /  /.:.:.ヽ,/:、/:.:.:.:.ヽ
./  /:.::.:.:.:.::.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:',
' /  {.:.:.:r‐'"^}:.:.厂´;:.:.:.',
/ i |:.:.:l.__ ';..:!_ 〉.:.:.l
l  | |:.:.:| ─  l::!─ |l.:.:.|     ・・・別に自信が
i |(∨i.:.:.l    |:j  | l:.:.|     ないわけではないが、
/| /.ーl.:.|.   '   .| i.:.:|
 '  l l.:.!  ─  / .|.:.l     あのトカゲを相手にするのは
  /  i:.i>、  /  l:.j      なかなか厄介そうだぞ。
 「`ー-▽ ._T´   ▽
/:¨: :ー-:.', _ ヽ   .}      下手に敵に回すと
: : : : : : : : : : : ̄ヽ         後々禍根を残すことになりかねん。
: : .: : : : : : : : : : : : \
: : : : : : : : : : : : : : : : :',
: : .: : : : : : : : : : : : : : :.i
: : : : : : : : : : : : : : : : : :|



                                                 ____
                                               /      \
                      たしかにセルゴは            / ─    ─ \
                      党を割ることも恐れない        / -=・=-   -=・=- \
                      男だお・・・                |      (__人__)  U  |
                                            \     ` ⌒´     /

193◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:03:09 ID:Gm.JNTnA0


     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\    それに少し我が強い厄介者だけど
/    (●)  (●) \   味方にするとあそこまで心強い猛者はいないお。
|       (__人__)    |
/     ∩ノ ⊃  /    わかったお。セルゴに対する攻撃は中止して
(  \ / _ノ |  |     やる夫がなんとか説得することにするお。
.\ “  /__|  |
  \ /___ /



     /  /::::::::::::::::::::::,ミ:::/:::トミ彡ヘ:::::::::::::::::ヽ  ヽ
.     /  /::::::::::::::::::::/ ゙̄i:::::|`:":"^:ヾ:.::::::::::::::ヽ  ヽ
    |  /:::::::::::::::::::/     |:.:.:! : : :  : ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.'、  ',
   / ,':.:  :.: :.:./    |:. :| : : :  .: :ヾ:.:.   ',  ',
.  / ,ノ!:     /__     Wi| .: : : : : :_:_:',    ',  ',
 ,ノイi! |:    .:/:.:.:.``丶、Ⅵ! : : :, ‐ '´:.:.:.:',     ', ヽ'、
   l{! |:....::.. :/'´ ̄`ヾ:.:  V|  .':.:.:, '´ ̄`ヽ .:....:.:',  ', ',
   /' |:::::::::::ft、({f}) ,イ!  jリ /:.:.イ ({f}) 刈::::::::::::|  ト、!.      よろしい。
.  /イ ,ハ:::::::::::lヾミ==彡'′ /'  |:.:.:.:ミ≧==彡ヘ::::::::::::|  |   .
 / |/ハ::::::::::!          |:.:.: : : :    :.|:::::::::::|  l!        ならば我輩はその他の連中の
   ,! '/∧:::::::|         |:.:.:.: :   . : !::::::::::ハ l|
  / /|l |',:::::|          、:.:.: :   : : |::::::::,' ト、ト、       不利な証言を集めることとしよう。
  /イ j| |,',::::', rt、      丿:.:.:   ,ィぅ: /::::::/  | ヽ .
    ト'、_| ハ::::'_、 ヾ:、_______,..イ'´:.:./:::::/ト、 |         なに、カリーニンやブハーリンを
    レ' | l∧::V>、 \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:.:.:/|::::/ ,! j /_
    {! ▽ リ!:::Wi}>、 `、_―--―,.´:.:.:/Vノ::/| /ヽ. /         始末することなど、造作もないことだ。
      {! lハ:::}」Ll||> 、 `¨""¨´,. <:.:|ハ{::/ ▽  ゙i|
        ┌''ァ▽_」 :.. `' ―‐ '´:.:._:_:_L,」:L,jリ_
        |_/'´/`>--へ、,. ‐ '´   ヽ. /   `ヽ-、

194◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:03:57 ID:Gm.JNTnA0


   ――― クレムリン内のアパート やる夫の自宅

       ______________________________
        l___________________________________________l
        ∧三|:Ll:|二二二二二|:Ll:|二二二二二|:Ll:|二二二二|Llノ二二二:|├i─. < ´
        ∧.ミl  .|_|_|_|_|| || |___|:ロ:|::::::::::::|  .| :::::::::::::::::: | ||.|:::::::::::::::::|  |  |
           ' ,|  .l ̄| ̄| ̄| ̄|| || |7/ ̄||::::::::::::|  .| :::::::::::::::::: | ||.|:::::::::::::::::|_|  |
          iォ |....「|TTTTTTTTTT「|TTTTTTTTTT「|TTTTTTTTTT「|TTTTTTT「| . |____________________
          |:| |..::|.| 二二二二二 |:| 二二二二二 |:| 二二二二二 |:|二二二二l:l .|;;;;; :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
          |:| |...:ト..─────‐|:|─────‐.l:|────‐| .ソ____..// .|─|二二二二::i. 尸二二二二::尸三三三三尸三
      __|:|_..| .Y 二二二二二l .|二二二二二l ..|二二二二|  |::::||::::::|::::::レ.... |  |:::::::::::ll :::::::::| |:::::::::::|::::::::::::|:| |:::::::::::::::::::::| |:::::
、    |       |  |_||_||_||_l .|__.||___|  |_||_||_|  |二|二:|::::::|   |  |:::::::::::ll :::::::::| |:::::::::::|::::::::::::|:| |:::::::::::::::::::::| |:::::
  ヾ、、.|____|  | ̄|| ̄|| ̄|| ̄l .| ̄ ̄.|| ̄ ̄ |  | ̄|| ̄|| ̄|  |_|_:|::::::|_ |  「|TTTTTTTTT「|TTTTTTTTTT「|TTTTTTTTT「|T
ミ::ミ::ミ::ヾ     | 「|TTTTTTTTTT.「|TTTTTTTTTT「|TTTTTTTT.「|TTTTTTTTT| |..|  |:|二二二二二l |.二.二二二二.l |二二二二二|:|
::ミ::ミ::ミ::ミ ヾ   | |:|.二.二二二.二.ヒ|.二.二.二二二ヒ| 二二二二_ヒ|.二.二.二.二 | |..| F+────i l r───l l f´ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄
ミ:::ミ:::ミ::ミ::ミ::ミ:ヾ | |:|   γ⌒ 、 「 _____  ____  |::|l:::::|l:::::::| .| |..| | .|::::::::::::::::::::::| l l:::::::::::::::::l | |:::::::::::::::::::::: | |:::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∧ Y⌒Y´;;;;;乂 ;;;ト | |:::::|:ロ:|::::::::::::|  |_||_||_l ..|::|l三||三.| .| |..| | .|::::::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::| | | ::::::::::::::::::::::| |::::::
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.Λ;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;,,,,, ;;;;;;〉、.| ̄| ̄:|::::::::::::|  | ̄|| ̄|| ̄l ..|::|  .||  .| .| |..| | .|::::::::::::::::::::::| | |::::::::::::::::| | l::::::::::::::::::::::::| |::::::
;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.∧);;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,/ ̄..y.ヽ::::::|::::::::::::|  |゙::::||゙::::||゙::::l ..|::|  .||  .| .| |..| | .| ̄ ̄ ̄ ̄.l | | ̄ ̄ ̄.....l |  ̄ ̄ ̄ ̄:| | ̄
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.∧,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.>- 、:::::γ⌒ 、::::|    ̄ ̄ ̄ ̄  .|::l ̄ ̄ ̄l .| |..| | .|        .| l |      .l |....,,,,,,,,,,-=ニ  ̄ ̄ ̄
;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.∧.,.,.,.,.,.,.,.r― 、::::::>:::、:::::::::>::::>-‐ 、 ̄ ̄ ̄ ̄          \
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.∧ ヘ/::::::::::::\ヽ:::::::Y:::::::{::::::::ヾ:::{                      >
;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.∧三hヾ:::::::::::ハ:::::i:::::|::::::::}::::::::ソ::ノ           /    /
: : : : : : : : : : : / /: : : : : : : : :| |::::>::::::::::|:::::l:::::l:::<              /     /
.: : : : : : : : : :./ / ̄三ヽ: : : :.| | ̄ヽ::::<   ...:::::::::::::::           <    /

195◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:04:55 ID:Gm.JNTnA0


  |┃    ガラッ     ____
  |┃ 三       /u    \
  |┃         /  \, 、/  \
  |┃       /  ( ●)  (● ) \
  |┃ 三     |  '" (__人__)"' u  |      グズグズしてられんお!
  |┃       \    ` ⌒ ´     /
  |┃        /ゝ    "`   ィ `ヽ.      すぐにでもセルゴを説得しないと・・・
  |┃ 三   /                 \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄"  y           r、  ヽ    ナージャ!明日は帰りが遅くなるお!
⊂二、 ,ノ──-‐'´|              | l"  |
  |┠ '       |              l/'⌒ヾ
  |┃三         |              |ヾ___ソ




. /. . . . . . . ,' . . . . ./ ,' ; . . . . . .゙i . . . . . . .
.,' . , . . . . ,,'. . . . .;.,'  i. ; . . . . . . .i. . . . . . .;
.i ; ;. . . : . i; . . . . ;.i  i ;,,,_. . . . . ;j. . . . . . i .
. ';',';. . .i: .;i. . . ._,ノi.l  ';:゙゙:~:''‐:、;;/. . . . . .ノ:.
  ゙';ミ、 .'、. '、. ~:   ''、  ','、 : : .;ソ. . . . . ,/::. .
   `、.、.:'、:i゙''       u  '  : : .ノ;.;: .
    `'゙-、;'i,              ';r‐< .
      ;.!゙i ===   ====t‐  r'゙' i .      ああ・・・おかえり、やる夫・・・
       /..ゞ    ,,    .ii|||i|     _ノ .
    __ ,' . i、 U           ,、'.゙'、, . .
   ,/  !. ,,iツ'.-、,_  ,,_,,,  __,、-t:'゙:i:i:.:.:.:゙ミ;-
   'ミ‐‐;シ'l.i:.:.:.:.i.i`:.゙':':i゙:":´:  i:.:.:.i.i:.:.:.:.:..`
    ~~i:.:.:.:i.i:.:.:.:.!:゙y,;;,、!,    ,,!,,;;;,,!,!;;;;;;、
   やる夫の妻 ナジェージダ・スターリナ(愛称ナージャ)

196◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:05:13 ID:Gm.JNTnA0


           ___
       /      \
      /ノ  \   u. \
    / (●)  (●)    \    あれ?どうしたんだお、ナージャ。
     |   (__人__)    u.   |
     \ u.` ⌒´       /    なんか元気なさそうだお・・・
    ノ            \
  /´               ヽ


   /:l'゙   ,r'゙ . : ;' : : : ; ,'   i; : : : : i i ; : ::::::i.'、
  / !   /. : : : i : : : ; ;i   、,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::゙;、
  '、 ゙、  ! : : : '; i ; : : ;_i!-'  ノブ''''''7'ナゥl: : ノ; ; ; ::',
   ',  ゙-;l : ; : : '; ';v‐'゙,,'_    r''フ''j=t:、ィノ/,':,': : :!
   ',   !、: ' ; ; : ;、)i゙l ,!;l'     l:r;'.;l:.} ゙' ゙: ゙_:': : :i     うん・・・
    i   ヾ、 ; ' 、;゙i  !l;.i:j     ,!,゙;;',ソ    '゙_,゙、 : :i--
  ,rー'、.  ノヾ>'‐;i゙', ゙‐'' ノ    i|i||     '゙ ,!: : !     なんか朝からずっと
.,/   `‐、 ,/゙  |'、i '    __        ,、、-;' : : :',
゙      ゙>   /;,r゙':、    `~      /゙;:;: : ゙、: : : ゙    お腹がいたくて・・・
      ,r(,_,,ノ/: : : i゙'‐、_      ,、- ,'::;:i:;: : :`:、':,、
    / `''''ブ:/: ;、、 ':::::::i.,`'‐ッ:-:'':゙:  !::::;';:'、: : : :`:'
    ,r'_,ッッ'゙-‐-ッ'゙,;;,,`'-、'::i:::.._,i     i,、,'、::'、::. : : :
、 /゙´‐'゙´   /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rチv}_,,、-、 ,-'゙_,,>=-‐'''''‐
i゙'‐(      /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'゙'=!'-{,)=ニ!ノ:、‐'゙,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

197◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:06:21 ID:Gm.JNTnA0


               ____
             /      \
           /  _ノ   ヽ_  \
          /   (●)  (●)  \    (またかお・・・
            | U   (__人__)     |     ここ最近ずっとこんな調子だお・・・)
          \     `⌒´  u  ,/
          /     ー‐    \

198◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:06:35 ID:Gm.JNTnA0



         , -ー''''~~ ̄ ̄ ̄~~~`'''i
      ,、,_ .l  _,,,,, 、 -------、、_.l
      l, `i''''~           'l
     ,-'_-_ニニニ二二二二二二ニニ       人__从_从人
      ,,-/   i  /   il'  l   \、ノし/ ≧ズキン!!≦
     \l   l l  {.{   {{  .}}   Σ:. て   WW⌒W⌒Y
    ,.  l,  ,、'、i , ,,' `'''~ ' \_  / /^Y\
 、  {.l  l  { ヽ'l l ll__,,,-     ./-'''~
 lヽ,_ `-`,/-,-''`''l.' ' '', ,   `'ー''.lノ ,-,'    ・・・ああ!
 l,  ~~ /   ,_{ヽ、iー-、,,_  _,ノヽニ,~-7
 ,-'-、, ,,ノ    l `''l.7,'ー''~)~  .l  _ノ    頭が痛い!!
  `ヽ、_(_ー-,   l ''''7ノ`  l   _>'-~
 i'''~`'''ー/-,l'ー-,_ l-''~l l\,,,ノ _,-,-`
 l    l  .l X l /  .l .l  l l. X l
../   , l  .l  l l,_ .l .l  _l.l  l
l  /  , l X .l  `''  '-'  l, X l



         ____
       /   u \
      /  /    \\
    /  し (○)  (○) \    ちょっ・・・大丈夫かお!?
     | ∪    (__人__)  J |
    \  u   `⌒´   /

199名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:07:20 ID:V571AiAQ0
このやる夫が他人の心配をしてる図は恐ろしく新鮮に見える・・・・

200◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:07:35 ID:Gm.JNTnA0


この頃、ナージャは深刻な病気に苦しんでいた。急激な腹痛や偏頭痛の症状が繰り返し現れたのである。



  どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
   三           三三
        /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  三三三
  三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン
      /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
    〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
    ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ
  . 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
    };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll



妊娠中絶手術の後遺症、頭蓋骨の変形による骨癒合症、
あるいは心因性ストレスが原因とも言われたが、どれも不確実だった。

201◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:08:24 ID:Gm.JNTnA0


1930年6月。やる夫は最高の医療を受けさせるために妻をチェコのカールスバートへ送った。

               ____
             /      \
           / ─    ─ \    カールスバートは欧州で有名な温泉地だお。
          /   (●)  (●)  \   あそこなら高度なドイツ医療も受けられるし、
            |      (__人__)     |   温泉につかって体を休めることもできるお。
          \     `⌒´  U ,/   手紙も送るお。ゆっくりしてくるんだお。
          /     ー‐    \



   /:l'゙   ,r'゙ . : ;' : : : ; ,'   i; : : : : i i ; : ::::::i.'、
  / !   /. : : : i : : : ; ;i   、,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::゙;、
  '、 ゙、  ! : : : '; i ; : : ;_i!-'  ノブ''''''7'ナゥl: : ノ; ; ; ::',
   ',  ゙-;l : ; : : '; ';v‐'゙,,'_    r''フ''j=t:、ィノ/,':,': : :!
   ',   !、: ' ; ; : ;、)i゙l ,!;l'     l:r;'.;l:.} ゙' ゙: ゙_:': : :i
    i   ヾ、 ; ' 、;゙i  !l;.i:j     ,!,゙;;',ソ    '゙_,゙、 : :i--
  ,rー'、.  ノヾ>'‐;i゙', ゙‐'' ノ    i|i||     '゙ ,!: : !    やる夫・・・
.,/   `‐、 ,/゙  |'、i '    __        ,、、-;' : : :',
゙      ゙>   /;,r゙':、    `~      /゙;:;: : ゙、: : : ゙
      ,r(,_,,ノ/: : : i゙'‐、_      ,、- ,'::;:i:;: : :`:、':,、
    / `''''ブ:/: ;、、 ':::::::i.,`'‐ッ:-:'':゙:  !::::;';:'、: : : :`:'
    ,r'_,ッッ'゙-‐-ッ'゙,;;,,`'-、'::i:::.._,i     i,、,'、::'、::. : : :
、 /゙´‐'゙´   /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rチv}_,,、-、 ,-'゙_,,>=-‐'''''‐
i゙'‐(      /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'゙'=!'-{,)=ニ!ノ:、‐'゙,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

202◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:09:17 ID:Gm.JNTnA0


      /  /   /     /ミ メヘ     \
    /   /   /     /    i      l  \
     |    !     !   __ ,'     ,'     l.    \
     |    !  l  | '´  ̄ !    //、-..、 //      ト
    ',   .l  ',. ヽ __、、_l    //   ̄/\     ,'
     ヽ. 人 ヽ ≧≠ミ:ト    `ーi- ト 、       / /ヽ
       ̄`  フl〝んノ::}      =ミ≦レ   ,     }
.          { |  r。U:リ        ん ノ:jヾニ', //   ,'
          ヽ! - ー'         r-'U。ナ '┘!彡    /     ・・・ありがとう。
.            "   ::ノ       辷' ノ    ´ ヽ   /ー -
          人  u         ii|||ii  , r'´/  r':::::::::::::ヽ  愛してくれているのね。
           丶   `  ー-        /_ イ.  |:::::::::::::::::}
             \      U   ィ´人     l_ / ̄
               | ヽ _... ..::::´  l   \   ',       }
              ,'  /   }       !__    \ __ヽ     , '/
        ヽ _ ././ .//_ !    ∠:::≧、    `ー - ≦彡'
      lヽ _`フ ー' _ //::::|  /::::::::::::::::::>       `ー─ --
      ヽ    /、/   /::::://:::::::::::::::::/   ` ヽ



           _-─―─- 、._
         ,-"´         \
        /              ヽ
         /       ::::/::::::::\::ヽ
       |       / ヽ `::::´ /`ヽ
        l       ( ●ノ::::::::::ヽ●.;l   ・・・早く良くなるんだお。
       ` 、   u    (__人_)  .;/
         `ー,、_         /
         /  `''ー─‐─''"´\

203◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:09:31 ID:Gm.JNTnA0


気難しい独裁者。強烈なプレッシャーを受け、かつ熾烈な憎悪を武器に闘う書記長は
生来の人格問題者だった。その妻ナージャも厳しいボリシェヴィキに育った頑固者だった。


     __________
     |.              |
  ("\,|__________|
  ,)__ |__________|
 __ニ__________ニ__
    /,´    .  /`´ヽ      ヽ
  //_i   l_.,,l--|   | _ l  l   ヾ
  ~`|  ,l´ノ ノ ノ   ノ´ ノ`ノ,|ノ
 /~、|   !, ___,、   、_ __」 i 
     |  |. .l` ̄´    ` ̄`|i  
    ヽ、..ノ` |、' ' '   '  ' ' '/!ヽ、ノ
     | , i |`ヽ、 ` ´ . イ |
     || ! l |  j ` ー 'i, ノノ |
     i ,.-- )\ '    `ー-/(,_
 ヽ、ノ/ヾ;、(  \   /   )`ヽ
ヽ、ノ i    ) _ ('A`) _ (  ,,i

二人の夫婦生活は決して円満ではなかったが、しかし確かに愛情も存在していたのである。
外国で療養中のナージャを心配するやる夫の手紙が、今も残っている。

204◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:09:45 ID:Gm.JNTnA0


  ――― クレムリン内のアパート ブハーリンの自宅


: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ||            //  ||    //
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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────, ─i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i--- 、─────‐
───/  /|              |             |   ├─────
     i´ ̄`i |_________,|___________i´ ̄`i
     |    |/             |             |    |
     |    |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`|    |
     |    |                  |                  |    |
     |__|___ , -─────┴────- 、___,,|__|
           /                    |
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            (_____________ノ
          | ||                 | |
          | |l                 | |
               ̄                  ̄

205◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:10:51 ID:Gm.JNTnA0


     /: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V        やる夫の論文を読んだか?
  < : _: : : / 〈  ノ |/  レ ヽ }|:./ヽ: : :|          この駆け引きはついにお前らの
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_ レ{: :.|ヽ:|          勝ちに終わったってわけだ。
   厶ヘ ハ         、    {ハ,;' ((
      \_!         '    ! ( ( ヽ) ホワ~ッ    恐れ入るぜブハーリチク。
        ヽ    'ー―--    /  ヽノζ         あのやる夫に間違いを認めさせるなんてよ。
      ___,r| \         /   | ̄ ̄ ̄|(^)       あいつとは古い付き合いだが、
    /:/::::| \  ヽ _ , ィ´    | ''..,,''::;;⊂ニヽ     自分の間違いを絶対に認めない奴なんだよ・・・
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、  .| .,,:: ;;;;ン=- )
/:::::::::::/::::::::|    \  /  ! ,r-''⌒^ニ);;;;ヽニノ ヽ
   やる夫の旧友 アヴェル・エヌキゼ


       /                         |
.       /        π                  |
      |      ノ {               |      誤解だ、同志エヌキゼ。
      l i   从(´__  `ヽ_                {
      ヽヽ .{/////`ー´77777ノ丿  /       |      今回の件では私は一切なにもしていない。
       `ヽ i/////r-、//////ヽ─´  /,    |
         _ノ ∨/_ノ/  ヽ////>/   //  _/      方針を変えさせたのはカリーニンとセルゴだ。
        て ',  ヽ   ` ̄  z  /´  /_
         -=>  ',  ニ=      レイ    く        あの二人の成果さ。
       |::::::::::::|/ ヽ  `    / /   ヽ ト--= _
       |:::::::::::{{ ,|_`ー- - ´  / |_   ノ:. :. :. :. 〉 〉
       |:::::::::::|| |`ー------ イ _(:. :. :. :. : //
       └:::::::::|| イ            }t-:. :. :. :. :. //
-=ニ二三三::::::::::}}              |/:. :. :. :. :. //

206◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:11:06 ID:Gm.JNTnA0


    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ -=o=-| :/ .|:/  V: |.: : : | V
  < : _: : : /       |/  レ-=o=-|:./ヽ: : |
  <:: |. 小{                   レ{: :|ヽ:|     ほー?言うねぇ・・・
   厶ヘ ハ         、       {ハ/ V
      \_!      _ '     !          だが、やる夫とモロトフは
        ヽ    /  `t   /          そうは思ってないようだぜ。
      ___,r| \  {    / /            お前が政治局のパイプと大学の縄張りを使って
    /:/::::| \ ヽ `_⌒ ィ ´             「右翼的言説」を広めてるって考えてるのさ。
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、


.   ,r'"                       ゙、
   {     {                      ヽ
    {     {     ..,,_              ヽ
.   ノ     ,'゙'、ヾ、レ‐---、ヾ゙)ノ)   -、         ゙,
  /     {  ,、-:::::..  :. :::ツ ノ     ゙、゙'、       }       馬鹿な。私と彼らはすでに和解した。
  ,"      _!,,ソ:::::::::::::::.. :. :::::ノ{     } }      ノ
  {     r'':::::::::r-、;_::::::::  :. :/ ゙'‐-、,   }.ノ      {        やる夫とは今でも時折ともに夕食を囲むぞ。
  ゙、    { ::::::::;'   `''ー-‐'"     ノ  リ       ゙ヽ
.  ゙'‐-、 ゙'、 ::::/           、,クノハ         }      変な噂が流れないように気を付けてくれ、エヌキゼ。
     ゙'‐`'{'゙iヽ、'   __,,,      ,.,.,.,,,_/_ハ       {
        `'ヽ  r"       .| ┌ー-゙-ニっ     ヽ、     党の敵と誤解されるのは不本意だ。
         {ヽ  "      | .|      } ト)    ヒ`ゝ
         `~}ヽ      /.| |      -‐"  ヽ、 マ     やる夫との友情に傷をつけたくない。
     l'''ニニニニ{、、,゙'、.,__-‐"  | |            ヽ'
.      | i     ノ     l,.、-'"| |
      | i     `つ   ζ   .| |
      ヽ,ヽ     `''ー'l
.       ヽ,゙、         !

207◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:11:57 ID:Gm.JNTnA0



           -─ 、  , -──- 、
           , - ─`<::::::::::::::::::::::::ヽ
         /::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::`- 、
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /: : : : : : ::::i: ::::ハ:: :::::::: : :::ト:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
       /: : /: /: ::::::|:::/ .V::ト::::::: :::| \::: :V: : :::::::::::|
       |: :/: /: :/:::::|/ _ノ .V| ヾ:::::::|   ∨::i::::::::::::::::::}      やる夫のことを何も分かってないな、
      レ.|:.::::|:::i:::::/|    、ハi \::::|`^ーV::ト::::::::::::::::ヽ      ブハーリチク。
.        |::::::|:::l::/|::i          ヾ|    Vハ::::::::::::::::ハ
         |::::::|:::K .V ≡≡′   `≡≡' .ハ::::::::::::ト;;ゝ    あいつの中じゃ、友情と敵意が
       |::::∧:r-、                i .ヒ V:ハ::::i::>   矛盾せずに同居していられるのさ。
       |::/ |:|レヽ     丶         レイ/'リ::::::>
       ヾ.  | ヽ∧         、    r‐ム::ハ/
          V:::/ ヽ、   ー、―‐ノ   /'´
           ヾi   }>    ̄   イ
                 | ` - ´_ -┴┐
               r‐'V/ ̄    /::\
               / /:::::入     ./::::::::::|""\

208◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:12:16 ID:Gm.JNTnA0



              ̄ヽ、
          _ ,-─ 、,〉ゝ--::... 、
        ,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`\_
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
     , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    /:::./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ,/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.l
    l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l     ・・・気を付けておけ。
    |/|:::::::::::::/:::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    |::::::::::::::::::::::::_:::/ l:::::::::::::::::::|\:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::|     OGPUの犬ッコロどもが
    |:::::::::::::::::::::::::/≧、l:::::::::::::::::::|  \斗::::::::::::::::l:::::::::l
    |:::::::::|:::::::::/l::/イ⌒゙`メ::::::|\::lィ千代`:::::|:::::::::l:::::l〉リ    お前の周りを嗅ぎまわってるぜ。
    |::::::::/|:: / リ弋、 _ノl ヽ|  ヽレ; __ソ l j|人:::::::l:::::|
.    |::::/ |:::fzll ^ー‐'´     ^ ‐-'´ jlノ:::::l::l::て     下手な行動はするなよ。
     |/  ヽ.:::|ヘ              /ィ<"j メ_/
         ゝ;八      ;      /イ
           x > 、   ー ー    イゝ:::`>-、
         〆::::;//ハ` 、     <´/  l):::}:::::::::::::::` 、
        //::::://  \  `‘´   /  /::::7::::::::::::::::::::ハ::l
       ノ::::/::::::《〈 ヽ/ヘヽ    /  /::::/::::::::::::::::::::::/::::l




    /     | | |   ヽ
   |    いl ヽ,l\_ \   \
    | /     ト'  __ , --`ー `ー、 __ゝ  l l
   |!   ,-=、__f´::,.- =‐'´:.:.:.:.:.:.::::::)  ノノ
    l   |:::::::::::::::::::::::´ ,‐tァ‐=-  `r‐イ    /
    ヽヽ|:::::::::::厂ヽ:::::. : ̄:.:.:.:.:.:.:.:::/ {      ト、
     \!::::::::/   \:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/   ヽ     | \
        l::::/       ヽ---一 '   、_ノノ   ト、 ハ l      ・・・・・・ご忠告ありがとう、エヌキゼ。
       ヾヽ、_ -          、_フ′/ / _/ヽ!
            ', __             ヽ_∠ノ /  ヒ´ノ
            ', ,-―‐--   し           /`l
            ', --     ____    /  ヽ、
           l      | r――- ニニニニニヽ
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   r,――‐ ´ ̄ヽ__ ‐┤l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::―‐/ ハ
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   ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ   l  | |::::::::::::: |=<>ニ<>ニ<>=|::::::::::::ノ

209◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:13:05 ID:Gm.JNTnA0


しかし、やる夫にとってかつての反対派を放置しておけるほどの余裕はなくなりつつあった。

1930年夏ごろ、モスクワ党書記の古参党員であり右翼反対派の一員だったリューチンが中核となり
やる夫を排除する反対派を結成しつつあるとの情報が舞い込んだ。

             _,,_、,,
         ,, -ー''゙"    ` ..、
       /::::::::::::        ヽ
       /::::::::::::::::         ヽ
     /::::::/::::   人:::::::..     |
      |/ノ ノ  _,-'_,,-ヽ::::::::..    |
     ('ヽ' _-┬'_tl.   ー_ゥ, ヽ、::::   |
    _,-l-'( i  |  ノ,,       i::::  |
  ._,i' し i | |  、       /::   |
 /_ノヽ'    | ヘ   =一'  ノノノ   ゝ
   l /   ,| ) ヽ ^   ./ 'ヽ_/
    ヽ   /  `ー` -__''__|_'
   _|__l_   ,「=|||,-''ヲ ノ7|
   |l_)v(  l|_,,.|_-|||ニ'__,,..:::::|..,,,___ _,,
   /;;;;;;;;;;;;;;;;|_ (-ヘ ,-――-,   __フ;;;;(((ヘ
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ニ ヽ;;| |;;;;;;;;;;;;;;/   ニフ;;;;;;;|_L| | |ヽ
   モスクワ党書記・映画部門責任者
      マルテミアン・リューチン


当時休暇中だったやる夫はすぐさまモスクワに戻り「陣頭指揮」を執る。

        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\       リューチンのようなならず者は
     /    (__人__)   \      今すぐモスクワから追放しろ!!
      |   U   |::::::|     |
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i    _             _
   /          ヽ !l ヽi   | l [l] | ̄| /l    | |
   (   丶- 、       しE |そ  | 二l  ̄/ [][]∧.|_|
    `ー、_ノ      ∑ l、E ノ < |__|  | ̄/ <_/ <>
               レY^V^ヽl       ̄

210◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:14:39 ID:Gm.JNTnA0


この事件は、降伏したはずの右翼反対派に対するやる夫の猜疑心をさらに強化させた。


          ___ _
       . /  >‐-、\
     . /~ヾ, j|  。 } \     ブハーリン・・・ルイコフ、トムスキー・・・
      /|_ ゚ .,.〉 .ゞー≠  ...\,   あいつら、口先では間違いを認めて・・・
     ./ ヾ≦'(_人__)      .\      裏じゃやる夫を失墜させようと画策しているお!!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

211◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:14:55 ID:Gm.JNTnA0


      ,:':::::::::::::::/`゙゙"!、::l    \:::::,:''゙
.     /::::::::::::::::/    ','' ',     \
     〃:::::::::::::::′   '!:::i,    ,, -‐ヾ´,
    ll::::::::::::::,'      ';:::i,  ,ィ'"   ヾ:
     ll::::::::::::.,' -―‐- 、 'i,:'!  ゙ ,. , -‐,,z=
.    l!::::::::::::!   ._,,,_' ,ヾi,:i,   シ',r'"{:.`''′
    l|l::::::::::::l , z,=r;;テミ、', ゙li,   '゙ _,,`ニ    すでに「証拠」は
    ゙il::::il ',:::l '´ ヾ.゙''゙ノ   '! ':,
    li,''゙ ゙' l `' == ''"  l  丶         十分にそろいつつある。
     lト,、',, :'i,          l
     llゞ:::::::::',         l            党内の反対派に引導を渡す日も
     llリ>、::::::',      〈 _ _
     ,!jノ ヾ:::::',、       ``"    _,,     近いだろう。
     l/   ヾ:::::'iヽ、   _,,. -― '' "´
         ヾ::ヽ',丶、 ´  、,,,,,. .:
          丶ヽ'i、丶、
           ゙i,:i,ト、'i l`iヽ、    , ィ′
           、┴i,ヽlハ',i ` ‐-‐ '",/
            ヽ'7 <ラ ',i,     //
             ソ / ,-tL、  , -''"


               ____
             /      \
           /  \   /  \    あとはセルゴの説得だけかお・・・
          /   (●)  (●)  \
            |      (__人__)     |   ことは急を要するお。
          \     `⌒´    ,/   一刻の猶予もないお!
          /     ー‐    \

212◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:15:59 ID:Gm.JNTnA0


やる夫はすぐさま党内の反対派との危機を演出。
最強の盟友セルゴ・オルジョニキーゼから支持を取り付けようと説得にかかった。


      / ̄ ̄\    γ⌒))⌒) ))
    /  :::\:::/::::i  / ⊃    ゞ          右翼反対派はかつての誤りと自己批判にも関わらず
   /   ( ●)::::( ●)\ ∩⌒)彡⌒)           権力を奪取しようと党内の切り崩しにかかってるお!
   | U    (__人__) 〃/ ノ
   |  u    |r┬-|   / / ))    γ⌒))⌒) ))  だけどやる夫はあんな卑怯者どもには一歩も譲らないお!
   \::::::;:::....  `ー'´  _/( ⌒)ミ⌒) _/ ⊃      血みどろの闘争になるとしても、断固として戦うお!!
   / _ ̄""   / \/ /    __ノノ  ))
  (___)    /      ))
                                     ヽ \__l   ___//  //l l)/  , ─ 、   \
                                    ‐‐' //////>、_l / {  /  l `´. /      \ ○ \
                                     ///////////,=-‐,─ l (⌒ヽ ヽ_/     _.  \
                                    /////////////( ∨  l) l\ \  .-‐  ̄  /    >
                                    |////////////l二} {二Y  ヾ `o、 (   キ>-‐'   _/. /
                          ・・・・・・・・・    |//////////./     {    >' ̄ ̄ヽ≦二     `、/
                                    ∨/////////      l  /── 、     `      :.ヽ
                                    . ∨///////  ___ l>'         ∧)ヽ/`   l
                                      \/////| ///////>── 、     _/ l  )    ∧
                                    ,'   `<//| |//////l 、     `‐、_ハ/ ` ‐' ̄    / ヽ

213◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:16:24 ID:Gm.JNTnA0



     /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
    /: : :             \
  /: : : :     U      \
/: : : : : :           u   \    人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
: : : : : : : :.._        _      \ <                            >
: : : : : : : ´⌒\,, ;、、、/⌒`        | <    セルゴ!!!                >
: : : : ::;;(( ○ )::::ノヽ::::::( ○ ));;:::   | <                            >
: : : : : : ´"''",       "''"´        | <    お前はどっちの味方なんだお!?    >
: : : : : : . . (  \j /  )/ し   / <                            >
\: : : : : : :.`∨トエエイ∨     /    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
/ヽ: : : : : : : :∧エエ∧: : : : : イ\
: : : : : : : : : :.``ー- -‐'"´         \
: : : : . : : . : : .                   \



            , =-‐ニニニミヽ、
          ,ィ´ィ,ィ'"´_=-‐-=、`ヾヽ
       .,r‐‐=///´r''´⌒、_∧_⌒,=、ヽヽ、____
ー<´ ̄~¨7  .///f´`,ィゝ‐''.〈ハ〉 ̄ゝ‐'、ヾヽ`ヽ\r‐-、
ヽ  ヽ _/ .///r‐f´     〈ハ〉    f`Y:l‐-、. }  l‐-、
 ゙v''"´  `ヽ{ i l`/'"//⌒ヽ. 〈_〉 ./⌒ヾ、 l l、  `ヽ ノ´`,、´ヾ
  }ゝ、 __, ィ'"l l: Y`i l l (⌒ヽヽ__/´,ィ'⌒) l l_l_l、ゝ ___)´` ⌒
  .l`ー---'''"l l:..l rf⌒ l`x、 ` v ´)ヽ,ィ' ff´ ハ `ー-‐'i ´` ,,、
  l       l l八ノl ヽri゙ゞニ゙、_|_,∠´、",r`Y ノ    l      ・・・・・・
  l    _ ヘ∨ゝ. /.f´l:.'´-三-`゙l`iヾ ハ'"     l
  .ハ,ィ'"´:::ヘ //ヽ,,`ゝ{ ,>=< }‐'"rヘ l.      l
 .ノ //////∧'"ヽ、゙ ゝ ハ'´ヾ  ,イハ ノ,ィヘl /⌒ヽ l
:./ l///////,`>-、 八_,,` ー‐‐'__ノ´ ,,ィ'"/////} l
/  ゝ///////////`ー=i `ー―'  ,ィ'´////////ノ l

214◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:17:26 ID:Gm.JNTnA0


               ____
             /u    \
            /  \, 、/  \
          /  ( ◎)  (◎ ) \
          |  '" (__人__)"' u  |    ハァハァ
          \    ` ⌒ ´     /
           /ゝ    "`   ィ `ヽ.
        /                 \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄"  y           r、  ヽ
⊂二、 ,ノ──-‐'´|              | l"  |
    '       |              l/'⌒ヾ
             |              |ヾ___ソ



                       , .-‐======- .、
                   /,. -;ィイ/⌒^^~~"''ー 、.\、
               r‐←/i/ レ'  ̄r‐- 、' , ' , ' , `ヽ.\
                 /ー'´/ .レ´  _`‐- ´`'‐、 ' , ' , ゙li ヽ
              ,r/"⌒! レ'  /´ ̄`''‐ 、 i´゙ヽ' , ' ll  i、
            y'- 、' , ヾ=ー''", ', ', ' '   ヽ ヽ、_)   !!  .l
        _ , rr‐(    \' ' ' ' '  ,. ‐'   ヽ ' , ゙!!  !   !! /⌒'/`y'⌒ト、
、/\ __("i´ l  l !`'‐、  ヽ .r ''"   |i   ノ ' , !!  !  !! ! レ' /  ノ─
"´ ̄    ゝ-┴r´ ヽ、.._`o、{ { _,,.-=キ‐´ __ ||  | .〃 ,i -─-'、イ
       ト 、. __!     .r'"´ ̄``ヾー-=イf''´ ̄ r'´, - 、〃 ト、 _,,.ノ!      ・・・お前の味方だよ、
       ,r` ‐--i r'"´ ̄ ̄`ヾ     ^ヽ.  {. {   ) /'` ー--‐'1
       /   ,r'" ̄~`'‐ 、      Nヽ_,,..===:ヽ、._ー ン /       .{      「同志」やる夫。
      i   { ヽ、{  ノ }ヘ_,.. '-‐ !-┘      ),∨ ./       l
     i   (ゝー---一'´`´            ノ〃 ./        l
.     i r─‐ !、._,,,..___ ,.ノ       _ ,. ‐'´,〃./ ,r──‐ 、.  l
`''‐ 、.._l l      ヽ`''‐ 、          _ /´/ /      l   !_,,. -‐'
     ! !     ヽ \ 「!''ー-====-fr´ ̄ / /         l.  {
.    | |        ヽ、 l.L三三三二ニ!i. ‐''´,. ‐'´          |   !
ヽ、._,! |           ! ┌‐-----─┐  i´               |  ヽ、.__,.

215◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:18:18 ID:Gm.JNTnA0


さらにオルジョニキーゼの支持を取り付けたやる夫はメンジンスキーやモロトフらと共に
破壊分子による陰謀をでっち上げ、後に「産業党事件」として知られる一連の大規模な粛清を開始する。

                   ,':::::::::/:: |``i´ ̄´
                   ,':::::::::/:::: |  |
                  ,':::::::::/ :::: |  |
                  /::::::::/:::::,:-|  |
                    /::::::::,, -''"::::|  |
                /,, -''" :::::::::::::|  |
          _,  _,ノ  /,r―‐z--、-、,,|  |
     , -‐,.ニZ三ャ≦='ニ ´ ̄ ̄`゙`ヽ`|  |
   ,. '" ,. -‐:::''"´ ̄`ーミ--―rァ、_ヾ::,_ィ'|  |   おおー、なんということだ。
.  /,.ィ":::....  ..:_,:-r '' "´ ̄ト、ヾ、{_,/ ,,|  |
  ir'"::::::::, -‐'T´((::}!     lミ'i, 、ヽ:.ヾ'゙´ |  |
  lヾ、:::ミ´   ヽ, ヾ゙'     lミ! l! }〈,  |  |   政府機関で大規模な破壊工作が
 く´::::::ニ、     , -―‐ くl ',ミl ' /'´ ̄}'|  |
  ,!``ー,二ニ=;/-fr ,     ソ ,イ /'゙ |  |
  l::::::::::〈、、   l! ', (:}!    ,ィニ-'"‐ニニ|_|   行われている事実が判明したぞ(棒読み)
  '、:::::::::::'ミニ=キ、 `'_'_,,. ィ" ヽ:::::(;;;;;;;;;;;;;;;ノ
   ヾ、::. ヽ、_  `丶ニ、く≦ミミ、  \,,ニコ ̄|
    `ヾ、::ヾミニ= r―--く>、    (二二二フ
       \:::ヾ>ー`-三ミ、     ,ィ"t!、_|,_
         \:ヽ     ヽ>ヘ    ゝ、;;;;;__,ノ
         ゝヤ       ̄`   〈;;;;ー--i、
          ``ヽ          `ーr--'′
                        |  |
                        |  |
                        |_|_,,.. -‐

               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /:::\:::/::\.   |   |    モロトフ!
   / <●>::::::<●>\  !   !    政府部内に潜む破壊分子を
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l    20人~30人まとめて銃殺するんだお!
  |     |!!il|!|!l|      |  /    こんなゴロツキどもは殺すしかないお!
  \     |ェェェェ|     //
  / __        /                          ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
  (___)       /                          〈 (()) ノ,\    人 (()) 〉
                                           ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ
                        わかったよやる夫・・・      )    Y    (
                        まさか破壊分子が       /γ⌒     ⌒ヽ\
                        こんなにいるとはねぇ。   /  |         |  ヽ
                                         |   ヽ__人__ノ   |
                                         \    、`ー'´,    /

216◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:19:29 ID:Gm.JNTnA0


さらに、矛先はカリーニンにも向けられた。


        __
      /..::::::::::::::..\
    /..:::::::::::::::::::::::::.\       同志カリーニン・・・我らの「パパ」
   /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\     「産業党」とかいう例の反政府組織の
   | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |     破壊活動については承知しているお?
   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     OGPUの調査では党上層部にも
  ,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...`丶、      共犯者がいるとのことだお・・・
  ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ

                _____
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{   (きたか)
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{   同志やる夫。
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!   私はそれらのような厚顔無恥な反ソ分子とは
  ,.ィ'´ト.´  U  ´`"`"`゙″ .::::;'    なんの関係もありませんよ。
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、    私は潔白です。
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\  この点については些かの疑いもないはずです。
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、       /i|iト、  |l:::::::ヽ:::::\
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、   ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::\

217◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:19:49 ID:Gm.JNTnA0



         /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
        /: : :            \
       /: : : :            \       ほぉ?
     /: : : : : :              \      なんとも自信いっぱいで
    / : : : : : : : ..               \    結構なことだお。
    |: : : : : :  ,,,,ノ⌒" '' ``⌒\,,,        l
    |: : : ::;; ( (・) ) ノヽ ( (・) );;:::    |    ところで、この写真に見覚えはあるかお?
    |: : : : :  ´"''"        "''"´       l
   . \ : : : : . .(     j     )      /
      \: : :: : >ー-‐'=ー-ー<    /
     /ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\
     : : : : : : : : :``ー- -‐'"´      \


                _____
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{     なんの写真ですか?
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!
  ,.ィ'´ト.´     ´`"`"`゙″ .::::;'     ですから私にはなにも
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/      やましいことなど・・・
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、       /i|iト、  |l:::::::ヽ:::::\
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220名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:21:44 ID:V571AiAQ0
写真の偽造はソ連のお家芸だからな

218◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:21:10 ID:Gm.JNTnA0


/:.:.:{  /:.:.::.:..:.:.:.:.:.::.:..:.:.:..::.':. /彡ミ三ミY彡三ミミ  、   /  !_ __ム ̄ ヽ:`y'/ー:-<.`ー
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:.:.:r'´ /:.:.:..,:._/!-;=x'::.:/ ',:!ヽ 彡ミ  二 二 二二  彡ミ / : : . : . : . :ヽ: .ヽ: . ヽ  l|:. :. :. :. :\:ヽ.
.::.>、_L:.:.:.:!,ィ=k、 7:/   !-!:.彡ミ    ー ― ―   彡ミ /7: . : .ト. : . ヽ.  :__'.;:ヽ: . : ',_jレこ}:. : . : .',\!
.:└l_,ト┘:.:! !:::;;;l ヾ   ;ヵX彡 彳≧x   .ィ≦ミミ . ミ // ,': . : . :! ヾ.\r'´_ _':;ヽ . : <イ ト.ヽ:ヽ.: . :', ヽ.
../,'( |.:.:.::..:| ー-'     ,';;リ ト、| ̄Y≦゚≧ =Y ≦゚≧Y ̄|〃 ,: .i: ', : L. ヽ.\',ヘ.:::::㍉: . : | | !::| | ',i、: . :ヽ.
:l |.|.N:.:.::.:.:.l"''"''   . ー' !ド  入_ ノ  入_ノ  .}! |: .i: . ,: N ュ.    ヾ;;;''ハ:. : l _! ! L! .i! ';: . : .',
.l l::|.|:.:.:.:....:.|    r‐-,  "゛,':./i  ////` ー ' ////   .i/';.∧: ', |〈〈:'.,    '"´, l:. : K L!   ! ';: . : .',
:レ'//:.:.:.:.:.:.:.lヽ.  ー' ,. イ:. λ  ィ彡彡ミミミミ、   j   ',リ .'、ト.ミ、 '、〉 .  ,.. "゛ |:./, ';;;;;\_   ';: . : l
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:/      i:.lヾ`ー、:.:.:ノ !:./  ` 、.   `ー'ノ   .イ  ヘ     ヾ、'; : :'ー-- 、 .イ>¬r'´     ヾ';. : .!
... !     lヾ メ、 |  /:::  |  ミ 、 _ , 彡' i!   \` ー _ '; : : ', .  , '〈小,'        .'; . ド、
      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
      ┃   ○年×月△日 「パパ」カリーニンといっしょ☆   ┃
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

        iイ彡 _=三三三f           ヽ
        !イ 彡彡´_ -_=={    二三三ニニニニヽ
       fイ 彡彡ィ 彡イ/    ィ_‐- 、   ̄ ̄ ヽ.  ━━┓┃┃
       f彡イ彡彡ィ/     f _ ̄ ヾユ  fヱ‐ォ       ┃   ━━━━━━━━
       f/ミヽ======<|-'いシ lr=〈fラ/ !フ.    。┃               ┃┃┃
       イイレ、´彡f        ヽ 二 _rソ  弋_ _..リ  ゚ 。                      ┛
       fノ /) 彡!   U           ィ    ≦ 三、_,)ヽ  |
       トヾ__ら 'イf     u     /ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
       |l|ヽ ー  '/         。≧         三 ==-
       r!lト、{'ー‐    ヽ      -ァ,          ≧=- 。
      / \ゞ    ヽ   ヽ         イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
      ./    \    \   ヽ     ≦`Vヾ        ヾ ≧
   /〈     \             。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・
-‐ ´ ヽ ヽ       \\     \

219◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:21:42 ID:Gm.JNTnA0


カリーニンの致命的な弱点だった。

漁色家だったカリーニンはしばしば自分が主催の「パーティー」を開いては夜会を楽しんでいた。
そして、あまつさえバレリーナのひとりに公金を貢いでいたのである。

       ____
     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\    なかなかよろしいご趣味を
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\   されているようだお、「パパ」?
  |     |r┬-|     |  公金をこのようなことに使用しているとなると、
  \      `ー'´     /  君の資質について討議しなければならないお・・・

222名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:22:54 ID:V571AiAQ0
マジだったんかいww
できる夫に比べればずっとマシだけどwwww

228名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:24:26 ID:rIi82ZY.0
カリ―ニンのイメージが…
てっきり捏造だと思ったwww

221◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:22:43 ID:Gm.JNTnA0


やる夫はこの証拠を武器に「問題を中央委員会に持ち出す」とカリーニンを脅迫した。


              ,. -─────────‐- .、
             // ̄ ̄\      / ̄ ̄\\
           /                     \
          /        ::::::::::::::::::::::::::::::::       \
        /   / / ̄\\::::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::// ̄\\  \
       /    |  |. ┃ .| | ::::;;;;;;;;;;;;;::::| |. ┃ .| |    \       この問題が
     /      \ \_// :::::::::::::::::: \\_//      \
    /     ../ ̄ ̄\ /   ::|::   \ / ̄ ̄\..     \   どのような事態に波及しようとも
   /         :::::      |      |      |       :::::      ヽ
  |               |      |      |              |   やる夫はいっさい何の保障もしないお・・・
  |               \__/\__/               |
  |                |       |               |
  |                |r─‐┬──、|                |
  ヽ                |/   |    |              /
    \              \      /             /
     \               ̄ ̄ ̄ ̄             /


                _____       _____   _____  _____
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、ヾ´彡シ,=`丶、シ,=`丶、,=`丶、丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、≧_尨彡三:ヽ、彡三:ヽ、三:ヽ、:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l------ ``'r=:l-- ``'r=:l ``'r=:l 'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉 ̄ ̄,.=、 |ミ:〉,.=、 |ミ:〉、 |ミ:〉|ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{=、.___,. ==、._ゞ{,. ==、._ゞ{==、._ゞ{._ゞ{
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y} /⌒l′  |`Y}′  |`Y}  |`Y}|`Y}   ああきあきらあきらめあきらめた
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{ノ_ _;`ー‐'゙:::::l{_;`ー‐'゙:::::l{‐'゙:::::l{゙:::::l{     そそこそこでそこで試そこで試合
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|!mmm、   .::|!m、   .::|!   .::|! .::|!
  ,.ィ'´ト.´  U  ´`"`"`゙″ .::::;'`"`"`゙″ .:::;'`゙″ .:::;'″ .:::;' .:::;'
イ´::ノ|::::l \    U    "'   :::/   "'   :::/'    :::/   :::/ :::/
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、   ..:: .:::/.、 ..:: .:::/.、: .:::/.、::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\:/..:::/!\\::/!\\ !\\ \
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\t''′ |!:::ヽ:::\|!:::ヽ:::\:::ヽ:::\:\

カリーニンは降伏した。これ以降、全ロシア農民の長老と言われたカリーニンは
ただやる夫の政策にハンコを押し続ける人形と化す。

223◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:23:06 ID:Gm.JNTnA0


       ____
     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\     これでカリーニンはいつでも始末できるお・・・
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    やる夫たちの邪魔をすると
  |     |r┬-|     |    こういうハメになるんだお!
  \      `ー'´     /


      ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
     〈 ● ノ\   /\● 〉
      ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ
.      )    Y    (
     /γ⌒     ⌒ヽ\      「産業党事件」に関連した
.    /  |         |  ヽ
.    |   ヽ__人__ノ   |     破壊分子の摘発も進行中だよ。
    \     `ー'´     /
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ      これはより大きなメッセージをもって
    /      ,⊆ニ_ヽ、   |
   /     / r─--⊃、  |     党内に伝わるだろうね・・・
   |  ヽ,.イ   `二ニニうヽ.  |

224◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:23:29 ID:Gm.JNTnA0


                  ___
                    /\:::::::::/\.
                   /:::<①>:::<①>:::\         カリーニンなど露払いにすぎないお・・・
                  /::::::::⌒(__人__)⌒::::::\        この計画の本命は右翼反対派・・・
                  |     ` ー'´     |        ブハーリン、ルイコフ、トムスキーの
                  \     :::::     /        打倒にあるんだお!!
                  /    :::::::::::::::::::    \
                /                 \  〈〈〈 ヽ
                               (〈⊃  } }

225◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:23:44 ID:Gm.JNTnA0


夏。チェコに療養に出ていたナージャが帰国。
すぐさまロシア南部で休暇に出ていたやる夫のもとに走った。

    r'フ . : :/ : : :,/: : : l: : il   i'、 ,、:;‐ニニ=トl: : : : :': ;'/::::::::'、. :.:
_,、-;:;:'! i : : : i; : : : i; : : : i _:';',  '、'、゙´ : : : ; ノノ: : :: : :;ジ/ : ::::::i、:.
'': ;:;:;:;,',i: : : : i ;: : : i'、:,rシ弋 ';:'、  ' ',rlニ┴‐-<,_,, : ,ィ彡'、: : : : l .:.
:; ;:;:,.,' ;:',: : : :'、:'、:: :';'';゙´: .,._;;;;_   ゙ '´ r゙`j,'、 `‐  '彡-ヾ; : : :! .:.
;: ;:;:;:;:;,、ゝ;: : : '、: '、: ゙':゙'/)'゙r‐;、     i'';;;,;;i:}    '゙/ ゙i:、'-、l_.:.
;、-'''゙゙    ゙-、:':、':-、'、 -! !;;.';,',      ゙i;'=ツ、    !   ノ :\; :`    ただいま、やる夫!
,_        `'-、、';:';'r、 ゙'、'';;!, .      . : : .   ノi'、 : : i`.'
;.,`';‐-、,_      ゚;::::l、i  .゙.゙   ゙   ,      ノ'''゙゙::::'; :'、 : ',-    つい先日帰国したの。
',.,:;:;:;:;:,';.,`''‐ッ'゙`゙'‐、 ゙、;i:';゙、 ' '   '‐ ''゙     /i::::::::::::::゙; : ゙-;,i、
;:;:;:;:;:;:;:, ; ,' (     /゙'-,';、';.`'‐-、、,_     _,、:7:::::::'、;;;::::;;;;::;';,、-、:    チェコは凄くいいところだったわ。
';:;:;:; ',.,:;:, ';:;:,゙;  /,:;:;:;.,.`'、`''‐;、;';'、ニコ::-::'゙: _i;、‐''゙~,、-;;'、'、,ノ´.:.`
.`'''-、,:;:;:;:;,, ノ  /,:;:;:;:;:;:;:;.,`v'゙,.;:;:;;ッ=ノ_,、-‐'゙,.,;゙i   i,' ;;;;;,,゙'、 :.:..:.:.:    ベルリンにも寄ったけど、やっぱりドイツは・・・
    `''‐i'゙   i ;:;:;:;:;:;:;:;:;;r:ゝy=;i,-'゙'゙,.,.,:;:;:;:;:;;/ ,、‐'゙;:;:;.,' ;;;;,'; .:.:.:.:.
      !  /,,;;;:;:;:;:;:;r!'三=;ミ'ゥ:;:;:;:;:;:;:;:;:;;ヅr゙' ;: :', ', ',';., ;;;i :.:.:.:.
      ! ./.,:;:;:;:;`;';';';l;i毎ソi!'ノ゙‐;';'‐;:;:;;ジ: l,.,:;:;.,' ;:;:;:;:;:;:;;,';l .:.:.:.:
        !/.,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!'ミゥッジ;:;:;:;:;:;:;:ゾ: ' ,r';:;:;:;:;:;:;. ';:;:;:;;;;;;i :.:.:.:.:

226◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:24:02 ID:Gm.JNTnA0


        __
      /..::::::::::::::..\
    /..:::::::::::::::::::::::::.\     え?
   /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
   | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |    ああ、そうかお・・・
   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
  ,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...`丶、    おかえり。
  ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ


しかし、あれほど妻の病状を心配していた夫も、今ではルイコフやブハーリンを陥れる謀略に夢中で
休暇中だというのにほとんど妻に関心を払わなかった。


  , '     , '  f     |::::::::::::::::::l    ',   ヽ.  ,'
. /     ./    {.       {::::::::::::::::::j  ,  }    .! /
,'     ,' i    ヽ、,\-┘:::::::::::::::'-y、   i      |, '
!       , ! !   ./:::::::::ヽ、:::::::::::::_ノ__,ヽノ  丿 i !
t     | t ヽ、/:::::::::::::::::::::::::::::::::::rf:.:.:!ヾ:ヽ/ 丿ノ     (え・・・なにそれ)
. \    t. ゝ-v’:::::::{ i、リl:::::::::::::::::::|f_j|:::::::,'_ / ´
   ` ‐- !ゝf ‐、 ::::::::::::::::::::...  ヽ .::ヒタ:::::::fノ
      ', l  }:::::..          ̄ ..:::|  ヾ、      ・・・どうやら私は邪魔みたいね。
       l ゝ、_`       ,-―,     :/    }.}   ヾ、  休暇の邪魔をしてごめんなさい。
      ノ  _.  \       ̄    イ    ノノ   / l   私、先にモスクワに帰るわ。
 t ‐--‐'  / `/"ヽ` 、      _,-'⌒!`` =' '‐-‐'  l
  ` ‐-ッ' ./   {  .∧   ` ー ',-'     !`i ヽ     ノ



機嫌を損ねたナージャは先にモスクワに帰ってしまった。

227◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:24:15 ID:Gm.JNTnA0


が、モスクワに帰るとモロトフ夫妻から非難を受けてしまう。


                _ /:: `:: :、:: :: ヽー- .. 、
             r:: ヽ!:ri:i:、:: ::\:: :: \:: :: :: ::\
            ,:{::}i:、{::!:i:i:i:\:: ::\:: :::\:\:: :::\
   .           /::〉l:i:i:>"´   ヽ:: ::\:: :: ヽ::\:: :::ヽ
            /::/: i:/     ィ斧ミ 、:: ヽ:: ::.',:: ::ヽ:: :ハ
             〈::/:: ;〈≧、 r 込ソ ノ ヽ:: :}ミ:: :\:: ::\::}      夫を置き去りに
             ノ:: ;/:: Vン    r――::彡':}::\:: \:: ::\      自分だけ帰ってくるとは何事だ!
            {:: :;/ :: :{ `      { ::⌒ヽ::_::人:: ::\:: \:: ::ヽ
             V/:: :: :ヽ マ⌒ヽ ヽ{   r、ー个:、:: :ヽ:: ::\:: }    ボリシェヴィキの妻としての自覚をもて!
          〃、:: :: :∧ヽ  ノ     ノ |i:i:i:i:i:i:ヽ:: :ハ、:: :: 〈
          {{  ヽ:: :: :: :. `¨  . <   |i:i:i:i:i:iノ:: :: ::}:ヽ:: :ハ
             `ヽ  \:: :: > ´γ 7二ニゝ.:´:: :: :: :: ノ::ムく
            }}    ヽ(    / /,..:: ´:: :: :: :: :: / ´////\
          , -≠=ニZゝ‐ く/:: :: :; ――  ´/////// ̄`ヽ __
           / /´   /  //.: :: :/// {/////////////////////` 、
        / .ム⌒ヽrく    /_{:: :: ::{//// ト ///////////////////////ヽ
         ム( ヽ (_ノ =ヽ/¨¨ヽ:: :: \  ノ:: }///////////////////////}
   .   / > 〃  ー――― 、ミ:.、:: :: :: ノ,\/////////////////////|
    /// r , 〃 (_`ニニニニニニ、) ヽ/, ̄/////ヽ////////////// , ⌒ヽ
    ' x=≠ゝ  {{           ノ//////////人//////////// /////.\
   {´      ヾ  r  ̄ ̄ ̄ ̄///////////'/  \//////// {//////// \


  , '     , '  f     |::::::::::::::::::l    ',   ヽ.  ,'
. /     ./    {.       {::::::::::::::::::j  ,  }    .! /
,'     ,' i    ヽ、,\-┘:::::::::::::::'-y、   i      |, '
!       , ! !   ./:::::::::ヽ、:::::::::::::_ノ__,ヽノ  丿 i !
t     | t ヽ、/:::::::::::::::::::::::::::::::::::rf:.:.:!ヾ:ヽ/ 丿ノ
. \    t. ゝ-v’:::::::{ i、リl:::::::::::::::::::|f_j|:::::::,'_ / ´      (なによ・・・
   ` ‐- !ゝf ‐、 ::::::::::::::::::::...  ヽ .::ヒタ:::::::fノ
      ', l  }:::::..          ̄ ..:::|  ヾ、       私だって病気で苦しかったんだから。
       l ゝ、_`   U   ,-―,     :/    }.}   ヾ、
      ノ  _.  \       ̄    イ    ノノ   / l   私がそんなに悪いの!?)
 t ‐--‐'  / `/"ヽ` 、      _,-'⌒!`` =' '‐-‐'  l
  ` ‐-ッ' ./   {  .∧   ` ー ',-'     !`i ヽ     ノ

229◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:24:27 ID:Gm.JNTnA0


そしてナージャはやる夫に愚痴の手紙を送るのだった。


              /                         i    -‐ ─ 、
                /       /    /ヾノヽ      ',     .| /       i
            i    {   |    l    i       |   i  .| /        ,'
            |    |   |    |    |    }   /  /        /
.              |      !   、|     {    }    ノ   /  ./|i       /
               \    _\  厶≠ミ ヽ_j { /厶=ミ、  /   /|l:、      /
           _ _ \ i ヽ; 〃ん::ハ ゛     ん::ハ ㌧ /ヽ |       /
.     _    //     ヽ{厶 i {{ 弋::ソ       弋::ソ j} /ヤ/ j       /  ̄ ̄`ヽ     なによ!!
.    /   {  {     ./ \_} ゛ ー     '   ー '" ./ノ 广}     , //      |
    { {     \ \ _ _,ノ    八     r== ´ヘ ノ(  厶  /  \_  l/′     \   なんで私ばっかり
    \\    >  , -‐─- 、ゝ、.   {{ _ ソ ⌒ イ_ /_   _ /     //   ヽ
     \  ̄ ̄   /     {   >  ¨¨´  イ ___/   l\.   /      /´    |  こんなこと言われなきゃ
       \     /    r──┴ 、  \≧=≦/ ./   \ l  _ /       /      / l
       _`ー  j    .|      \  \  /  /    ー―く |      /      /  〉  いけないのよ!!
      ≦_r''¨¨      .|       斥示ミV彡 .\  /      l、\、  /     /  |
         {         |      { {   }|{    入l   ―-  \__/      ./  /


反対派との闘争を強化しつつあるやる夫にとって、妻の愚痴は苛立ちのタネ以外の何物でもなかった。


        .____
     ;/   ノ( \;
    ;/  _ノ 三ヽ、_ \;
  ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\;   ああ!!もう!!
 ;.| ⌒  (__人__) ノ(  |.;   こっちは忙しいんだお!!!
 ..;\ u. . |++++|  ⌒ /;

230◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:25:49 ID:Gm.JNTnA0


  / ,r  l i!   ハ ヾ;;;;;;;;;;;l  ヾ;;;i!;;l
 / /  l l!  川 _,lriナ卅''ア ゙i;;ll;;l
  / /   l   l!'゙´ ト;;;;_ェ土リ、l;;ll;;l
  /   l   リ  ハイ:::::}゙ン ヾjリ
  イ    l l  /,! / l;;`Tヲ´  /,ヘ
 リ    l l! ,! l /  l;;;;;;;;l   ,リ′\
  j  ィi ノ/ ,イ //   |;;;;;;;l   f'    ,>
  ll / ,! /,f ハ//   |;;;;;;;!   l  イ´    なにやら大変そうだな、やる夫。
  リ〃!/イl /゙Y/i!   |;;;;;l!    _,,._,〉
  !/i/〃ll / 〃    !;;;ノ  ー ''´ ,,j
 レリ//ハLイ`i !    l;;/      |
  川'ノ ▽ fil!  `丶!;ト;;-;ァ::,,_,ノ
  ▽‐- i、 _▽    l;! ,ィイj
  /     7ヽ、、 jLf/ ▽


                                                     (⌒ヾ`
                                                  ゝ´ ,))
                                             (( ⌒ゝ   lij
                                                ー" ミ  ___
                                                   ノ(_     \
                                                 /"\,, 、/"`` \
                          どうでもいい細事だお!       / ( ●)´`(● )  \
                          良いから報告を続けてくれお!   |   '" (__人__) "'    |
                                                 \  ` ⌒ ´     /
                                                 / ゝ  ``     ィヽ

231◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:26:06 ID:Gm.JNTnA0



  / /./:::::::::::::::::::::::::::::/   |::::::|
.  i / /:::::::::;:-、:::::::::::::/    |:::::|
  i / ./::::::/::::::}::::::::::/       l::::|
. i l !::::/:::::/:::::::::/..,_     l:::l        うむ・・・我々OGPUの捜査の手は
 i l l/:::::/;::::::::::/´  `丶、. l::l         静かに、より深く潜行している。
. i l/:::::/::::l:::::::::/...,,_   `ヽl::l
./:::::/::::::::l:::::::::厂 7;;;;;;;;;;、ヾ   l:l  /::     そして、新たに発覚した「事実」によれば、
::::::/l::::::::::::l:::::::∧ 弋;;;;;;;;ノヽ   l:l  l:::::::    貴様の赤軍に対する「懸念」が
:// ,.l::::::::::l::::::/ ゞー- -一    |  |:::::     正しかったことが判明したのだ。
 / /l::::::::l::::::l           !  |:::
,.'イl  l::::::::!:::::ヘ              l::      つまり、赤軍の党への忠誠心の不足・・・
  |/...l::::::::!::::l ト、            |:      不穏な野心を持つ人間が上級司令部のなかに
-‐=::":::`ヾ、:::l  l.へ          |:      存在する証拠をつかんだ。
::::;::::=-、:::::::\! l | \         |:
'"    i.ヾ:::::::\l | l lヽ、ヽ、.._
     i::::ヾ::::::::i.∧l !./へ `ミ._ー--‐
ヽ、    l::::l l:::::::l  l //r:1.` 、  ` ― ''"
::::::ヽ   l::::! l::::::l ▽./ :|   `  _
l:::::::/   }./ l::::::l ノ/ ,/|
:::/   「`> ヘ:::::i / /〆


               ____
             /      \
           /  \   /  \
          /   (①)  (①)  \   ・・・!!
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \

232◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:26:32 ID:Gm.JNTnA0


  / /    .:.:.ィ     ,..:/ .:::::::::::::::::::::::::/ミヘ:::::::::::/ヽ:ヽ::::::::::::::::::ヽ
/,ィ´  /.:.://     /:/ :::::::::::::::::::::::/ミミミ、::::/彡 {:::ヽ::::::::::::::::...ヽ
//   /.:./.:./ :,    /:/  :::::::::::::::::::/`ヾミミヾツィシ"',:::::',:::::::::::::::  丶
. /  /:/ .:./ :/  /:.:./ /  :.:.:. :::::::/:.:.:.:.:.:.:``^´:.:.:.:.:.:',::::l:::::::::::::::.   ヽ
/ /,ィ'´  .:.:./ :/ /.:.:.:,,'. /    .::::::/.:.:.:.      :.. :._|::::ト、:::::::::::::..   '、
,'.// / .:./ .//イ:.:.:/:l-l――-.::、、/:.        .:/.:.|:: | ,ハ::::::::::::::::..  `ヽ      容疑者は・・・
/ / / .:.:./ .:.:.:,イユ:.:./:.:l/ _.:..:::::::::::/`丶、  、   / ,ィf7:.:.|/:.:.\:::::::::::::::.....::::. ',
 / / .:./.:.:./:| {:l:.:/:.:.ノ..:.:.,ニ=ァ',、=;-、:.:.`ヽ.〉  / ,イi}リ_!:::/:.:.:.:.:.:lヽ:::::::::::::::::::::::.:',     軍事人民委員代理、
,//l /:./|:.:.:.ヽj:.:l:/.::::::::::、/、竺シ_`,、:.:.:   !:'-‐`"´::/l:.ヽ:.:.:.:l:.:l\::::::::::::::::::.:l
'´ ,jノ:.イ:.:./|:.:.:.:.:.l/:::::::::::::/"` ̄ ̄-‐ '.:.:.:.   |:.   /:イ/:.:.:.l:.:.:.:ト、!  \:::::::::::::.l     赤軍元参謀総長、
  ´T゙//.:.:/ |:.:.:./::::::::::::/.:.:.:           |:.:....:/:/:/:.:.:.:.ト、:.:.| l|   ヾ::::::::::|
   |//.:./  !/:::::::_,:イ下、:.:            l:.:.:ノイ:./l:.:.:.:.:l ヾ||     ',::::::,'     ミハイル・トゥハチェフスキー・・・
   l l.:.:/  ノ::,.ィi´:il:.:.:i:.:|:.:ヽ: t、             ∨´:/ !:.:.:.:.!  ',!      |::::/
   」:/ ィイ:.:./|:.ハ:ノ7|:.:.:.:.\` ー、-;、、__-‐彡',.イ:.|  ',:.:.:/        |::/
   |7> △'|:./ ,l:.l | 〈j、:.:.:.:.:.:丶、 `^'ー'-'-'‐'"´ ,イ/|:.:!   l:./        「i7>
   '´ '´ l/ ▽イ>、 :.\:.:.:.:.:.:.:.:>..、 `"""´/ハ:! ▽  lノ         '"´
         /:::::ヽ \  `>'´`丶、/>―< /ヾノ


       ___
     / ⌒  ⌒\
    / (○)  (○) \
  /   ///(__人__)/// \    ほ、本当かお!?
  |   u.   `Y⌒y'´    |
   \      ゛ー ′   ,/    証言を引き出せたのかお!?
    /      ー‐    ィ

233◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:27:40 ID:Gm.JNTnA0



 |: : : ::::::∧ く:::/ `ヾ\  \::\イ/   //     ヽ.:::} V////
 |: : : ::::/ ∧ `! γヽ.゙、ヽ. i: \::\  y'/ .Y´⌒ヽ.   iノ'   V////
 |: : : ::/ i i∧ヽ、 丶ソ  ヽ|   \::ヽ. '´   弋 ゙ジノ  ノ}     V////
__|: : : :: :| ! ∧ ゞ=--   ,,. |      ヾ、 .、 、_____,. ィ':/     V////     無論だ。
 |: :::::i/! ! ! ∧         !      \   ̄ ̄¨  ̄`゙     V///
 |: : ::| :! | | /!∧      i        `            ∧////     2名の将軍が「自白」した。
 .!: :::i | i .i!/ |/ iヽ.      .'                _..   / i////
  i: :::| !/!:/ i' | ::i\.  /                /  / :::::!i////     他にも情報を収集中だ。
  :i:::::| ' レ'   レ':  \/ __.         _,.  '  /    i i///
  i:::::!/              ̄\ 、.___, -― ´   ィ     / :|//
  ハ::_!_           :/ i \ ー- ― ´    /: !     /  |//
  /∧フ./          {  | / \     ,. < !   :|  / :/ r-E-、
 // !T’         !  !/   /` ー  ´.   :|    ! i/  / ハ_<>ソ

  _ _   ___
 / ) ) )/ \  /\
 {   ⊂)(●)  (●) \
 |   / ///(__人__)/// \   いいおいいお!
 !   !    `Y⌒y'´    |
 |   l      ゙ー ′  ,/   その線でどんどん話を進めてくれお!
 |   ヽ   ー‐    ィ
 |          /  |
 |         〆ヽ/
 |         ヾ_ノ

234◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:27:56 ID:Gm.JNTnA0


当時、赤軍には主にふたつの勢力が水面下で反目しあいながら存在していた。
一つは軍事人民委員ヴォロシーロフや騎兵馬鹿ブジョンヌイを筆頭とする党に忠実な「政治的軍人」グループ

            / ̄ ̄\
          /   _ノ  \
          |    ( ●)(●)
          |     (__人__)                  /ニYニヽ
             |     ` ⌒´ノ                / (0)(0)ヽ
              |         }               / ⌒`´⌒ \
              ヽ        }               | ,-)    (-、.|
            ヽ、.,__ __ノ               | l  ヽ__ ノ l |
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、              \ ` ⌒´   /
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_           /        ヽ
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、        /           ヽ
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!       |           | |
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|       .ヽ_|         |丿
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::         |         |
     軍事人民委員              騎兵隊指揮官・ヴォロシーロフの友人
      クリメント・ヴォロシーロフ            セミョーン・ブジョンヌイ


もう一つは軍事人民委員代理トゥハチェフスキーを筆頭とする「軍事専門家」グループである。

           ,. r '二ヾニ=-.、
         /'´/ ,r'⌒、ヾ.、ヽ\
         ,r'//  //,r'   ', ヽ\、.ヽ
       ,r'//ン/ / /./   i }. ', ',ヾ 、ハ
      / ,' ,' / / ///,';    ,' .i ! ハ丶 ',
     ,' ,' 7,' / ./!/, '.,'   /   l i. ', , ∧
    ハ i l l ,'  i,' ,' i  ,' /   !i/i } ', 、i
    il l l | l!  i  /i ソ ./  ノ /ハ i l i!
    i | !| .i il  i !/_ン,.r 'ノ ン/r'ノ人 リ il li
    ! l l リ l  l代てノヽ'ン'"〃.,r'ひ~);;ソl| i l}
    | !i  !.',i il l `='     ::  =' ンイil l i
    l !  ', ', il !       .. :::.     リノ !リ }
    i i  ', ヽ ',.N     、 シ    /i ン l!
     ','  ヾ, ゝ、ト、  ーャ‐ーァ'´ , ',ノン/i リ
      ヾ、 ヽ\_辷ニ\  ヽ..心.,.インノ/ノ
        ヽ、ー ゞ「::r‐、__丶...ネ、\ニン,ォ'"
       -`ーl::::;ヾ''\~rT:、ヽ ヽ‐{. l_
        :::::::::`::- \ `ヽ<::::ヽ. N |::::゙j'''l
             ヽ:::::ヽ、 \_j  ヽ ',::::i:::l
     軍事人民委員代理・赤軍の至宝
        ミハイル・トゥハチェフスキー

235◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:28:20 ID:Gm.JNTnA0


トゥハチェフスキーは尊大な態度と強烈な自信、そして何よりその明晰な軍事的頭脳から
無能な「赤い騎兵隊クラブ」出身のヴォロシーロフやブジョンヌイたちと激しく対立した。

             ,r' / ,' j  ノハ ヽ',ヾ \ヽヽ
                / // i | //! i ヽi iヽヽ、 '.,
               / /i7 /i l,ノ ハ Nヽ i } i ',ヽ',. ',
             ハ/リi ,' Nノ'oヾ、ゞ、`jメ リl i } ', i
           i i,' .{ |! i イト`ー =' '  、く.゚'_)!ハ. i l
            { i| i l !li       r .!  ´'.i| ! |    どぁから!!
             | l  ! ',i l     __     リ j  i
             !lN   ハ !    /-ー'┤  ソ! リ  }    騎兵隊なんぞ時代遅れの化石だ!
           liハ ! ',', N    ´ ̄- ̄  ,r'ソ ン i l
              ', ' ゝ,ヾ、_ヾ丶、    /ィノ/ji l リ    これからの兵隊は馬じゃなくてトラックに乗るんだよ!
           ヽ' ,\ ゞ、`ー ::`:::ー:'::lン/ンrイノ
          ェftャ、ヾ=ェ_ニ=ーュ  ::::l_-ン' ´'
         rえシf=‐<::::::::::::::::'k  ;::fl:`i
       ,、'ふ/ ::::==、:j ̄:):::::::::i:fl /::ソ:::}
    , - '  シ ..::::レ'''" ̄::)~.:::::::::::K !.fl:::::゚:`ー..、._
    /     i:〉-'...::::::,r‐''':ヽ゚o.::::ヾふン::::。゚:::::::::::::::i::lー- 、.
   ,'      K_ ;r‐'´.:::::::ンヽ:::゚o:::::i}Q::::。:::::::::::::::::::i::l.   ヽ



   (⌒)    cっ \_  /
   C ⌒)  C_ 3  i゙a 「≠ヽ
   ゙ーヘi     .|「  | /L,e| |
      ヽ,「 ̄|「 ̄ ̄ヽ ̄ヽ_|_     ふざけんなっていう!
       / ц凵         \
       |              |   最後の最後で戦局をひっくり返すのは騎兵隊だっていう!
      (         (_    |
       `ー、____/jー-  |   油くさいトラックなんて何の役にも立たないっていう!!
          |ヽ/ ̄ ̄/"   |
          `ー ̄ ̄  ――'

236◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:29:36 ID:Gm.JNTnA0


トゥハチェフスキーは有能だったが、その才能と振る舞いから敵が多かった。
忠誠心以外に脳の無いヴォロシーロフ派の将軍たちは、次第にOGPUに密告を始めた。

           / ̄\
             |    |
           \_/
  ________|_______
 │ ::::::::::::::::::lllllllllllllllllllllllllllllllllll::::::::::::::::::::│
 │ :::::::::::::::llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll::::::::::::::::│
 │ :::::::::::lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll:::::::::::│< トゥハチェフスキーは危険な男ですよ。
 │ :::::::lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll:::::::│   ふざけた機械化計画を振り回して
 │ ::::::::::::::::lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll::::::::::::::::│   赤軍を台無しにしようとしているんです。
  | ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ |
  |  |   ワ    .ゴ    ン     |   |
  |  |                  |   |
  |  . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .....|
 ◎                     ◎

トゥハチェフスキーの機械化計画はあまりに無謀であり、ほとんど反革命的だと讒言されたのである。



        :    / ̄ ̄\
        :  /ノ(iiiiii_ノiii \ :
         : | ⌒ (●)iiii(●)
         : |     (__人__)::     おいおい・・・
           :  |     ⌒⌒ノ
            : |  ノ(      } :      なんだこの善良な「匿名希望」さんからの
            :: ヽ ⌒     }
         ::  ヽ、.,__ __ノ :      大量のお便りは・・・やっぱりトゥハチェフスキーは屑じゃないか!
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::

237名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:30:54 ID:qJsMuBWg0
ポーランドでの遺恨がついに・・・・。

239名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:31:29 ID:V571AiAQ0
赤軍大粛清への序章か・・・・

238◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:31:10 ID:Gm.JNTnA0


そしてついにはOGPUによって連行される。


  |  |:::::::::::::::::::::::::/       `'''''゙゙゙|:::::ト、,:::::::::::',
  .| .|:::::::::::::::::::::::/  ̄`.ヽ、       ,!::::,!  ',:::::::::::',
  | .|::::::::::::::::::::::i      `ヽ    ./:::/   ',::::::::::::',
 .|  |:::::::::::::::::::::| , rィ=-、   .ヽ   ./::/,、r- 、i:::::::::::::',
 |   |:::::::::::::::::::| .《   ・ .`;,     /:/´    }::::::::::::::',
 |  | ::::::::::::::::|  ゙ヽ、,,,,,,、r〃    /〃-‐ 、  /:::::::::::::::::}
 |   .|::::::::::::::::|           .//ヽ,. ゚  ,》/|:::::::::::::::/   ご同行願おうか
 .|  i!::::::::::::::|          〃   ゙'''''´ /.|:::::::::::::/
  |  | |:::::::::::::|         /  i    ./ |:::::::::::/     同志トゥハチェフスキー。
  i! l |::::::::::::|            i    / |:::::::::/
 .i ! !. .|::::::::::| 、          ._,ゝ  /| |::::::::/      貴官には反革命容疑が
 | i!  |:::::::::|  ゙''ヽ、_        ,r'|.| |:::::::i
      |:::::::|ヽ     ̄ヾ三=- /|  i! |::::::|       かけられている。
      |:::::|  ヽ        /| |  ! |:::::|
       |::::|    ヽ    ,.r'|  .| .|    |::::|
       |::|   / ヽ ´| |   ||    .|:::|


       │!  l| i  ソ i ン   /i  i   i 从 l  !i
      i i  |i  乂  /   / ソ ノ  ノ ノ ノ | |   i'
      ∥ l | |  ノ /  /リ /i / / ソ || |リ i   i!
      ! i | | ノ/___/_ソノ | ノ //ッ''ソjリ l   .li       ケっ・・・
      i i | |  |ヽ, 'ー'ヽ、 jノ /ノ─ "  リ |  !i       最近くだらない噂で
       | ! |│ |i.   ̄" °         j |  i ト 、     俺の周りがうるさいと思ったら。
      イi i │ 从               リ.| i  ソソ  ヽ
    /::::::', t  人        、 丿   /| | j リ/   ヽ   やっぱりお前が関わってやがったか。
   / \:::::', ヽヾ,i\   、,, ,,_,.ン' /:::| ∥ /       ;   どうせあの白饅頭が差し向けたんだろうが、
   /\◇:::::ヽ ヽ !:::丶、  `' ー " . ':::jノ:ソjノ        i   いいぜ、相手してやる。
  /\  \/\◇人ゞ::::: ::丶、  /:::::::::::::::::!       i
     \/\  \:::::::::::::::::::::::Tへ :::::::::::::::::|       !    取り調べ室のなかでじっくり話し合おうぜ。
     /'、  \ /:。::::::::::::::::/\〆"''ヾ:::::::::|      |
       ' 、 /:::::::゚。::::::√\ζn....メ。ヾ::::::::|      i
         /::::::::::::::゚o:::: \〆::;.....''''',,,,
                 ζ;:;::.; :::

240◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:32:01 ID:Gm.JNTnA0


トゥハチェフスキーに対する尋問が始まったが、この措置はたいへん不評であった。


           ! 〈 Vソ ノ.:.:.:.`ヽ、      \
             ヽ >=く_ __   `ヽ、     \
             ヽ1'´ _ _」ニエユyo`丶、   ヽ
              ノ. ´ -‐ ''"´  ̄ `ミミヽ、 \__ノ
             (.:.:.:.:.::'´ ヽニ‘フ`  ミ: : : \_ノ
                ``};;}  、 ̄`   ミ:/⌒: : :!   まさかあのトゥハチェフスキーが
               「L_,,. `ヽ   リ )ノノ :,′   反革命分子など、ありえん話だ!
                 ',  _ _       ,.イヽ:!
                     ',`ニニ ´    ,' /  l    これは何かの陰謀としか思えん!
                     l      ,. . イ_,'_ _L
                   `> ‐「. : : : : : : : : : :}
                  「{{「:::|. : : : : : : : : : :.|
                  |:l:|::::::L.-──‐- 、j!
                   _」"´.::::::::::::::::::::::::::::::::〈


             /    ,'   , .-─ ーゞ- イ-、、  ヾ!:::::::::::::i
           /     ,' ,ィr'´   ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ``ヽ/i;:;:;::::::::|
         l      ,イレ'"Tフゝ、ー - -    ___,ノ;:l;:;:;:;::::::!
           ゙、. . .:.:.:::l/  ,j   ゙ ー‘´フ"下≦モァー、Y;:;:;:;:;:::/
          ヽ.:.:.:::j 、  1 ;: . -‐'´ .::;j;;;:.ゞー- ''1j;:;:;:/
           `ーi ,イl  l、    ( r=ュハ;;;.:. .: .: .:j,ハ"´
                |〈jk   ゙i ', ,r'"´¨    ``ヾ,.:.:.:,゙.:1!     政治局とのツテを使って
             ヾソ   ヾ;゙  _ ,,,,、、、、,,  j.:.j.:.リ′
               `ト,   ''"゙´      `"'''.:.:.:.:!      どうにかこの案件を再検討
               | ;  、   ー;:;:;:.:.:.: .: ..:.:.:.:.:.:,!
               |. ゙、  ;.   . :.: .:. :.:.:.:.:.:,'.:./       してもらうように働きかけよう。
                _」_,,,ゞ  ,;:;:.::. :.:.:.:.: .:. :.:.:;:;:;L
             「  ├-‐'''゙「 i iー--‐'''"i゙´   i       彼は失うには惜しい人材だ。
             {三」,!   | l |     |  三1

241◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:33:34 ID:Gm.JNTnA0


どうにもこの計画にはオルジョニキーゼも否定的だったようである。

            , =-‐ニニニミヽ、
          ,ィ´ィ,ィ'"´_=-‐-=、`ヾヽ
       .,r‐‐=///´r''´⌒、_∧_⌒,=、ヽヽ、____
ー<´ ̄~¨7  .///f´`,ィゝ‐''.〈ハ〉 ̄ゝ‐'、ヾヽ`ヽ\r‐-、
ヽ  ヽ _/ .///r‐f´     〈ハ〉    f`Y:l‐-、. }  l‐-、
 ゙v''"´  `ヽ{ i l`/'"//⌒ヽ. 〈_〉 ./⌒ヾ、 l l、  `ヽ ノ´`,、´ヾ
  }ゝ、 __, ィ'"l l: Y`i l l (⌒ヽヽ__/´,ィ'⌒) l l_l_l、ゝ ___)´` ⌒
  .l`ー---'''"l l:..l rf⌒ l`x、 ` v ´)ヽ,ィ' ff´ ハ `ー-‐'i ´` ,,、
  l       l l八ノl ヽri゙ゞニ゙、_|_,∠´、",r`Y ノ    l      ・・・やる夫。
  l    _ ヘ∨ゝ. /.f´l:.'´-三-`゙l`iヾ ハ'"     l
  .ハ,ィ'"´:::ヘ //ヽ,,`ゝ{ ,>=< }‐'"rヘ l.      l      トゥハチェフスキーの件には
 .ノ //////∧'"ヽ、゙ ゝ ハ'´ヾ  ,イハ ノ,ィヘl /⌒ヽ l
:./ l///////,`>-、 八_,,` ー‐‐'__ノ´ ,,ィ'"/////} l      俺は一切関与しないからな。
/  ゝ///////////`ー=i `ー―'  ,ィ'´////////ノ l
   ` 、////////////l l7777l l´/////八 ̄   /
  _ =-‐'"///////>'"_ ヾ//ノ l////////`>. /



     ___
   /      \
  /  \   ,_\     そ、そうかお・・・
/    (●)゛ (●) \
|  ∪   (__人__)    |   まぁこの件については
/     ∩ノ ⊃  /    メンジンスキーが捜査してくれてるお。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |     OGPUの取り調べの結果を待つことにするお・・・
  \ /___ /

242◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:34:05 ID:Gm.JNTnA0



    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧     <なぁ、トゥハチェフスキー将軍の件どう思う?
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )  <いや・・・あれって結局アレだろ?大きな声じゃ言えないけど・・・
| U (  ´・) (・`  ) と ノ    <だよな。やっぱ胡散臭いよな・・・
 u-u (l    ) (   ノu-u    <まさか同志やる夫が・・・?
     `u-u'. `u-u'






       ____
     /      \
   / ─    ─ \
  / -=・=-   -=・=- \
  |      (__人__)  U  |    ・・・・・・
  \     ` ⌒´     /

243◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:35:03 ID:Gm.JNTnA0


結局、トゥハチェフスキーは逮捕されずに証拠不十分で釈放された。

               ____
           /      \
          / ─    ─ \      『トゥハチェフスキーが完全に潔白であることが
        /   ( ●)  ( ●) \ 。    証明された。大変結構なことだ』
        |       (__人__). 。;つ  ペッ
         \       `⌒"   /




                  ///l | i ',  ',ト ', l  i i',  ! ',.   ヽ', N,
              / / i レi!  ト、 ヾヽ い  ! ',   i    ',', い     _、、.._
                  ,' l!  い  i lヽ、\ヽ\ ', l ',  い   i  ! ゙i _..‐'´:r'´
              i リ!  |ヽヽ ト !. ト、_\、\i l }  l!    _!-‐'´   :::li
               l,'lハ i l', i丶、iハ |\辷_ヽ、| i l   ! ,r''´::     ..:::::ゝ_
                l! !| ヽi|ハ\、゙い、if´`ー'゙ンー!l り    fヾヽ:   .....:::::::::::ミ:::   チッ。
                 |  ! l lrtッミ、ヽ辷!ゝ=- '   |i! l }.   | :::ーヾ=::::_:::::::r:::::::::::::
                |i 八 i从、__ゝ`           リ.i | !   | :::::} .::::::::::::r-、:::::::::::f   こんな半端なことなら
              l! l|ヽ `i  ノ           l! ',|. i  {=:::::t:::::::::::リ  /:::::::::i
                i  l!   ', ヽ、 ‐        ノ |i  | ハ :::::::::::::::::{  f::::::::r'    最初っからすんなっつーの。
...、j‐'´`'r-‐ヽ__..、 ,....、_,r心 i!   i\ 、 ____         |.  l リ', ::::...::::::::::| i:::::::,'-‐‐
:::/ .::::/ .:::/ .::::シ .:::リ ふr:::.、_ .いヽ/:/:::/ンー      l ソ. / ', ::::ヾ_:::::ヽl:::::j
ソ:::::::/>..::::/ .:::::::/.::::::/ _...ニーぅ::ヽ心'=-<"´    ..ィ' ,リ. '__´,..イノ::ー/ i::ニ::|`~
::::::/"::::/:::::::/:::::/ヽ、...-  ゙'ーt_トf廴ニ::` ーr :''´ ノ ンri::::::::::o::i"" ,l:::::::::l
::::::ー::::1::::::/::::::::::::::`ヽ、ヽ、  _,,.-_ニ}i:::ン'   ',   ´ _El:::::∂:::ソ:::::::::::::::::::::',
ー-'ー、:::::::::::::::::::::::::::::,..r''゙jヽ、l',ン'i")ー_|     }   ,fメ'ン:::::8::::ン:::::::::::::::::::::::::',
    ヽ、_:,::---‐'´   /::::::::::::::::8iこ、、_      ,rン'ン:::8 .: /:j.::::::::::::::::::::::::::::',
ヽ、_             /:::::::::::::::::8::::fl ' `ヽ  ,rt'シ:´:::" 8 //::,' i::::::::::::::::::::::::::::::',
  ``'ー 、._       /:::::::::::::::::δ:::F!   `fン:::::::::'´∂ /::::::::j レ"" ̄/:::::::::::::::::::',

244名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:35:43 ID:rIi82ZY.0
赤軍大粛清の始まりですね

245◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:35:47 ID:Gm.JNTnA0


【補足】


     ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
     =            ゙ミ
     ミ     ★      ゙ミ
     ミ             ゙ミ
    , ミ;=======.:::゙ミヽ
  /  ./ /       ヽ\ \
  \__/ /l / /  , /l'| ト、l ',/    やる夫にとってトゥハチェフスキーは
    | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !      ポーランド戦争以来、許すことのできない
    | l |┬::cr ./ /┬::cr」 ||      仇敵でした。
    | l ! l:::::::j   '. l::::::::j. !l
      ハ ⊂⊃‐     ‐⊂⊃|      それと同時に、赤軍内部における
       l \     _    ,/ |      もっとも大きな危険因子だったのです。
     /l .lY` ー‐┐ r‐ イ| |
     /| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !
     l l__j::::::::/: i_lil__|:i::::::! !
    / /  ::::: i: : :l:::::ヒj::l」 : l_|!

    ヽ.ィ: : : :/   , /    l         'i '"´: : :.:|:.:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
      r‐:':::::::/   / / .     |     .l.    | .',: : : :.:|:.:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
     ',_:、:::/   |||.     |    .|.    | `丶;.:.|:.:.:.:.:.:.:!: : : : : :ハ::ヽ
      ノ:,'   .|l|      \   ト、   | l !´: :.:!:.:.:.:.:.,' : : :r ' `¬
      /:| | .   |十ト 、     |__x ┼‐ヽ- / | .).:: /:.:.:.:./: ::::::::|    |:
.      /:::,! |   .VV_ _\  `丁__ヽ|_____∨ ヽ{: : :/:.:.:.:./::::::;::::ノ|    !:     ポーランド戦争の失態で
     /:::::ハ.ト 、 ト下丁丁  ‐-不三丁丁フ  ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::! |   .!:
.    .ヽ|l ',ヽ \| 弋_‐.フ    弋_ー_フ   | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l .!   |:     逆恨みしてたのだっけ・・・
         |丁|  ,、,、       ,、,、,、l  ! .|:.ヾ ニフ    !::l .|   |:
.           | l| ′′      ′′′| l| .|/:.:.:.:.⌒ヽ丶|. |:  ..|:     (※第十三話参照)
         / / 人             | l| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|:   |:
          / /| |_  > .._  r_‐_、  _,  l l.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  |:
       /,イ | |! /:.:.:.::::ハィュヘ: ̄「「ヽ ..,' .,':| |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ|:
      ノ'   | .| ,′/`ヾニンリ:::..:.:.:.:.:./ /:.:.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
    ..'"ィ    | ||:.::':.:.:.:.::.:.`¬´:.:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.

246◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:36:51 ID:Gm.JNTnA0


          ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
          =           ゙ミ
          ミ     ★     ゙ミ
          ミ            ゙ミ
          ミ;=======゙ミ    トゥハチェフスキーは、
        / ,=          ヽ    無能だが扇動者としての才能だけはあった
       /  ,='  _  ∧_ _,,        無教養な上司ヴォロシーロフと
      /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_     大きな確執がありました。
        ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\
         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ    盟友ヴォロシーロフ最大のライバルであった
         ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ    トゥハチェフスキーの存在は、
          |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/    赤軍内部におけるやる夫の影響力にとっても
         | |{i t    _     / |    最大の障害だったのです。
         | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |
         // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |
    r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
   __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
   ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |


        :    / ̄ ̄\
        :  /ノ(iiiiii_ノiii \ :
         : | ⌒ (●)iiii(●)
         : |     (__人__)::    トゥハチェフスキーの野郎・・・
           :  |     ⌒⌒ノ     ことあるごとに俺を無視しやがって・・・
            : |  ノ(      } :
            :: ヽ ⌒     }      これじゃどっちが軍事人民委員かわからないだろ・・・
         ::  ヽ、.,__ __ノ :     少し才能があるからって調子のってんじゃねえぞこのやろう・・・
   _, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
  /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
 丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::

249名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:39:23 ID:CDYJW0iY0
このスレのやらない夫は安定して無能w

247◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:38:01 ID:Gm.JNTnA0


                 L__::.::.:\::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::r‐':ハ
                  /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::{::.::/ヘ
                  厂\::.::.::.::.::.::.,. - 、,. ´  ̄ `ヽ、::}、 _
              l_::.::.::.::.::.::/ ,    ヽ \、 .ゝ::ヾ、::.:`⌒ヾー--┐
                   }::.::.::.::,.'  ./   i     '、 .!::.::.:ヾ、::.::.::.人 ̄7/
                /::.::.::.:/    li   .|  ', 、 ヽヽヾ,::.:',;;、::.:└トミー/       それでトゥハチェフスキーを
               '::.::.::.:.,'    .||   .!|  i! ,!  从 Y"::.:.i;;;;i::.::rヘ〈ヾ:〉       排除しようとしたわけね。
             〈::.::.::.::.     ト、 、 l  l!,ム‐ナl'!ヽ{::.::.::|;;;;|::.:゙┐ヾく
                \::.::{  i l、!ヾ\ハl∨イfィt.`ト, i | 〕::,>=、::rヘ:', ヘヾ:、      でもそれは失敗してしまった。
                ヾ:ヽ ゝ,ヾ、斗-、   弋zリ , ト、ゝ{薔}::.)、l:、 ヘ \\
                    `从ルヾ゙ 弋zリ         // .〉、ヾ"::ノ ',!:', .ハ  \:\
                  /   /∧   `__     ! |/:;ィ:>、〈   ゙!::| .ハ  \:`ヽ、
                    /   //  ゝ.    r‐'¨´7.//┐ ', ハ  .|::|  ハ   ヽ/
                /   //   ,.-‐≧ 、∧  ,.| .!"::.:く  ', }  〈:」 i、   ヽ
               ノ   //  /{   /{薇}、   | |::.::.::.::\} .!    ', i\ \
              .'   / /::.::.:`フ  7介ト、 「ヾl::.::.::.:/ 人     ', ! \ \

       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',     処刑する気まではなかったかもしれません。
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|     ポストをはく奪して済ます気だったのでしょう。
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|     しかし、当時のやる夫の権力は後世の印象ほど
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|     絶対ではありませんでした。
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |     軍内部の反対、そしてオルジョニキーゼの
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ     消極的反対にあってやる夫は計画を取りやめます。
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /

248◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:38:26 ID:Gm.JNTnA0



            ,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:、
            ミ             ゙ミ
.              ミ      ★      ゙ミ
           /ミ             ゙ミ \
          《  ミ;========゙ミ } 》
.             》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《
.            /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:|   この事件でやる夫が学習したのは
           l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :|   まだ、独裁者としての立場は盤石ではないことでした。
           | :| : : :|/ :/ //:/ :/  ヽ: : | ハ: :|
           | :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :|   そして、場合によっては「敵」になりうる勢力が
           } :|八 :代uzノ    弋uzノ仏イノ: :|   まだ確実に存在しているということです。
.           ′:} 仆⊂⊃     ⊂⊃イ 八 : :|
.        /: : / 八 >  ~~~ .イ}{ : : : |   やる夫の赤軍と、配下の共産党員に対する猜疑心は
.        /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : :    すでに小さな、しかし重大な芽を出しつつありました。
.        / : : : : {   》《_》《_》《 〈 /  、: :丶
       /: : : : : : }   《_/八_》      }: : : :\

【補足終わり】

250◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:39:40 ID:Gm.JNTnA0


さらに新たな裏切り行為が発覚した。
やる夫の側近であり、古い友人であった政治局員候補セルゲイ・スィルツォフが
反やる夫クーデター計画を策謀したとして密告されたのだ。


        , - ''"´ ̄ ̄::::::::::::::::::::、
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    ヽヾ          ,:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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 _,_ `ュ- 、 __::::ー―''弋z(ソ /::::, ´   /  /::::ヽ、
二-、ヽ{、 弋z(ソ/:::::::ミ、._ _ ノ/ /  /  /、:::::::二`ヽ
´ lヽ___`::ー::彡:::::::::::::::, -― /-、/  /    / \´:::::::::`
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   政治局員候補 セルゲイ・スィルツォフ


さらにスィルツォフは取り調べのなかでザカフカース連邦の第一書記
ベソ・ロミナゼを巻き添えにして密告する。

    r\                          /ヽ
    ',::::::\                       /::::::,'
     ヽ::::::..\                    /..:::::::,'
      ヽ::::::::..\                  /..::::::::::,'
       \::::::...\       ノヽ      /...:::::::::/
         \::::::. 〈     , .::'::::`丶、   〉.:::::::/
    ヽ, ̄:::::: ̄`:::::...\,...:'´:::::::::::::::::::::::::ヽ/...::::::´ ̄_::::``,フ
      ` ` ` ' フ::::::::::,´::::::::,'´ ̄_ヽ,'_ ̄ヽ,:::`ヽ,::::::::::::ヽ、´´
        /::::ノ7 ,'::::::::::::|  (:。゚:i:゚。:)  |:::::::::::ヽ::::(ヽ \
       レノ´ 〈ノ|:::::::::::::ヽ.._ 人 _ ノ::::::U::::::|\〉 \_)
             ヽ、:u:::::::::::::__::::::::::::::::::::,'
              ヽ、:::_::|ヽ、ノ|::_:: ノ
                   |:|''⌒`|:ノ
                   ヽ`=タ
                ベソ・ロミナゼ

251◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:40:36 ID:Gm.JNTnA0


二人は「右派=左派ブロック」と呼ばれる反党組織を作ったとして
中央委員会から追放された。


          ___ _
       . /  >‐-、\
     . /~ヾ, j|  。 } \
      /|_ ゚ .,.〉 .ゞー≠  ...\,     『信じられないほど下劣な連中だ!』
     ./ ヾ≦'(_人__)      .\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


やる夫周辺の「信用できない連中」の排除は、着実に進行しつつあった。

252◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:41:09 ID:Gm.JNTnA0


しかし、ここでもやる夫にとって悩ましいことが起きる。

オルジョニキーゼが、ロミナゼとの個人的な手紙を中央委員会に提出せず
直接やる夫のもとへ持ち込んだのである。



 ヽ \__l   ___//  //l l)/  , ─ 、   \
‐‐' //////>、_l / {  /  l `´. /      \ ○ \
 ///////////,=-‐,─ l (⌒ヽ ヽ_/     _.  \
/////////////( ∨  l) l\ \  .-‐  ̄  /    >     やる夫、ロミナゼからの手紙だ。
|////////////l二} {二Y  ヾ `o、 (   キ>-‐'   _/. /
|//////////./     {    >' ̄ ̄ヽ≦二     `、/     中央委員会には渡さなかった。
∨/////////      l  /── 、     `      :.ヽ    ロミナゼから釈明の内容が
. ∨///////  ___ l>'         ∧)ヽ/`   l     書かれている。読んでやってくれ。
  \/////| ///////>── 、     _/ l  )    ∧
,'   `<//| |//////l 、     `‐、_ハ/ ` ‐' ̄    / ヽ


          (⌒ヾ`
       ゝ´ ,))
  (( ⌒ゝ   lij
     ー" ミ  ___
        ノ(_     \
      /"\,, 、/"`` \     な・・・!
    / ( ●)´`(● )  \    ロミナゼの問題は中央委員会で討議に
     |   '" (__人__) "'    |    掛けられるべきものだお!
      \  ` ⌒ ´     /    コソコソと裏工作なんてするべきじゃないお!
      / ゝ  ``     ィヽ    なんでこの手紙を中央委員会に提出しなかったんだお!?

253◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:42:02 ID:Gm.JNTnA0


.    >‐ 斗 ¨: : / /: :{:     \<ミt
  /  //: : γ¨7,//: : :.:Y⌒\  ‘,: :`寸
 /   / /: : : : /`ー´//: : __ :.{.    \ ‘,: : __\
./   | |: : : ノ   〈〈 -‐ `: ゝ._tァ__ゞ='-' };} .)         『アイツと約束したからさ』
    | |: :Y´ ̄Y、 } }__   , ィ ,,   >'¨¨≧ェ__
.    Ⅵ {   } }γ´   \/ |' .{.    ,γ´   , \
\    Ⅵ ゞニ彡'::{   ij    ̄¨¨^ ─Y_.」_ヽ / ィ }           /ヽ
、__}   ‘,',l    !:::!                ¨ ‐- 、′      /   }
」-'¨\  \\__/  \_〟-‐       `ー‐- _   ノ    / ̄〉'_>´ ̄У ̄\
    \  \\         _         / ̄_ ェェ/_/       {_   〉
.       \  \\  \ \ゝ_ 三二≡=-─ ´仁}三三三三三三三≧ェ.    ̄¨ヽ


ロミナゼはオルジョニキーゼの友人だった。

オルジョニキーゼは友人の立場を擁護しようとしたのだが、
それは党の規律を絶対とするボリシェヴィキらしくないやり方だったのである。


        .____
     ;/   ノ( \;
    ;/  _ノ 三ヽ、_ \;
  ;/ノ(( 。 )三( ゚ )∪\;     『君の秘密には加担したくない!!』
 ;.| ⌒  (__人__) ノ(  |.;
 ..;\ u. . |++++|  ⌒ /;

254◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:42:36 ID:Gm.JNTnA0


親分肌のオルジョニキーゼは身内や部下の実を庇護することで
しばしば自分の存在感をやる夫に見せつけることが多かった。


          (⌒ヾ`
       ゝ´ ,))
  (( ⌒ゝ   lij
     ー" ミ  ___
        ノ(_     \
      /"\,, 、/"`` \     セルゴの奴・・・
    / ( ●)´`(● )  \
     |   '" (__人__) "'    |    まるで自分を君主かなにかと
      \  ` ⌒ ´     /
      / ゝ  ``     ィヽ     思い込んでるお!



厳格なボリシェヴィキとして党規律を絶対視するやる夫には、
オルジョニキーゼのこのような行為が許せなかった。


           ____
         /:::     \
       /::::::::::     \
      /::::::::::         \   でもセルゴは有能だし
     |:::::::::::::::         |   手放すには惜しいお・・・
    /⌒:::::::::      ⌒ヽ/
   /::::::::::::            \
   /::::::::::::::          \ ヽ


それでもオルジョニキーゼはやる夫にとり最強の盟友であり、
痛し痒しな問題であったに違いない。

255名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:42:51 ID:D9kbWvTw0
ワニさん…
人のいい親父って感じだけど、やばい空気を察しないと危ない…

256◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:42:58 ID:Gm.JNTnA0


しかし、数々の障害を押しのけて、やる夫は工業化を再始動させるために
1930年最後の、かつ最大の舞台の準備を整えつつあった。


          ___ _
       . /  >‐-、\
     . /~ヾ, j|  。 } \        セルゴのことはもういいお・・・
      /|_ ゚ .,.〉 .ゞー≠  ...\,       次はあいつらだお!
     ./ ヾ≦'(_人__)      .\     叩き潰してやるお!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

257◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:44:44 ID:Gm.JNTnA0


その舞台に立たされるのは・・・かつての右翼反対派
ブハーリン、ルイコフ、そしてトムスキー。

   /       ,_,              ',                     / . : : : `ヽヽ:l://. : : : : :ヽ
   /       ( l 、            ',                 / . : : : : : : : : Y : : : : : : : : : :.
   l      ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ   `ヽi   l                 ..: : :/⌒\: : : : l: : : :/⌒ヽ: :.:i
   l    i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ   /                  | : :|    ::....、: l :, .'     '.: :|
  │  i、l=‐':´`"゙:::::::::::::.  : ノノ/、  /                 : : :|     ::::`´      ': : |
   | i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::..  .:: l l  l   ヽ                '. : |_    ...:::::::.  '" ̄   |: :'
   l ヽゝ l::: ::: :::/ |  `' 、::: -'´j l' /   )                    〉, { ー―u‐ァ.::ィ r―u‐ァ |/、
   ヽ、ヽ ` 、、:::/  !、-     ゝ,l '   /                  {う l / ̄::/ | ヽ ̄`ヽ |う}
    ゙''- 、ミ ',   _, - ‐- U /r, 、 `( _                   V∧ .:::::::〈 |      リ /
       _ノヽ\    -    , '// \   )                  ヽJ.   ::::::ー、l_,.     ,ィ′
       `ヲ.  \      / //    `''‐'-,                   Y:.、 ::::::. __,    /|
    , ==l ,  l ` - ‐ '  //   ,---、 /                 l  \:::::.` こ´   / ,|
  , , ' '´   !li  lL.   , - ' 7/   |=000| )                  _/|\  \::. l    イ/卜_
//      `゙゙゙_)| `' '´   l(    ゙ー ' ´く            _,. -‐<_} |::人>=.≧ー≦=人::::| {_>‐- .、_
ヽ.ヽ、        l      ヽ >      l       _,. -‐<_>  ´   乂:::::::三V} | {V三:::::乂  `  <_>‐- .、_
                             ,. -‐ ─- 、        人民委員会議議長(首相)
                              / ,. -      ⌒ヽ       アレクセイ・ルイコフ
                             / /            \
                         //  ,   / {   、 ヽ  ハ
                         , イ ' /  // ハヘ  !  ',  l
                          i ! { ィ7フ  ヽ>ト、 l }   |
                          トハ. ,. ‐-   -‐ 、 リ/  '
                             トヘ}' り    り }/' / /
                              、 ゝ''   '    '' j, / /
                             _,ゝ」> ^ -ァ¬7/ /
                         《二二}}ィ_人/ 〉、
                          \/⌒) 。i `Y l
                           {   }  :!   l  l   政治局員
                            ト-fヘ 。i  |  |   ミハイル・トムスキー


すでに彼らは一度自らの異端歴を懺悔し、罰せられた存在だが、
状況は異端者らへの更なる厳しい対応を必要としていたのだ。

258◆J7qCZtZxmc2012/08/28(火) 22:45:23 ID:Gm.JNTnA0


1930年12月19日。
クレムリン大宮殿でボリシェヴィキ党中央委員会総会が開催される。

これは、反対派の最後の牙をへし折る大法廷であった・・・



               _______________________________
              「/ =≡      ≡  ≡ ≡  _,...- ''""` -..,_≡ ≡         ≡=  \
          ___./                _,...- ''"_,...- ''""` -..,_ ` -..,_               \
           「/  i⌒i   i⌒i   i⌒i _,...- ''"_,...- ''"_,...- (( )) -..,_"` -..,_` -..,_ i⌒i   i⌒i   i⌒i. \
            /二二二二二二二二二二[_===============_]二二二二二二二二二]
        / | _| 「|_| 「|_| 「|_| 「|  | | ̄| |Τ| | ̄| |Τ| | ̄| |Τ| | ̄| |Τ| |_| 「|_| 「|_| 「|_| 「|_|
        / /===================================================i
        ,.'/ .|≡| |工| |工| |工| |工| |  |工|  |工|  |工|  |工|  |工|  | |工| |工| |工| |工|  |
      / /|≡| |工| |工| |工| |工| |  |工|  |工|  |工|  |工|  |工|  | |工| |工| |工| |工|  |
    / /∥|≡|__ __ __ ___. | __  __  __  __  __ |__ __ __ ___.  |
__   ヽ/∥/|≡| |┬| |┬| |┬| |┬| |  |┬|  |┬|   |┬|  |┬|  |┬| | |┬| |┬| |┬| |┬|  |
ヽi__.  |∥/ ||!|≡| iiiiiiii iiiiiiiiiii iiiiiiiiii iiiiiiiiii. | iiiiiiiiiii iiiiiiiiiiii iiiiiiiiiiiii iiiiiiiiiiii iiiiiiiiiiii | iiiiiiii iiiiiiiiiii iiiiiiiiii iiiiiiiiii.  |
;/_i_i!,/|/∥ ||!|≡| ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄!. |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ . |
\i_i |_|_|∥∥ ||!|≡| i⌒i i⌒i  i⌒i i⌒i. | .i⌒i   i⌒i   i⌒i   i⌒i   i⌒i. | i⌒i i⌒i  i⌒i i⌒i.  |
エ_|_i |_|_|∥∥ ||!|≡| | | | | | |  | | | | | |. | .| | |   | | |   | | |   | | |   | | |. | | | | | | |  | | | | | |.  |
エ_|_i |_|_|/∥ ||!|≡| ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄!. |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ . |
\i_i |_|_|∥∥ ||!|≡| i⌒i i⌒i  i⌒i i⌒i. | .i⌒i   i⌒i   i⌒i   i⌒i   i⌒i. | i⌒i i⌒i  i⌒i i⌒i.  |
エ_|_i |_|_|∥∥ ||!|≡| | | | | | |  | | | | | |. | .| | |   | | |   | | |   | | |   | | |. | | | | | | |  | | | | | |.  |
エ_|_i |_|_|∥∥ ||!|≡|;;;;,,;;;;;,,,..;;;;::::,,,;;;;::::;;;;;;,,,,;;;;,,;;;;;,,,..;;;;::::,,,;;;;::::;;;;;;,,,,;;;;,,;;;;;,,,..;;;;::::,,,;;;;::::;;;;;;,,,,;;;;,,;;;;;,,,..;;;;::::,,,;;;::;;;;;;,,,   |
エ_|_i_| | |----- !|≡| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i   |


【第二十七話 農業集団化 成功に目が眩んで 終わり】
                                           第二十八話 農業集団化 弾劾総会 に続く・・・

259名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:46:41 ID:V571AiAQ0

農民とソ連人民の地獄はまだ始まったばかりだ・・・・・

260名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:47:57 ID:qJsMuBWg0
乙。同志>>1に敬礼。
みんなの行動がどれも死亡フラグにしか思えない・・・・・。

261名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:48:04 ID:rIi82ZY.0

地獄の釜の蓋が開きかけていますね

262名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:48:49 ID:pTfLhppQ0
なんか話が進むにつれて、自己保身と自己賛美のために奔走していたやる夫が
いつの間にか本人が自覚できない化け物に変わっていないか…?

心の底から素晴らしきソ連を造らねばならないっていう歯車に、やる夫がなっている…
本人が支配しているつもりが自身の理想国家の実現に縛られている…

263名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:49:41 ID:CDYJW0iY0
乙、やる夫もまだまだヒヨッコだな、もっと経験値を稼がないといけないw

264名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:52:34 ID:D9kbWvTw0
乙。
OGPUの剣を自分ひとりの手に握ることになったら、暴走しないのは難しいだろうな…

265名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 22:53:38 ID:TOtA/OYM0


266名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 23:12:38 ID:3SG3yPOg0
乙乙! 農業集団化、本気でろくでもなかったな^^;

267名無しのやる夫だお2012/08/28(火) 23:49:03 ID:kRf3wMnU0

毎回面白く読ませていただいてます



元スレ
やる夫は赤い皇帝になるようです 第七次五ヵ年計画
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1344690102/










>>URL

No title

いかんでしょ……

Edit | 2012/08/31(Fri) 21:37:26

>>URL

No title

(お、Jか?)

Edit | 2012/09/01(Sat) 00:25:23

名無しさん@2ch >>URL

No title

風雲児たちって漫画に
安政の大獄の井伊直弼を島津斉彬が
「権力を掴んだ男は気づかぬうちに権力の奴隷になり果てる」
って評価する名台詞があるけど

このやる夫は完全なそーなっているね・・・

Edit | 2012/09/01(Sat) 05:23:50

>>URL

No title

だが皮肉な事にこうでもしないと
中央集権化が果たせず、今日のロ
シアはありえなかった。

統一国家を成立させるために、中世
的な存在の農村…『一揆』を組んで
独自に活動する惣村共同体の根絶を
図った。
それがこれから起こるの悲劇の大元
なんだよな…。

Edit | 2012/09/01(Sat) 12:26:08

>>URL

No title

>>134
1日10人あたりパン1個

( д) ゚ ゚
1人じゃなくて「10人」か!?
じゃ、1人あたりパン1/10が1日の食事か?!
農業集団化は、賛成しても死、反対しても死で、完全に詰んでるじゃねーか!

Edit | 2012/09/01(Sat) 12:35:21

>>URL

No title

恥知らずとはやる夫の為にある言葉だな。
トロツキーやレーニンは冷酷な一面があっても同時に高潔さがあったから嫌いじゃない。

それに比べてやる夫ときたら÷・・・・・
他人に対する残酷性・攻撃性
友人や家族にむける愛情
味方をつくる能力
自己保身
偉人への傾倒
厚顔な発言
あらゆる意味で性格が子供じみてると思うのは俺だけ?



Edit | 2012/09/02(Sun) 10:10:23