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2012/08/12(Sun) 01:17
924◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:00:46 ID:QaonVuSQ0


ついに正式発動された
経済の五ヵ年計画。
___  __________
      ∨
    ,,,,,,,,,,,    ||    ||   ,,,,,,,,,
   [,,|,,,★,|,]   ||    ||   [,|,★,,,|,]    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ( ´∀`)  目    目  (・∀・ ) <  ニューヨーク・ウォール街発の
   ( つ  )つ       ⊂ NKVD,)  | 金融恐慌が始まった頃、
  ┃レ __   | ̄ ̄ ̄ ̄ | ___,ノ┃ | ソ連は偉大な転換の年にはいろうとしていた!
  ┗━┳┳\ | ̄ ̄ ̄ ̄|,/━┳┳┛ | 社会主義の希望の明日を信じて、
      ┃┃   |_____,,|   ┃┃   | さあ本編だ!

925◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:01:18 ID:QaonVuSQ0



       第二十六話 五ヵ年計画

926◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:02:20 ID:QaonVuSQ0


1929年はじめ、ブハーリン・ルイコフ・トムスキーの右翼反対派が打倒されたこの時期、
もう一人の反対派が始末されようとしていた・・・



     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/
|       (__人__) l;;,´|     ブハーリンの脅威は
./      ∩ ノ)━・'/     ほとんど取り除かれたも同然だお・・・
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /
書記長 やる夫・スターリン



     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (●)  (─ /;;/
|       (__人__) l;;,´|      それより問題は・・・あいつかお。
./      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /






927◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:03:19 ID:QaonVuSQ0


それこそが、トロツキーである。


                       ,ィ
                     /  ,// _、-
                 , '/ /‐'::::,、ン'/
              , ./:::レ:::::::::::::´::::::ー--...、.._
               _iV::::::::::::::::_::_::_::::::::::::::::::::::::::::::::::=-
           r::'::::::::::::`ヽ三ニー-::::ニ:::::::::-=ニ´
          /::/三:::\\ヽ:::::::::ミ、::::::::::::::_:::=≧ー
         /:::::/:::::ンヘ\\ ヽ:::::::::::`ヽ:::::::::::::ニ三三ェ-
         //i:/://:::,'i::::ヽ\\',、::::ヽ:::::::::::::::::::::<'´
          !' /::;:':::/:::,'::i i:::ヽ:::::::ヽ:ミミ:::::ヽ、:::::::::::k-ニヽ、
          /::i::::l:i:::i、::',. ',::::::ヽ::::::::ヽ::::::::::::`::::::::::ミヽ、
         /:::ii:::l::i:::L::::':,::i:::::::\、_:::ヽ::::::::::、::::::::::ヾ、
         /::/i:i::l::i::i f:::j、:;::::',ヾ:::,rt:::j、\:::::::::::::::::i、\
      _,rーァ'/'´ i:ハ:l::lリ`=‐ヾ'、::、゙ヾ、ニノヽ::::::::::::::ヾヽ、.
   ,r''"     i.リ/リ::',゙     ゙ヽ     .,!::;:::::iヾ::',ヽ、 ``ー-
  / ',  -、    i//::l:l゙、     、 ..    ..:':l::i!ヾl:::l lヽi ', `ヽ
  ∧  ',   i i   i i: リ ヽ. ‐-- 、   / /リ / !/./ ' '  ゙ヽ
  ,' ヽ  ', i 〈   ,i i::.、 \\   ..::'::: / !   , ', ' .i
  、 ヽ  i     'ヽゞミヽ、ゞ: `ニ:´:::::'' _,. -//  i
.  ヽ、ヽヽ  i    ',ヽ、`ヽミヽ、    ,.:-'´,. '´/   ノ     /
.   iヽ \i .i!ヽ     ` 、`'-、、、、、- ',ン''           /〃
   i  ヽ.\ !        ` ー-ー '´          , ' //
.   i   ヽ、ヾ                       , ' / '
    ',、   ゙゙'i\ヽ                   , ir' ヽ=
    iヽ    i! ヽ ヽ               , '/i!   /
       左翼反対派・内戦の英雄 レフ・トロツキー

とうに失脚し中央アジアに追放されたこの不撓不屈の男は、
モスクワにやる夫を非難する文書を送りつけたりと依然として精力的な活動を行っていたのだ。

928◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:03:45 ID:QaonVuSQ0


政策の大転換のこの時期に、これほど危険な男を抱え込んでおくことはできなかった。

     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\
/    (●)  (●) \     いよいよあいつを
|       (__人__)    |     始末する時がきたのかお。
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |      思えば長い時間がかかったお・・・
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

929◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:04:39 ID:QaonVuSQ0


1929年1月、やる夫はトロツキーを国外追放処分とする。

           . ィー- 、
          f      >-、
           .′、_     ア¨¨⌒〉
           .′  }`ヽ_、 { .rr ^´
           .′ x〈     ヽ_ヒリ
、、、      ./ 彡'´〈
::::::::'┐    /  /.ヽ|
、:::::::::ヽ__.イ ヾ、.L -{
. \:::::::::::  f¨7   ニハ
.  ヽ:::   ト{ > ´¨ ̄!ミY
   ^ヽ  >f     ヽ }、
.     `¨´ ハ      >' |   x_ー.v、
        ゝト-- ¨¨´ _.戈¨¨´  _.り
        、Y{、       __}ー ´
        ミ.ハ  . -‐ ´
         ,∠  r ´
   ,、_, - ´_ノ/
   ゝ.. -'´ ¨´


       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\      ざまぁねえお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    やる夫に喧嘩を売った罰だお!
  |    /| | | | |     |    これでトロ公も一巻の終わりだおwww
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄





これは、この時期のやる夫の権力と立場をよくあらわしている。
例えやる夫であっても、著名な党員を処刑することなどできなかったのだ。


          ____
       / ノ  \\
      / (●)  (●)\
    / ∪  (__人__)  \         いや・・・
    |      ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)   さすがに処刑とかヒクわ・・・
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /

9318月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:05:49 ID:LFdPwJWU0
まあこのあとメキシコまで発掘しにいくんだけどね

930◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:05:23 ID:QaonVuSQ0


【補足】

     ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
     =            ゙ミ
     ミ     ★      ゙ミ
     ミ             ゙ミ
    , ミ;=======.:::゙ミヽ
  /  ./ /       ヽ\ \
  \__/ /l / /  , /l'| ト、l ',/   経済政策の大転換を迎えたこの時期、
    | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !    やる夫の権力が党員の生死に
    | l |┬::cr ./ /┬::cr」 ||     直結するほど独裁的なものでないことを
    | l ! l:::::::j   '. l::::::::j. !l     如実に表す事例でした。
      ハ ⊂⊃‐     ‐⊂⊃|
       l \     _    ,/ |
     /l .lY` ー‐┐ r‐ イ| |
     /| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !
     l l__j::::::::/: i_lil__|:i::::::! !
    / /  ::::: i: : :l:::::ヒj::l」 : l_|!

932◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:06:06 ID:QaonVuSQ0


           ,.:-=;1―;1―;1―;1―;1,=;:、
           ミ              ゙ミ
           ミ      ★       ゙ミ \
         / ミ              ゙ミ   \
        V/::ミ;=========゙ミヽ   \
       //:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :',  `、ヽ ム>
.      /:i:: :: /:: :: :: :: /:: :: :: :: :∧:: :: :: :: :::i  } >/i´
      ,'::i:: :: i:: :: :: :: /:: :: :: :: :/ ∨:: i:: :: ::l  V/:: l    1929年のやる夫は
      ,':: l:: :: l:: _:: :: /:: :: :: :: :ム--+::-l―:: |   |:: :: |    ヒトラーのような独裁者ではありませんでした。
.     i:: ::l:: :: |:: :`''フ:: :: :: ,:: /    ',:: |:: :: :|   |:: :: |
.     l:: i:.|::..::|::_:: /:: :: : //     v|:: :: :|   |:: :: |    絶大な権力は彼の手にありましたが、
.     |::.l::.|:: ::|::/ニ_;; ;//  ====V:: ::,'   |:: :: :|    それはモロトフ・クィヴィシェフ・オルジョニキーゼ
     |::∧:',:: ::V弋.:.:テ    ´ て:::::::o|:: ::,'   .|:: :: ::|    などの有力党員によって支えられていたのです。
     |::i ',:',:: :∧廴::ソ      こ .ン|::/,'   i:: :: ::.|
     ',.i  }::ト:: : ヽ゛゛  ` _   ゜゜イ|/:,'   ,':: :: :: |   熱心な工業化推進も、実際はやる夫本人より
      ',' .ハ::iヽ:: ::>ァ-------<´<:: /:,'   /:: :: :: ::|   モロトフやクィヴィシェフの方が熱心なありさまでした。
       ∧ヾV>、:V/ | (ニxニ)  |: :',:: /_ -'''´:: :: :: :: ::|
       /:: L_i VX|: :|  ∧   |: : |:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
       /:: :: :: :: :: :: :|: └ ┘└ ┘: :.|:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\


      ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
     〈 ● ノ\   /\● 〉
      ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ
.      )    Y    (
     /γ⌒     ⌒ヽ\     もちろん、僕はやる夫の同志だけど、
.    /  |         |  ヽ
.    |   ヽ__人__ノ   |    家臣になりさがった憶えは無いからね。
    \     `ー'´     /
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ     同じボリシェヴィキとして対等な同志なのさ。
    /      ,⊆ニ_ヽ、   |
   /     / r─--⊃、  |
   |  ヽ,.イ   `二ニニうヽ.  |
 第二書記・やる夫の盟友
       ヴァチェスラフ・モロトフ

933◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:07:05 ID:QaonVuSQ0



            ,.:-=;1―;1―;1―;1,=-;:、
            ミ             ゙ミ
.              ミ      ★      ゙ミ
           /ミ             ゙ミ \
          《  ミ;========゙ミ } 》    この頃、やる夫に無条件な忠誠を示していたのは
.             》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《    幹部党員のうちではカガノーヴィチくらいでした。
.            /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:|
           l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :|    他の幹部党員は、やる夫個人より
           | :| : : :|/ :/ //:/ :/  ヽ: : | ハ: :|    党の理想と思想を優先する
           | :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :|    一癖も二癖もある屈強な古参党員たちだったのです。
           } :|八 :代uzノ    弋uzノ仏イノ: :|
.           ′:} 仆⊂⊃     ⊂⊃イ 八 : :|    彼らはさしあたってやる夫の政策が
.        /: : / 八 >  ~~~ .イ}{ : : : |    自分達と同じであるから協力しているだけでした。
.        /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : :     その筆頭がオルジョニキーゼです。
.        / : : : : {   》《_》《_》《 〈 /  、: :丶
       /: : : : : : }   《_/八_》      }: : : :\
     /: : : : : : :/    ∨{><}{    {: : : : : : :\
    / : : : : : : /人,___人}><}人__人\ : : : : : :ヽ
   《 : : : : : : // { ̄/∨`¨¨¨´∨\ ̄} \\ : : : : : \
  《 : : : : :/ 《(   } {_人    人_} {  )》 \ : : : : :》
   》: : :/   》)  人人_))   ((_人ノ (《    \: : :《
  《 :/    《(    \        /    )》      \ 》
   `\\    ≫x、    \__/   ,x≪     //



.    >‐ 斗 ¨: : / /: :{:     \<ミt
  /  //: : γ¨7,//: : :.:Y⌒\  ‘,: :`寸
 /   / /: : : : /`ー´//: : __ :.{.    \ ‘,: : __\
./   | |: : : ノ   〈〈 -‐ `: ゝ._tァ__ゞ='-' };} .)         ソ連における社会主義建設に資するならば、
    | |: :Y´ ̄Y、 } }__   , ィ ,,   >'¨¨≧ェ__       やる夫の政策を支持することに異存はない。
.    Ⅵ {   } }γ´   \/ |' .{.    ,γ´   , \
\    Ⅵ ゞニ彡'::{   ij    ̄¨¨^ ─Y_.」_ヽ / ィ }           /ヽ
、__}   ‘,',l    !:::!                ¨ ‐- 、′      /   }
」-'¨\  \\__/  \_〟-‐       `ー‐- _   ノ    / ̄〉'_>´ ̄У ̄\
    \  \\         _         / ̄_ ェェ/_/       {_   〉
.       \  \\  \ \ゝ_ 三二≡=-─ ´仁}三三三三三三三≧ェ.    ̄¨ヽ
      政治局員 セルゴ・オルジョニキーゼ


※さらに、オルジョニキーゼはブハーリンとも親しい間柄だった。

934◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:07:55 ID:QaonVuSQ0

            __ __,.
      「`ヽ´ ̄`フ.::::::::/´  ,. -‐'′{::::し'.:::::::イ
    . ィ⌒ヽ  /.::::::::::/       ハ:::::::::::::!::::)
    { イゝ   /.::::::::::,′. . . ..x  く`ーヘ.:.:.::::し'
    Y.::::::::ノ '.::::::::::::|.:: . ---xノハノ    ヽ:::)
   ( ̄  . :.|:::::::::::::「´ _、  )⌒Y     レ′
    i 7ゝ.:::∠!:::::::::::::|.:.:.:.:j「 Y    !    }
    | i::ハて...」::::::_.:::::! ノ」ハ '.  ,ハL /  ′
    | L! | 丁Yr刈:::|ィハハ「ゝVイムイ//ハノ     つまりそういう微妙な力と人間関係が
    |     |\ゞイ::::ト弋)ソ   ヒケj小
    l  /   !  `トゝ:!ハ´     ' .イ j |       やる夫の無制限の暴力行使に
   ノ. /  |i  ゝ'' | 仆. .  ´ イ 」 ;i |
  / :/     |小./ゝ.|ヽ\下`ヽ 丁jハ      一定の歯止めをかけていたのね。
イ  , ′    ヽ:/ィ  ハ. ヽ\ハ.:.:.:jり__」!
 /       ,ノ.:/ /.:::: ` ー 、ーヘ〈ゝ--=ァ
    /⌒Y .::::/  (::::::.     下不厂゙ぐく
   r '   ノ.:::::/ .イ )::::i    | ̄j ) `ヽソ
.   \:::`ヽ//.::/.::::::i    `ヽヽヽ (


       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',   しかし皮肉にも、
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|   この政策の大転換こそが、
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|   そういったやる夫の
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |   権力の枷を段階的に外していく
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|   最初のきっかけとなるのです・・・
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /


【補足終わり】

9358月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:08:27 ID:4hYLRqgI0
独立した政党の頭としてなり上がったヒトラーと
ソ連の一員として官僚組織を作り上げ叩き上げてきたスターリンとの差が出てて面白いな

936◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:08:35 ID:QaonVuSQ0


1929年5月、ついにネップの後退に取って代わるべき社会主義への全力突撃、
つまり経済の「五ヵ年計画」が正式に発動された。

         ___
       /::::::::::::::::\
      /:::::─三三─\
    /:::::::::(○)三(○).\
/⌒)⌒)⌒.:::::::::: (__人__) :::::: \    /⌒)⌒)⌒)
| / / /     ` ⌒´     | (⌒)/ / / /,,-''ヽ、
| :::::::::::(⌒)            /  ゝ ::::::.,,-''"     \
|     ノ              \  /_,-'"         \
ヽ    /            ヽ /\            \ ドォーン
 |    |           __   //\\           \ ガガアガーン
             /|[]::::::|_ / \/\\         /
           ./.| ̄ ̄ ̄ ̄ //\ \/  \      //    ___
         |  |:::「「「「「「 / \/\  /\\   /:::/   ./|    |__
       _..|  |:::LLLLL//\ \/  \/\\/::::::/  /  | ロ  .|lllllllllllll
      / llllll|  |:::「「「「 / \/\  /\ .\/ ./::::::::/  / ./ .|    |lllllllllllll
__     llllll|  |:::LLL.//\ \/  \/\  /::::::::/  | /   .| ロ  .|lllllllllllll
         |  |:::「「 / .\/\  /\ \/ /::::::::/⌒ヽ| ||/  |
         |  |:::L //\ \/  \/\_, -― 、  ''"⌒ヽ,_
                (⌒ヽ、_,ノ⌒Y"    Y     .....⌒)
            (⌒ヽー゙ ....::(   ..::.......  .__人.....::::::::::::::::::::

937◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:09:45 ID:QaonVuSQ0


しかし、その内容は「計画」とは程遠く、無造作で狂信的な数字が躍っていただけだった。
時の政策エリートたちの間には、工業化への具体的で詳細な道筋は何も無かった。


              ,─、
          , ─ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~─、
        /            \
       /               l
       l                 |
      |┌─-______──~|  |       党は全力で工業化を
      |/                  |  |       達成せねばならん!!
      |   -─_       _─-、 |  |
      | /\__/|   | |___∠ヽ \|       ボリシェヴィキに達成できないものなど
  __ ─|  「`--' _l __ /_`--' /   |─__    なにもないんじゃよー!!
 (_ | |  | \ヽ ̄_/ ┐┌  \ ̄/ / | | | _)
   ̄ ─|  l  ̄            ̄  l  |─ ̄   ___
        | | ┐ ,─     ─、  |  |_   / ヽ___ 入
     //|∩ |┐_ ヽ r _  l  |  |::: ─_|       l
   /::/::/ /| /~  ───  \|   |   |\:::::::::|       /─、
   /::/::| 〈 | |┌──── ̄ 7|     l\\::::::\___//  \
  l:::l::::| ヽ  | ~| _____/ |   /|:::|::::::\:/     /    /─、
   \:::|  ) / /        丿  /:l::::|:::::::::/ \   /    /   l
   | \|__//~─- ̄ ̄──'  /::/::::l:::::/   l  /    /   /~l
   |  |   |─______─ ':::::/::/:∠_   |/   /   / /
   |  |─-|:::::::::\::::::::::::/:::::::://:::|   7\  l _/ |__/ /
   |  |   |─__ `──':::::::::::/::::::─\__l_ /        \/
   |/|   |  \:::: ̄ ̄ :::::::::/ ̄ ̄::::::::::::::|\       /|
   |/|   |    \::::::::::::::/\:::::::::::::::──| `───-/::::::|
 第三書記・超工業化論者 ヴァレリアン・クィヴィシェフ


ただ、資本主義を駆逐し、真の社会主義を建設するという宗教的情熱だけに突き動かされていたのだ。
そして、彼らにとってはそれだけで十分だった。

938◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:10:39 ID:QaonVuSQ0


今やネップの後退によって10月革命の理想は危機に瀕していた。
ネップマンと富農の脅威が、ソ連とボリシェヴィキ党を追い詰めていた。


          ___  ___                     |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
           /:::..:::::::Y::::::::::::\                 _L - ───‐ - 」_
        ./::::/ ̄ ̄ ̄ ̄\:::ヽ               /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
       /:::/   _   __  ';:::';     /    ヽ    /:::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨\:::::::ヽ
        |::::| '´__    __` |::::|   {     }   {::::::::::{  ´ ̄``    '´ ̄`  }:::::::::}
 /   ヽ !::::代 ィoュ六ィoュ 7!::::|    |_____|    ヽ:::::ハ  ,.==-   -==、 ハ::::::ノ
 !    | ノ:::::j ` ─ イ ト ─ ´ |:::::しィ ヽ::::::::::ノ     Y } ´     7  ヾ    `{ Y
 |___K__,.イk.    ( ,、,、)   ,k:::::::ノ  f二ユ       ヽイ、  /,,,,,゚;.,.;゚,,,,,ヽ  rk/
 ヽ:::::::ノ   ヽヘ     _,、,、_ ’   ム厂´  _r{二二}        {|i  K´ 二二 `ソ1  jl}
.,イ¨三ヨ  __,「ト、  ´ 二 ` , イL_ く 「只二 Yヽ      ヘx、jl `====' lkvリ′
{  三ア ´    |l ヽ `ー--‐'´ / l|   く` rヘ9n、ン’ィ 〉 __,∧kヘYkrx杰xtィrヌ ∧
ヽ _||_     (|l  /\   /ヽ l|)  不 | 弋ラ7-ヾ´.:.:..:.:./:.:.:トミ二ニ=ニニ二ス:.:ヽー-- 、___
/l ´下`    (|ト、ノ   Y    レl|)   ,ゝ ヽ __/丶乂.:.:.:.:.:./.:.:.:.:|. /  | r┐| ヽ |.:..:ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄`ー、
. ヽニネ、   〈 ̄ ̄`{ ̄}´ ̄ ̄〉  ‘ィ / ハ丶厂.:.:..:.:.:/:.:.:.:.:.|/   ! し’|   `|.:.:..:.ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ
   │ヽ   (ハ___,イ丁k__ハ)  ハr-‐t_r-、/.:.:.:.:.:.:.:〈:.:.:.:.:.:.:|   |    |   |.:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:|




西欧資本主義列強はいまだソ連への敵愾心を捨てず、虎視眈々と侵略の機会をうかがっていた。
「スターリン革命」の中核にいた人々にとっては、それが真実であった。


   __        /         \  {       レ'     }      /: :       |
/二    ̄ニ=-、  {        . : : :ー、   __」  r'⌒ヽ|      /: : : : .    {
: : : : : : : : .ヽ  〉        /ヽ、 \ヘ\ 7   く二アフ    /: : : . r     |
: : : : : : : : : \ r、  /´   |レ'  ̄ ̄ヽフ{       〈{     /: : : : . {:    〈
: : : : : : : : : : :レ  \l             } ヾ  r'´  }ヲ   /: : : :    ヽ    __
: : : : : : : : : : : \  /^ヽ__/l ヽ  r' ノ  `ーァ=ー'_/   /: : :    _,、-=ー' ̄   `\
: : : : : : : : : : : : V rヘ    {`ー-rー'´     /   ァ―=' rへ: : :  /            「ヽ
: rへ           : : : : : : : : |  {       /  r'^X: : : :}  i   /: :             | }
_/  >=' ニ ̄ ニ=-、       -、  ,| ∧,,∧  (_ァ_,ソ {          /: : : :          r'  レ'
  /          ヽ  「ヽ_ヽ  ノ^l_ノ (・ω・`;)っ∧,,∧ 〉 r‐  __ /: : : : :  ヽ      {   }
∨             `ー'    ̄` ク   (_っ   ノ (;´・ω) ヽ__/ __,ス: : : : : .  }  __イ  /
、                       }    ∧,,∧  (っ   ∧,,∧  \     ̄7: :  r'  ̄  |  {
 \              }    ノ (( c(ω・´;) ∧,,∧ ( ;ω; )   }      厂7  }   /   |
   }   r、      ,ィ  ト=-"     〉  ぅ (・ω・#) っ c∧,,∧ヽ`  '´ ノ /  /   /  /
   {   〈 トーr―-" {  {       〈_,ー、c=c-   c) u-u(; ・ω) `ー ‐´  (_, ノ   `ー'
    \  \\_,)    \ \_            uーァ_ノ   ノ っ゛,っ゛   〃
     \_フ        ヽ_ソ                   し-u′

939◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:11:36 ID:QaonVuSQ0


ソ連を救うためには即座に工業化を達成せねばならず、社会主義を建設しなければならなかった。

      ,.⌒ヽ      γ⌒ヽ
     〈●\ \   / /●〉
       ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ
       )    Y    (
      /γ⌒     ⌒ヽ\       そそ、ソ連における革命を防衛するために!
     /  |         |  ヽ      わ我々は即座に社会主義を建設せねばなならない!!
     |   ヽ__人__ノ   |
     \     `ー'´     /      そして党は必ず勝利する!
     /     `ー'      \ |i.     この一大事業を拒否し、社会主義の最終的勝利を
   /            ヽ !l ヽi     疑うことは、誰にもゆ、許されないのだ!!
   (   丶- 、         しE |.    全人民が一丸となって社会主義を建設しよう!!
    `ー、_ノ         ∑ l、E ノ >
                 レY^V^ヽ

     ┏━━━┓                               ┏┓┏┓
     ┃┏━┓┃                               ┃┃┃┃  ////////
 \   ┗┛  ┃┃┏━━━━━━━━━━━━━┓┏┳┓┏┓  ┃┃┃┃   /////
\\\    ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃  ┃┃┃┃   //////
\\\  ┏┛┏┛                         .┏┛┃  ┣┫┣┫ ///////
\\\  ┗━┛                          .┗━┛  ┗┛┗┛ ///////
\\\\                                           ////////
\\\   [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  . [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  .  [|,,★,,|]   //////
\\  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ///////
\ [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  ////
 ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ////
(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ )) ///
   く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     //


経済の五ヵ年計画は、理屈や理論や合理的方法などの問題ではなく、
社会主義勝利への確信と、忠誠と、信仰と、そして情熱の問題であった。

9408月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:11:57 ID:LFdPwJWU0
人も組織も追い詰められるとその思想を先鋭化させていってしまうんだよな。

941◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:12:13 ID:QaonVuSQ0


【補足】

       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|   かくして熱狂的な雰囲気の中、
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|   ありあまる不安要素と準備不足、
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |   そして構造的問題を完全に無視して、
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|   超急進的な工業化が開始されたのでした。
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /



                                                   rーイ¨ ̄¨ト、-┐
                                                 ,r::┘、」;;;;;;;;;;;:::j/:::::/入
                                        .       _i -、_>------- <:::::┴i
                                              〈:::::::i i ||Vlリk i|i ,l||ソ ヽ::::::::〉
                                               ┐'レ' ⊂⊃    ⊂⊃!Ni_イ、
                                        .      イ| u         |!l lハ ヽ
                           さて、どうなることやら・・・    /ハ              u.|| .\ ヽ
                                              || `、   {_ ̄ ヽ    '||  / /
                                              ||  ヽ、    ̄   . イ |,'  ヽヽ
                                              `    `iTァv'T爪      //
                                                    |<|真| >|      `ヽ
                                                     |〈| || | 〉|

【補足終わり】

942◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:12:49 ID:QaonVuSQ0


今まで生産設備の輸入に依存していたソ連工業を根底から改造するために、
工作機械、工業設備の製造工場が大々的に建設されていった。

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      .i___i_|  \           .i___i_|  \           i___i_|  \
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     。.|::::::::| |    ̄ ̄ ̄|     。.|::::::::| |    ̄ ̄ ̄|     。.|::::::::| |    ̄ ̄ ̄|
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モスクワ・ターレット旋盤工場、ゴーリキー・フライス盤工場などである。
それらの工場は外国技術の導入を受けながら、急速に生産設備の自給能力を高めていった。

944◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:14:08 ID:QaonVuSQ0


そして、五ヵ年計画によって急速に膨れ上がる工業分野にエネルギーという血液を送る大動脈も建設せねばならなかった。
新たにドニエプル河流域に大規模なダムと水力発電所の建設計画が実行に移される。


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  ::: :;:;; ''"''::::;  .::,''::: :;:;;    ::;:;; ''"''::::;   .::,''::: :;:;;''::: :;:;  '';;.::、 -'゛ -  _   ニ  -
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         ―≡- -   -=         -=―    ,,‐'" '';;.::,''::: :;:;; '';;.::
                ニ─         =―  _  ,,''::: :;:;; ''"''::::;   .::,''::: :;:;;
   二 ―  -ニ―  _   ―  _ニ-― _   ̄-  ;;"';'';;.::''::: :;:;; '';;.::''::: :;:;; '';;.::

     ~~~~~~~~、
    /|o 〉┴〈_〉┴〈 0|
   / |  |◎|◎ /)|
   |o | r ヽ、_人 // O|      河川の規模、周囲の地形。
   || ヽ\____フ  |       OK!水力発電にはうってつけの土地だ!
   | O|O \  凵 凵 0 |    /) ともすれば、世界屈指の水力発電所が
   |0 |  0 \⌒⌒V O|  /っ) 作れるかもしれない・・・
   /T | o 0  `ー_´o |//
   |_」|/| ̄ ̄ ̄▽▼▽ ̄ ̄|      まさにアメリカン・ドリーム!
   | | |__|___ ■___|      水力発電専門家としての血が滾ってきたwwwwwww
  || | =|====▼===|
アメリカ人技術者
    ヒュー・リンカーン・クーパー


建設計画の監督責任者にはテネシー河流域ダムを建設したアメリカ人技師クーパーが招待された。
これに並行してドニエプルダムからの電力供給により稼働する新たな工業都市の建設も進められた。
ザポロージェとドニエプロペトロフシクの二大都市である。

946◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:15:54 ID:QaonVuSQ0


既存都市も五ヵ年計画の情熱から外れることは許されなかった。
新たに導入された建築技術を用いて、モスクワ・レニングラード・ハリコフ・バクー・ゴーリキーなどの都市が
大々的に改造されることとなった。


--、      |     <             =…トゥルクシプ鉄道
  )      `ヽ、  /´
_/´          ̄

          /》、
      γへ `ヽソ
___≡¨`>`弋丿
 #─-γ´●レニングラード       ゴーリキー
/´  θ                    ●                           ノヴォシヴィルスク
..≧                                                       ▲
冫            ●モスクワ                                     ヽヽ
                                                          ヽヽ
                                                           │|
                                                           │|
             ハリコフ                                      セミパラチンスク
                ●                                          ▲
         ドニエプロペトロフスク                                     │|
               ●                   _                        │|
          ザポロージェ                ./ 冫                       │|
              ●                 /´   `ゝ                     │|
                  γヽ、         /´   / ̄´                      ././
          _    / ̄´《 ̄         / カスピ海                       │|
         /´ ミ  《_ _ノ´          \    \                      ▲
        厂゚  <、〆 ̄ ̄\_           ヘ、    ヽ                  アルアマタ
      /      "      ~\_         ~\   `》
      |      黒海         弋         ●て_/
      |                  丿       バクー


これら以外に、中央アジアの資源地帯と産業地帯を結ぶ総延長1500キロに及ぶトゥルクシプ鉄道の建設、
さらにウラル地方・ドンバス・クズバズなどの鉄道の電化や線路の大改修も行われた。

947◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:17:03 ID:QaonVuSQ0


そして五ヵ年計画にはウラル以東のシベリアの無人地帯に都市を拡大する計画も含まれていた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               ______;::;;::::;::;;::::; ;;;:::: ::; ;;;:::: ::
          :: ::;;;::;;::::;::: ::;;;::;;::::;::: :: ;::; :: ::: ::;;;::;;: : ::;|. 開拓中    .|;::;;::;::;;::::; ;;;:::: ::::; ;;;:::: ::
::: ::    ミ    ::: ::;;;::;;::::;  /⌒ヽ::: ::;;;::;;::::;::: ::;;;:: : |.....@シベリア |::::::;::;;::::; ;;;:::: :::: ::;;;::;;::::;
  ∧∧.   /ヽ       ⊂ニニニ⊃       |______|::: ::;;;::;;::::;;::;;::::; ;;;:::: ::
  (,,゚Д゚) /         (; ´∀`)  /´⌒`ヽ   ヽ( ´ー)/ ::: ::;;;::;;::::;::: ::;;;::;;::::;
:::::::/つ つ:::::::::::::: ::::∧∧:::::::::(  つ━=| ̄ ̄ ̄ ̄フ:::::::::( )::: ::;;;::;;::::;::: ::;;;::;;::::;::: ::;;;::;;::::;
~( _) _):::,,: ;;; ;;:: ::::(・д・)::::::::::|_|_|_|_|_|:::::::\  / ̄:::::::::/ >:::,,: ;;; ;;:: ::; ;;;;::::::,,: ;;; ;;:: ::; ;;;;:::
::::(/:∪;:: ::; ;;;;:::;;;■人_)~:::::(__)_):::::::::::◎;:::: ::;;;::;::三三:::,,: ;;; ;;:: ::; ;;;;::::::,,: ;;; ;;:: ::; ;;;;:::
:::三三:::; ;;;;:`゛ー´゛三三:::; ;;;:三三三:::; ;;;:::三三三:: ;;;::三三:::; ;;;:::: ::;;;::;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;:
三三:::; ;;;:::: ::;;;::;;:三三:::; ;;三三三:::; ;;;:::: :三三:::; ;;;:::: ::;;;::;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;:
:;;;;::: :: :::::,,: ;;; ;;:: ::; ;;;;::::::; ;;;:::: ::;;;::;;:;;:;;;;:: :;;; ;::;;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;::::; ;;;:::: ::;;;::;;:;:;;


これは、戦争になった場合、資源・工業地帯であるウクライナが戦火に包まれる可能性が高いため、
あらたな工業地帯をウラル山脈以東に建設する安保上の必要性にかられていたからでもある。

949◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:18:06 ID:QaonVuSQ0


ウラル地方の鉄鋼業を復活させ、それら原材料の供給をうける複合工業体をシベリア各地に建設することも決定された。

          /》、
      γへ `ヽソ
___≡¨`>`弋丿
 #─-γ´●ペトログラード
/´  θ
..≧                                                      / ̄ヽ
冫            ●モスクワ                   【シベリア開拓中】     〔==±=〕
                                                      (( ( ・ω・) ))
                                                      (( (o┳o ))
                                                  ガガガ (( し[圓] ))
                                            / ̄ヽ  ⌒Y⌒Y⌒ ┻┻
                                           〔=±==〕
                                          (( (・ω・ ) ))
                                          (( o┳o) ))
                                          (( [圓]J )) ガガガ
                                          ::::┻┻::::::
        ●キエフ                      _
                                 ./ 冫
                                /´   `ゝ
                  γヽ、         /´   / ̄´
          _    / ̄´《 ̄         / カスピ海
         /´ ミ  《_ _ノ´          \    \
        厂゚  <、〆 ̄ ̄\_           ヘ、    ヽ
      /      "      ~\_         ~\   `》
      |      黒海         弋          ̄て_/
      |                  丿

ウクライナのクリヴォイ・ロク鉄鋼複合体には2000キロも彼方のクズネツク盆地から原材料を供給することになったし、
ウラルのスヴェルドロフスクにも大規模な機械工場が建設されることとなった。

950◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:19:41 ID:QaonVuSQ0


これらの他にも、ソ連全土で無数の新工場建設計画が立てられていたのである。


                   _ ,─、
                  ∠二─ ̄二\
                 /rnv   <_ |
               _/`┌       |_
               <| / /      l  /| | |>
             / /──_-┤ | | ̄     これで我がソ連は
            / / ┌─    | | |       後進的農業国から
            / |\l    ̄─ | | |       西欧列強に並ぶ
            |  |二二─_ |   |       工業強国に生まれ
            |      ─_/    |       変わるんじゃよー!!
            |            |
             |           |


それらすべてが1934年までに達成されると予定されていた。
このようなむちゃくちゃで無謀で性急な工業化はしかし、
ありあまる情熱と信仰によって問答無用で推し進められていく。

952◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:21:42 ID:QaonVuSQ0


そして、経済の五ヵ年計画が掲げる社会主義建設は、単なる工業化に限定されていなかった。


   ,.⌒ヽ     γ⌒ ヽ
  〈 ●ノ\    人. ● ;∩_
    ヽ彡'  ヽ /  ヾ__ノ〈〈〈 ヽ
    )    Y    (  〈⊃  }
   /γ⌒     ⌒ヽ\ |  .|   我々は工場を作るだけでなく、
  /  |         |  ヽ  |   そこで働く人々をも「創造」しなければならない!
  |   ヽ__人__ノ   |  |   我々の工場から資本主義を追放し
  \   |rー┬ー-|   /  /   社会主義を達成するのだ!
  /__` ー―ー'´     /
 i     ヽ         /
 i――――’         i



思想・文化にいたるあらゆる社会の側面において資本主義の残滓を駆逐し、
完全な社会主義的価値観に基づく社会を建設しようとしていたのである。


              ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ ))
            ((〈● ノ\   /\ ●〉
               ヽ彡'  ヽ /    ヾ_ノ
                 )    Y     (
              /γ⌒       ⌒ヽ \              我々は、
           ((  |  |         |.   |              工業にとどまらず
         ((   ヽ ヽ__人__ノ  ノ              社会のあらゆる階層で
               \   `ー'´    /               革命を達成せねばならない!
             __/ニヘ       ' 「L__
        __,,,,==ニニ三三ヘ.      ||三ニ==、__
     /三三三三三rイ◯三ニ|   \__,/ |三三三三ニ==、      つまりこれは、
     _|三三三ニ/  `ーイニ三;;| ./三\ |三三三三三三;\     文化大革命なのである!!
    _|三三三=广 \. `i,j! }ニ;|  \三/ :|三三三三三三三|
     |三三三iく  \  { /三=|  :|三|  |三三○三三三三;|     あらゆる反ソ的なものを追放せよ!!
   __/三三三|| \_}ー^三三三|  |三;| |三三三三三三三;;|
 /三三三三;|\__,リ三三三ニ|  :|三;;| :|三三三三三三三;;;|
 |三三三三三|   /三三三ニ=;|  |三ニ|:|三三三三三三三ニ;|
 |三三三三三`==='三三三三三ニ| |三三||三三三三三三三三|
 |三三三三三三三三三三三三三V三三三三三三三三三三三||

953◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:22:53 ID:QaonVuSQ0


        ,. -- 、、    __
      /, .:'"⌒ヾーァty'´::`ヽ
   -‐ァ'/::::::::::,ィ:、:Y;.::|;、:::::::::::',、
   /' /::::::::::/ ̄`リ::/`''i::::::::::l ヽ
  ,イ ,ィi:.:.:.:.:./_     l:ノ   !::::::::::l ハ
z彡ィ'/ !  /、`ヽ /,..-―|::.:.:.:.::!  |       逮捕者のリストアップを進めろ。
 イ/ ,j|:.:.:.ィ;ミiヽ`//.:,==l: :.: .:!.  ':、
 /l ,イ,'::::/ ̄´/ ,'   、fti   /// r\     富農・ネップマンに限らず
 ´レイlノ:::/     ;.:.   `7:.:.:.:/,'./イ :.  ヽ    ブルジョワ的経歴を持つ技術者・専門家・管理職、
  彳lメ:ノ     丿:  /:::::::イ//彡| ∧      帝政時代の大学を卒業した各種知識人、
 /l/イト、 ヽ――- 、_ /:::/l// /イル'!ヾ:.     五ヵ年計画に批判的な文学者、
△イ「l/リl>、 `` ニニ ‐ シ//,イイハ从 | リ     農村地方で働く出自不明瞭な教師、
  ▽ /ル'|i\ ゙"゙ /:/,.ィfテ八l>/レヘ !       エトセトラエトセトラ・・・
    ▽ リ| ` ―△'´/|▽    ▽
     _/    '´_∠ ┴z_    '′      ともかく「全員」だ。全員逮捕しろ。
    /く彡'´Lr‐ '´ __,、   人           我々の楽園に相応しくない異端者は
  ,-‐{/|   /_,. - '´  ,. -'´:.:.:ゝ、         全員駆逐するのだ。
. | // / ,'_,. -彡'":.:.:.:.:/:.:.:.:` ̄`` 丶 、
. リ ,' /i  !::::, -'´:.:.:.:.:.:./、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.,. -‐ヽ
. / / ,/::| ,l/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:`>‐ '"´:.:.:.:.:.:.'、
/  ,'/::::l/:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:, - '´:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
OGPU長官 ヴァチェスラフ・メンジンスキー



  ,,,,,,,,,
 [,,|,,★,|]
. ( ゚∋゚)     承知しました。
,lニゝ::;ハ;;>コ    摘発を進めます同志メンジンスキー。
l:::::!f::::::::i::!
l :::'、::::::::|:l
ゝ:::/ミ :::::!'
..l:`|::::::::::::|
ノ::::|::::::::_;::l

955◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:24:01 ID:QaonVuSQ0


ブルジョワ的「異端の経歴」を持つ技術者や監督者が片っ端から役職をはく奪され、生産現場から追放された。
資本主義残滓を駆逐するため、私的商人や闇市場も一掃されていった。



  ∧_∧       ∧_∧   ∧_∧   ∧_∧
 ( ´∀`)      (・∀・ :) (・∀・ :)  (´∀` )
 (つ ★ つ ―――⊂-⊂―)-⊂-⊂―)―⊂ ★ ⊂)
  |OGPU |       | | |   | | |   |OGPU |
 (__)_)     (_(__)  (_(__)  (_(__)

956◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:25:11 ID:QaonVuSQ0


それだけではなかった。逮捕の手は知識人階級にも伸びる。
大学教員や文学者などの多くが帝政時代のインテリであり、ブルジョワ的経歴をもっていた。


          | |\                /| |
          | |::.::.\             /.::.::| |
          | |:::.::.:.:.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.|                |.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.| ,,,,,,,,,,,      ,,,,,,,,,,, |.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.l[,|,,,★,,|]   [,|,,,★,,|]|.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.|,, ´∀`)  (・∀・ ,,).:.:.::.:::| |   おめでとう!
          | |:::.::.:⊂<∨> つ   (<∨> つ....::.:::| |   あなたも逮捕者リストに当選しました!
          | |:::.::.:.:.| ヽノ____Y  人|.:.:.::.:::| |
_____| |:::.::.:.:.|,_,)       (__),_|.:.:.::.:::| |_____
          |_|,.. '"              "'  .,|_|

                   ∧_∧
                   (´∀`;)    え?俺も?
                 _| ̄ ̄||_)_
               /旦|――||// /|
               | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |
               |_____|三|/

彼らは真のソヴィエト社会における知識人としてふさわしくないと断定され、
「矯正」の対象とされたのである。

957◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:26:11 ID:QaonVuSQ0


                            スターリン
1928年から徐々に始まった新たな階級闘争、「第 二 革命」は、今や本格的に燃え上がり始めていた。
指導部は人民の憎悪と熱狂をあらゆる手段で煽り立て、
膨大なアドレナリンの濁流に身を任せて社会主義建設へと闇雲に突進していた。


        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\       速度を緩めることは立ち遅れることを意味するお!!
     /    (__人__)   \      立ち遅れれば我々は打倒される!!
      |       |::::::|     |      我々は打倒されたくはない!!
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i    _             _
   /          ヽ !l ヽi   | l [l] | ̄| /l    | |
   (   丶- 、       しE |そ  | 二l  ̄/ [][]∧.|_|
    `ー、_ノ      ∑ l、E ノ < |__|  | ̄/ <_/ <>
               レY^V^ヽl       ̄


                       ._-───-、
.                     /:::::::ト、i\/\::::\
                    {ヾ/>v、/:::::::::\r‐
                      .〉  { 0}::::|//::::::::::::     「滅茶苦茶」?「行き過ぎ」?
                      ゝ   ,=}==、:::::::::::::::::     そんな言葉には耳を貸すな!
                   ./  `ーァ‐':::::::::::/|::     そんなことをいう奴らは
                     |  r‐  }::::::;:<\ j:::      ブルジョワの味方だ!
.            _r──、   \ゝ-< ̄\__>:::::     イギリスやフランスのスパイだ!
           │ ─i⌒ヽ    \   ( ̄::::::::::/:
           │ ─|_ハ    /  ̄ニ二 ̄:::::::::     俺達は正しい!必ず勝利する!
           │ ─、i   .}   / |     {::::::::::::::     ボリシェヴィキに不可能なことなんざねえ!!
              \ ー'   /\/  |     ヽ:::::::::::
             ヽ-<      |      ヽ:::::::
            政治局員候補・やる夫の忠臣
               ラーザリ・カガノーヴィチ


人類未踏の社会主義を達成するという崇高な使命と
そのための闘争という甘美な響きに、指導部自身が一種のトランス状態にあった。

958◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:27:22 ID:QaonVuSQ0


そして何万人という若き共産主義者たちがその理想を共有していたのである。

この大革命をつき動かしていたのは大半が30代の若者であり、
彼らの多くが疲れ知らず情け知らずの非人道的な鉄人だった。


.    >‐ 斗 ¨: : / /: :{:     \<ミt
  /  //: : γ¨7,//: : :.:Y⌒\  ‘,: :`寸            経済の五ヵ年計画は
 /   / /: : : : /`ー´//: : __ :.{.    \ ‘,: : __\           無条件で達成可能だ。
./   | |: : : ノ   〈〈 -‐ `: ゝ._tァ__ゞ='-' };} .)          なぜなら、ボリシェヴィキの手にかかれば
    | |: :Y´ ̄Y、 } }__   , ィ ,,   >'¨¨≧ェ__        あらゆることが達成可能だからだ!
.    Ⅵ {   } }γ´   \/ |' .{.    ,γ´   , \
\    Ⅵ ゞニ彡'::{   ij    ̄¨¨^ ─Y_.」_ヽ / ィ }           /ヽ
、__}   ‘,',l    !:::!                ¨ ‐- 、′      /   }
」-'¨\  \\__/  \_〟-‐       `ー‐- _   ノ    / ̄〉'_>´ ̄У ̄\
    \  \\         _         / ̄_ ェェ/_/       {_   〉
.       \  \\  \ \ゝ_ 三二≡=-─ ´仁}三三三三三三三≧ェ.    ̄¨ヽ



/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:./ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヘヽ:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. !:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:!-‐ '、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ¨ヽ:.:.:トヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. ';.:.:.:!:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l´';.:!   ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ  \!  ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
 |:.:/!∧:.:.:.:.:.:.:.| ';|.=== \:.ト、:.:.:.:.:.:.:ヘ―-   ヾ、:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.
 l:/ ハ:.:.';.:.:.:.:.:.:.',   {:h::: ト ヾ、`ヽ、:.:.:.:.!三三ミ  |:.:.:.:.:/、:.:.:.:.:.     そうとも。
 /  ';.:.:ト、:.:.:.:',ヘ  |V:::r}      \:.|トハ:::r }  /:.:.:, '‐、 Y:.:/
.     ';:.| \:.:',ヾ、 ゝ‐'  ′     ヾ∨こソ /:.:/}  /:.:.{     ボリシェヴィキに陥落させられない
      リ  ヽヽヘ ヽ```  丶      ' ' '   // ノ  ,イ:ハ!     要塞なんてない。
        `| ``                 ´ /ー- ':.:/リ
          ヽ、     -―‐‐'        /:.:.〃:/         俺達は労働者の前衛として、
          ';.:i_丶、          _ ... ∠:.:.:_/i/          歴史を前進させる義務を負ってるのさ。
      r '' ¨ ̄ ` ヽ:.:` t- ...__-,, -‐ ¨       ¨ヽ
      l  `ヽ    ヽ-‐ ''て(              {
      レニングラード責任者・若手幹部
                    セルゲイ・キーロフ


このサイボーグたちにとって、人命の損耗は単なる統計数字の問題でしかなかった。
ソヴィエト国家を救い、人民を社会主義へと「進歩」させるという傲慢な使命の前では、
自身の命さえ塵芥に等しかったからである。

959◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:29:09 ID:QaonVuSQ0


彼らまったく新しい価値観を持った、まったく新しい人類だった。
そして、ボリシェヴィキもまた、歴史に類例を見ないまったく新しい「宗教」であった。



                         ______
               r-‐=ニ二三三三三三三三三{
               |       zキz      ̄ ̄ ̄|
               |         zキz           |
               |        zキz CAPITAL  |
               |          zキz   _レjf´}!  |
               |        zキ_レjf´}!      |
               |      _レjf´}! __     |
               |    _レjf´}ハ  〈 (・) 〉     |
               |_ }レjf´}!   弌___´ ̄`      |
               |フ{´        弌__       xく|
               |             弌__  xく   |
               |           弌xく    |
               |_________xく       |
                            ̄ ̄ ̄ ̄

この宗教はマルクスの資本論を「預言書」とし、そこに記された「約束の地」を信じ切っていた。
その教義は滅びゆく資本主義から人類を救い、歴史を進歩させるためにあらゆる犠牲を払ってでも
社会主義を建設することを要求していたのである。

9628月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:30:39 ID:LFdPwJWU0
この資本論人の革で装丁されてそうなんすけどwww

961◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:30:24 ID:QaonVuSQ0


このボリシェヴィキ・カルトの熱狂さを、当時の多くの人々が証言として残している。


                             ,,,..---、
                        ,,ィニニヽ彡彡彡彡ミニ三ミ、
                      ,ィミシ彡ミミ、゙彡彡彡三ミ、彡イ三;ヽ
                     {彡y彡彡y彡ミ 彡彡三三彡Y彡三ミ}
                     {ツ彡シィイイ彡ミ 彡三ミミシシヾミ三シ
                     (彡彡イ/////ノ〃〃ハ;ヾヾミ三彡Y 三)
                     {彡y///イ/     ミヾヾミ三彡Yシイ
                      Y((( /       `ミミ三三彡イミ、
                       !、,,,_     _,,,..---   ゙ミ,ィイi }ミ三;シ
                        }T゙'tゝ .:´ ィ弋カ'-    Y/5 /i川イ
                       !  ̄ .i :.   ̄ ...    ーノミト、シ
                       ',:.:. ,' ::.    .:.:.:.:    iイミ三ソ
                       ',  ヽ ー        !::ミミ三リ
                        ヽ. ゙'三‐‐‐'`     ノ :::iーーー'
                         `、      , '  : :',
                           ` ー-┬‐ '     : :ヽ
                                |        : : \
                            ___....l:: ::  __ , ---.ヽ
                    ソ連の作家 ナジェージダ・マンデリシタム

                                  ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                                                                    ┃


               この宗教は―――信奉者たちは謙虚にも「科学」と称していたが、
        キリスト教のように勝利をおさめ、今後数千年は続くと20年代には多くの人々が信じていた。

       来世の救いでは無く、地上の天国を約束するこの新しい信仰の優越性を、誰もが認めていた。


    ┃
    ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────

963◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:32:16 ID:QaonVuSQ0


彼らは、自分達を人類の進歩の為に闘う選ばれた崇高な戦士だと信じ切っていた。
そしてその信仰は、個人的なものに関してもしばしば狂気の域に達した。

たとえばこの人物はその典型である。


                   i\
                    l::::::\
                l::::::::::::ゝ-‐‐''''''''‐‐-、_
                l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙'‐、. r;
          r-------'::::::::::::::;ィ::;r、:::::::r、:::::::r、::::::゙´L__
           \::::::::::::::::::;/レ' レ' ヽ;;/ \/ ';::::::::::r‐'゙
            \::::::::::/_,,----、     ,,----、';::::::::i
             ,‐'゙''、/´       ゙、 /     ゙'、:::;;;i_
      r''‐,  ,,..,, f r'、i        i,'       ゙',,-i ゙r'''''i ,ィ´゙',
   r‐‐,. ト、_,).ヘ  ii i l   <●>  ll  <●>  l l (__ノl ゝ、,イ .,r‐、
    i、  i, i  Li 'i''゙ '、 ゝi        ,ハ        // / l ゙U゙ ィ_/i. /
    f‐'゙ `    l )) ヽ_,,'、-、____,,-t-‘-’t、_.  _,,/_,,/ l      `i´   ))
(( r''''´ ,   ___ ', _,,,,,,,_  \,    '、____,ノ ` ̄ノ:;ニr--、_ ノ      ´``',
  ノ )‐'     `゙'´   ))) _,>i‐-、______,,,.-ィ<、 レ.(_,,,_  ゙   ゙',  `゙'i、 ゙ァ
 ゝ‐'゙'、   {    / ̄  /:::::::::ゝ`'''i::::i'´:;ノ:::::::::゙'‐,   ヽ,    ノ    / `"
  ((  ゝ、_ィゝ--,ィ´   r'゙::::::::::::::::::`゙''l::::l'´:::::::::::::::::::::ヽ,(( `ゝi''´゙'ーt-´ ノノ
                   レフ・メフリス

965◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:33:42 ID:QaonVuSQ0


メフリスはかつてやる夫の個人秘書として働き、プラウダの編集員となった。
後に「人食い鮫」と知られることになる彼はユダヤ人の狂信的ボリシェヴィキ党員であった。


              ,,,,vzzgggzzzza、、
   k、        ,yiill|||||||||||||||||||||||lliibn、
   |||in、,,    ,rl|||||||||||||||||||||||||||||||||||||lin、   ,i|
   1||||||llihgs、,d|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||lhr,di!
   ゙'!l||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||iggァ
    >|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||<
   /|||||||||||||||||||!'゙"!||!"^゙!|||||!'"^゙゚!|||!'^ヤ|||!!!||||||||||ii
  ,ィ|||||||||||||||||!'"  ゙"   ゙'i!/   ゙'''  "''^ ヤ|||||||||i
  <llllll||||||||||||||!,ィ''''゚゚゚゙゙゙゙゙'''ー、、   ,,ィ''゚゚゚゙゙゙゙゙゙゙'''ー、 ゙'!llllllllli     俺はこれから
   `゙`''=!!|!!||!'/        `i、,/          `'!!||||||!
      / ゙Y    ,,,、、、    Y   ,,、、、、    ゙;レ'`ャ、    人類の進歩と未来のために、
     /r⌒|   < ●,,>  │  <、● ,>   レ、、 )
     (.(  ゙!    `゙゙"´   ,l、   `゙´    ノ  ) ,)    ボリシェヴィキ的な新しい人間を
     \\\        人           ノ´ ノ ノ
       \\`ャ、   ,,,,,,ノ´ `'っ、、   ,,,/レ=''´/     創造するぞ!
        \`'!、 `''''''゙゙´ ┌─┐ `゙゙'''''''''´ /   ノ
          `''\    │  │     ノ||iiiiii|||iin、
               `'、   └─┘  ,,ッ'''´ `'ヤll!''''''''''
             `ーェ、,,,,.   ,,,ュ''´    `"
                  |゙゙''''''゙゙゚|
              ,yiill||||lliiiiiiill||||lliin、
             ,,yiill|||||||||||||||||||||||||||||lliin、

息子レオニードが生まれると、喜び勇んで「ボリシェヴィキ日記」をつけ始める。
そこには狂信的な信仰が恥ずかしげもなくつづられていたのだった。

9668月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:34:27 ID:aA1VrQn20
どんな思想信仰信条でも、信じ込めば皆仲良く狂信者

967◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:34:49 ID:QaonVuSQ0


赤ん坊が入れられた乳母車のなかに、レーニンの肖像画を置いて誇らしげにこう書いている。


           /\
      ___/::::::::ヽ-‐ー‐- 、._,ィ
      ';::::::::::::::::::::::::;、;:へ、ヘ:::::::::フ
       ';:::::::::::∠レ´、  , -‐ 、';:::::',
       ';:::::::/    ヽ/    ヽr‐-、
       /'"7 <●> l <●> l  i      『赤ん坊はたびたび肖像画に目をやった!』
       ',  ヽ、 ___ノ ヽ、 __ノ  ノ _
        `‐-'´ヽ   ワ  _,-´-=ニ´  `ヽ
             >ー-‐''´   _ `‐、  `、
      r-┐    ノ ,、      ',  ) ノ   ',
     「 ̄└ー--‐'´ ノ ヽ       〉'´ /    ヽ
     `‐-‐- 、.__,ノ   ',-‐ー''"´7_,、'´      `‐、._
                l|      |
                人__    ,入
               /   `i__「  ヽ
              i  ,-'"´  ``‐、 `‐、._
     .............................._」 i´.........................`‐ 、  ヽ
  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ _,、-´::::::::::::::::::::::::::::::::::`‐-'´


生まれて間もない赤ん坊を、革命戦士として育てていたのである。
これが彼らの正気だった。

968◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:35:43 ID:QaonVuSQ0


文化革命は拡大した。
ロシア・プロレタリア作家協会が発足し、ブルジョワ的とされた作家たちに嫌がらせと圧力を強め、
作家活動を阻止しようと動き始めた。




                            ,,,,,,,,,,,
  __      /⌒)  ,,,,,,,,,,,,,,,        [|,,★,,|]       ,,,,,,,,,,,,,    __    __
 (━ ★ )  ⊆.==★|_ [,,|,,,★,,|]      O( ゚Д゚#)      [|,,★,,,|,,].  ( ★ ━) (00━ヽ
 ノル,,‘ヮ‘)  ルリ,, ゚ヮ゚) 从,*゚ー゚)       ゝ.~¶¶ ~)       (`c_,´ ,,)  (・∀・ ) (^ヮ^ゝ0)
. (” |::”)  (”::<iy>) (:”:::::”) .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. (“|:: “.). (“:|:::“:) ( 《iv》 `)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|                    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



イデオロギー闘争にまい進する彼ら自身の文学性は、しばしば劣悪であったという。

969◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:36:39 ID:QaonVuSQ0


ブルジョワ的経歴を持つ知識人が一掃される一方、
彼らに取って代わるべき、ソヴィエト社会に相応しい「赤色インテリゲンツィア」の育成が進められた。

ソ連各地の地方労働者が鉄道に乗せられ大量に都市部の大学や専門学校に送り込まれたのだった。

                   ';';,..
                    '';;';';;,.,
                      ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
          ザッ                ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                             vymyvwymyvymyvy     ザッ
                 ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
               __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ _/ヽ  /\___/ヽ
   /         .\/      /         \   /         \
.  |             |       |           |  |           |
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   \           /\      \         /   \         /
   /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-.  /`ー‐--‐‐―´\   /`ー‐--‐‐―´\

970◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:37:43 ID:QaonVuSQ0


教養も何もない彼らは、そこで新生ソ連の「正しい」知識階級となるために、
即製の専門知識や技術と党への忠誠を叩き込まれ、各地の工場や炭鉱などの生産現場に送り込まれた。


━━━━━━━━━━━━━

   やる夫スレの作り方
    ・エロで釣る
    ・萌えで釣る
    ・ホモで釣る
    ・ジョジョネタで釣る
  ____
 ⅲ■∧  /
━ミ,, ゚Д゚ミ/━━━━━ ∧ ∧      ∧ ∧
   ミ  つ  ▽      (゚Д゚;)      (゚Д゚;)   <適当すぎるぞゴルァ!
   ミ   ミ  ┌─┐   /⊂  ヽ     /⊂  ヽ
 ~ミ   ミ  |□ |  √ ̄ (___ノ~ √ ̄ (___ノ~
   ∪∪  |  |  ||   ━┳┛  ||   ━┳┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |==============


あまりにも多くの労働者を教育する必要に直面したため、
高等工業学校の新設も進められその数は10倍にまで膨れ上がったという。

971◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:39:07 ID:QaonVuSQ0


さらに、真の社会主義社会に相応しい「新しい人類」を創造するために、
初等公教育の強力な推進が開始された。


          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
          || 造反有理  。    ∧_∧  いいですね。
          ||   革命無罪 \ (゚Д゚,,)
          ||________⊂⊂ |
  ∧ ∧    ∧ ∧    ∧ ∧    | ̄ ̄ ̄ ̄|
  (  ∧ ∧ (   ∧ ∧ (  ∧ ∧ |      |
~(_(  ∧ ∧ __(  ∧ ∧__(   ∧ ∧ ̄ ̄ ̄
  ~(_(  ∧ ∧_(  ∧ ∧_(   ∧ ∧  は~い、先生。
    ~(_(   ,,)~(_(   ,,)~(_(   ,,)
      ~(___ノ  ~(___ノ   ~(___ノ


ソ連全土において普通初等教育制度が導入され、さらに文盲撲滅運動も開始された。

9728月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:39:40 ID:06RP3jdg0
己の正義と信仰を信じて疑わない人間こそが、
最も残忍な非道を、正義と神の名において行う・・・

ボリシェヴィキたちの精神構造が、やる夫獅子心王スレの十字軍に
ダブって見えてきた

9768月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:42:59 ID:4DddfzaE0
>>972
それこそJOJO第六部のプッチ神父だな
もっともどす黒い悪

9748月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:40:56 ID:LFdPwJWU0
曲がりなりにもこの強引な方法でソ連の識字率が飛躍的に改善したんだよね。

973◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:40:09 ID:QaonVuSQ0


教育はやる夫周辺のボリシェヴィキ幹部にとって盲目的な課題であった。

彼らの多くが、帝政時代の劣悪な教育制度によって満足な初等教育も受けられなかったため、
教育制度の整備にほとんど宗教的といってよい熱心さで取り組んでいたのである。


         / ̄ ̄\
        /   _ノ  \
        |    (⌒ )(⌒)
        |     (__人__)        そうか。
          |     ` ⌒´ノ         これからの子供たちは
        |         }         神学校の抑圧的な司祭達に
        ヽ     ヘミ|         監視されるような時代に
        /,` 、` -`,--` ,        生きずに済むわけだな。
  __,---/;;;;;`  `-,-/ニニ |
 /;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__     学校でマルクス主義が教えられるなんて、
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::|  |`l,::::ヽ    俺達がガキの頃には考えられなかっただろ。
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::|    いい時代になったもんだ。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'  `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く   ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
   やる夫の盟友・軍事人民委員(国防大臣)
        クリメント・ヴォロシーロフ



     ___
    / vvvvvvvヽ
   | |   ノ  ヽ|
   |__|    ^__^ ヽ           帝政時代は
   (d     ⊂⊃ ヽ          学校に通える人間なんて一握りだった。
   !       l   !          行けたとしても多くの人間が
   (\ ___ 3_./    /^.l     中退してったんだ。
  / ` ────'ヽ__ /)ヽ |
  /          ヽ   |  ノ     俺達のガキにはそんな思い
  | |   |/\/\/\|-─┘´      させたくねえもんな。
  | |   |.        |


特に農村地帯の後進性と閉鎖性の害毒から未来のソヴィエト社会を担う子供達を解放するために、
強制的な就学政策が開始された。
就学率は帝政時代の20%から100%近くにまで跳ね上がったとされる。

975◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:41:34 ID:QaonVuSQ0


これらの熱狂は、幹部たちの家庭も例外ではなかった。
彼らは政治上、仕事上の熱狂をそのまま家庭に持ち込んだのだ。



   \  /:\  /ヽ     /|
 !,:::::::..\|:::::::::..\|:::::::..\_/::,!
  !,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,!
  !,:::::::_;;;;;;___;;;;___;;;;;;:::::|      ステパン!!
   !,:::「 /._|乂X/ ヽ |::::|      なんだこのテストの点数は!?
   」:::| |  | ・ i f´./   | |::::j 、
  r⌒i  |   ̄| | /   /. |f┐|     お前はそれでも政治局員の息子か!?
  | f´'i  ヽ___|,,⊥__ノ j´`'/     ミコヤンの名に泥を塗るんじゃない!!
  ヽ/     `ー´   く/
 ∠_________二}
   ` 、_      _,,,一'′
       ̄ ̄ ̄ ̄
   政治局員 アナスタス・ミコヤン


ミコヤン家はアジアチックな仲良し家族だったが、それでも片時も政治局員としての自覚を忘れなかった。

977◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:43:04 ID:QaonVuSQ0


ミコヤン夫妻は激烈なボリシェヴィキだった。
夫は厳しく、息子を殴りつけながらボリシェヴィキとしての意識を叩き込んだ。



   /    ⌒ヽ   l、  /ヽ ,ィ:::ヽ  ,..ィ7  l ̄ ̄ ̄ ̄
 /___ |   l   |::::マイ::::::V::::::::::::V:::::::::しイ.|
  ̄      ',   V´ |:::::::::::::::__:::::::::::::::::::::::::::::::/ヽ
        '   ',  l::::::r‐'´ `V三Y´ Y:::::/
     _Y⌒ヽ   '.  .|:::::|ニ|  ・ Vニ O |`Y     お前なんか!!
   f´  ‘,   ',  l f⌒Y=ヘ    }ニ{  ノミ/j  
  f⌒ヽ   ヽr―… ) > ┴  ` -○ ‐ ' イ/     「ミコヤン」じゃない!!
   ヽ  \_人_,. / `丁「 ̄  ――rr‐- >
    ` ー'    /┼ヽ_」」 r~‐‐-、 |j        この僕こそ!!
     `'ー-r― '┼┼┼へ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ
.        ヽ┼┼┼┼┼ヘ `>---<_        「ミコヤン」なんだ!!
           \┼┼┼┼┼ イ┼┼\|そ


         __,,,_
      / ̄     ̄ ヽ
     /       .  ヽ
    .|  _))──'' )_.|
   (;| . | ' , 、  ,. ヽ| |
   ヽ;;|(| | |┬|   |┬|.| |
     ` .| | `'   ,`' | | . .
      |__|ヽ、  ¬  ノ_|
   .:. .    (''ヽ,┬ .′. ...: .
    ... ( ``.i i `.ヽ. .: .: ..
    .. : ..\ | | . :. i .. : .:.
    .. .. |.\.ノ  / |
    アシュケン・ミコヤン


妻のアシュケンも同じく、機械のように冷たいボリシェヴィキだった。
息子のステパン・ミコヤンは母について次のように語っている。


   、! ―――‐-、
   // ̄ ̄(K) ̄\
   | ∠二二二二二_\
  |/|┌―‐┐i─‐┐ノ
  ├‐|‐|  0├| 0  |     『母は時々わたしを抱きしめてくれたが、
  |B/└―‐┘)―‐┘     それはつい我を忘れてすることだった』
  └‐、  ____, |
     |\_\___ノ/
       ̄ ̄ ̄
   ステパン・ミコヤン

978◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:44:09 ID:QaonVuSQ0


ボリシェヴィキの幹部たちは子供たちに自分達よりも優秀なマルクス主義者になるよう要求した。

           ____
         /     \
        /  ::\:::/::  \       ヤコフ・・・
      /  .<●>::::::<●>  \      いったいこのテストの点数は
      |    (__人__)     |     なんなんだお・・・?
      \    ` ⌒´    /



       ____
     /     \
   /     u   .\
  / U         \
  |     (●) (●)   |
  \  (トェェェェェェェェイ)/
   やる夫の前妻との子供
    ヤコフ・ジュガシヴィリ

979◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:44:41 ID:QaonVuSQ0


      ____
    /:::::::::  u\
   /ノ└ \,三_ノ\   ,∩__     ワシリーもだお!!!
 /:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu
 |::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | |   |     書記長の息子たるものが、
 \:::::::::   ` ⌒´   ,/_ |   |     この程度の成績した収められないのかお!!
   ヽ           i    丿
  /(⌒)        / ̄ ̄´       お前たちはやる夫の息子なんだお!?
 / /       /           なのになんでこんなこともできないんだお!!!



    / ̄ ̄\
  / u ─'   \
  |    ( ◯)(◯)
  |       | |
  | U    __´___ノ
  |       ´}
  ヽ        }
   ヽ   u ノ
    /    く
    |     |
やる夫とナージャの子
 ワシリー・スターリン

980◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:45:50 ID:QaonVuSQ0


特にやる夫家ではそれが顕著であった。

      ____
     /:::\:::/::\
   / <●>::::::<●>\      まともなのはアルチョムだけだお!!
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\     お前たちのような馬鹿が息子だなんて、
  |     |!!il|!|!l|      |     やる夫は恥ずかしくて人民に顔向けできないお!!
  \     |ェェェェ|     /
  /           \




    / ̄ ̄\
  /  ─  ─\
  /   (●) (●)ヽ
 .|    (__人__) |
 .|  U   `⌒´  |
 ヽ   u     /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ
やる夫の養子
アルチョム・セルゲーエフ
          _______
        /          \                    ___
      __/             \                 _,. '´      ̄`、
    /                 |               /   u.      \
    |           i   (○)〉‐┐ .|
    l  lヽ     / | 、_     /              .|  (●)ililili (●) u, |
   /    ヽ\   ゝl   (○)〉/                、   トェェェェェェェイ    /
   |      \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  \               ,"ヽ、 ヽェェェェェ/  '´ `、
   |     |ヽ、二⌒)、          \            /               ゙ヽ、


息子たちは絶えず絶対的な権力の象徴であるやる夫からの
強烈なプレッシャーに晒され、コンプレックスを刺激され続けた。

9818月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:46:29 ID:4DddfzaE0
こういう時に「あんたに似たんだよ」とか言ったら殺されるんだろうなw

9828月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:46:49 ID:4hYLRqgI0
ヤコフは言わなくても・・・・

983◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:47:21 ID:QaonVuSQ0


さらに母ナージャはそれに負けず劣らずの人物であった。

夫と同じく強硬なボリシェヴィキとして育った彼女は、
積極的に子供の面倒を看ることも温かい愛情をかけることも無かった。


                /                      ヽ
                  /
              /                         i    -‐ ─ 、
                /       /    /ヾノヽ      ',     .| /       i
            i    {   |    l    i       |   i  .| /        ,'
            |    |   |    |    |    }   /  /        /
.              |      !   、|     {    }    ノ   /  ./|i       /
               \    _\  厶≠ミ ヽ_j { /厶=ミ、  /   /|l:、      /
           _ _ \ i ヽ; 〃ん::ハ ゛     ん::ハ ㌧ /ヽ |       /        どうしてじっとしていられないの!?
.     _    //     ヽ{厶 i {{ 弋::ソ       弋::ソ j} /ヤ/ j       /  ̄ ̄`ヽ
.    /   {  {     ./ \_} ゛ ー     '   ー '" ./ノ 广}     , //      |   どうして言うことをきかないの!!
    { {     \ \ _ _,ノ    八     r== ´ヘ ノ(  厶  /  \_  l/′     \
    \\    >  , -‐─- 、ゝ、.   {{ _ ソ ⌒ イ_ /_   _ /     //   ヽ どうしてこんな成績しか収められないの!!
     \  ̄ ̄   /     {   >  ¨¨´  イ ___/   l\.   /      /´    |
       \     /    r──┴ 、  \≧=≦/ ./   \ l  _ /       /      / l
       _`ー  j    .|      \  \  /  /    ー―く |      /      /  〉
      ≦_r''¨¨      .|       斥示ミV彡 .\  /      l、\、  /     /  |
         {         |      { {   }|{    入l   ―-  \__/      ./  /
           やる夫の妻 ナジェージダ・アリルーエワ(愛称:ナージャ)


彼女が息子たちに微笑みかけたことは、ほんの数える程度であったという。
個人の人格を認めないボリシェヴィキにおいて、家庭などというものはハナから存在しなかったのだ。

985◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:48:44 ID:QaonVuSQ0


やる夫はこう公言したことがある。


       ____
     /⌒  ー、\
   /( ●)  (●)\     『真のボリシェヴィキであるなら、
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\    家庭を持つことなどできないし持つべきでもない』
  |     |r┬-/ '    |
  \      `ー'´     /


親類相手でさえ、個人的な情愛を断つのがボリシェヴィキ幹部の理想であった。
(やる夫の場合は個人的な性格が原因と思われるが・・・)

9878月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:50:30 ID:4hYLRqgI0
ポル・ポトはあらゆる意味でこのやる夫に忠実だったわけだ

986◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:50:25 ID:QaonVuSQ0


新進気鋭の若手幹部であったキーロフはまさにこの理想に忠実で、
彼の姉妹は、自分の肉親がボリシェヴィキ党の絶大な権力グループの一員であることを
最後まで知らされなかったという。

                /:|  /.::::::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>
               ,イ:::l/..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄:.\
              /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
               \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
             _}ミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::: .\
            /.::‐--:;:::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\:、_::_ヽ、
             ./.::::::;::-イ:::/;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`lミ、
         _,'::/.:.;イ ∨.:: i/:::::::::::::::;':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;:::::::';/:::l::::';..:.`:..、
      ,ィ≦三/´.:.:.:{::∧ ヽ:/.::::::::;:::::::;':::::::::::::::l::::::::::::::::::;:::::::::::';::::/ハ:';::::i.:..:.:..:.:ヽ
    イ三二イ/!:.:..:.:.:.|:l::::ヽ〈 `ヽ:/l::::::;:::::::::::::::::|:::::::::::::::::::';:::::_:::/:::::::::';::::|.:..:.:.:.:.:人_
 イ三三ニイ'//∧:.:..:.:.l:|:::/.:::;'>―;'::::::;i::::`ー-: |l___ ,...i...イ.l::::::::::::::ハ:',.:..:.:.:/   >.、
三三/ '//////∧:::: ノノイ::::::li:::::::::;':';:::::|:';:::::::::::::::',ヽ:::::::::::::::::;:::::',|:::::::::::::l...:.ヽ〉.:/  .〃.:..:.:ハ
ニニ:'-..、 ヽ'/////,ヽ´:.:.:.Ⅳ::|.';::::: l....';::l|...ヽト、::::::::l..∨Ⅳ.:::::ハ:::::::::::::::::::;'..:..:..: /   /.:..:.:..:.:.:.∧
ニニ;'.:.:.:.ヘ  ヾ//////\.:.:..Ⅵ.:.';::ハ!..:..Ⅵ..:.: ヽ\::::';...';|:∨:::'....!:::::::::::::;:::|:..:..:../   /.:..:.:..:.:...::.:ハ
三;'.:.:.:.:.:ハ、 ヾ//////,\.:.`.:.:.Ⅵ,l.:.:.:.ヽ〉.:.:.:./|:.\〉.:.:.:.:.';:;'....|:::;:::::::ハ:!..:..:/   /.:..:.:..:.:..:.:..:.:..:.:
ヾ;i.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ\. ヾ'//////,ヽ.:.:.:.:.:.:`ト、     ヽ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|/|;イ/.:.:.l|:.:./  /.:.:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.
 .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ.:\ ヾ//////∧.:.:.:.:∧:.>:::::;::=_'´ ̄ ̄ ̄^∨:.:.:.:.:.:.:.: |:.:l  /{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,.イ:.:.:
 .|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.\\//////ヽ.:.:.:.:.> '´     ̄ `=ニミ ∨.:.:.:.:.:.:.:|:.:| /l:.|:.:.:.:.:.:.:.://:.:.:.


彼の姉妹は、キーロフの訃報が新聞に載った時はじめて
自分の家族がボリシェヴィキ幹部であることを知ったのだ。

988◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:51:12 ID:QaonVuSQ0


やる夫家の子供たちは多くの時間を使用人たちや乳母たちによって育てられた。



.    ,ィ^i^ト,、     .,ィ^i^ト,、   .,ィ^i^ト、 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ,'´:::::`ヾj.   .,'´:::: `ヾj   i⌒リ´`ヾj    ,ィ^i^i、 ::::::::::::::::::::゜:::::::::::::::
.  l:l:l::i: イ)))  l::::::: イ))) | ノ:: イ)))   ,'´~`ヾj
  ノノノリ(リ_ノ   l;;;;;;;.(リ_ノ  ノ人li;;;.(リ_ノ   /  .j )))  .........................
  (゙{Xl}(__).   (゙{Xl}(__)  '´ (゙{Xl}(__)つ/ // /,ノ
 ./´^`i,U、  ./´^`i,U、   /´^`i゙ヽ、ノノノノj{__)  ... .. .....
  `~゙i_j__)゙´   `~゙i_j__)゙´   `~゙i_j__)゙´ ゙0^0ン_) U  .........
  三三    三三      三三   三三三
 三三    三三      三三   三三三


両親からの有無を言わさぬ圧力とやる夫家の権威に逆らえない委縮した大人たちに囲まれては、
幼少期の人格形成に悪影響を及ぼさないというほうが無理な話であった。


           ____
          /ノ   ヽ、_\
        /( ○)}liil{(○)\
       /  (トェェェェェェェェイ)  \
       |   ヽ!!il|!|!l|!!ii|i/.   |
       \   ヽェェェェェ/   /
                                         / ̄ ̄\
                               .      / _ノ     \
                               .       (○)(○ )  u. |
                                       | |   u   |
                                      l __`___      |
                                      }vvvv}      |
                                      {`^^^´    u/
                               .         \.      /
                               .        ノ     \
                                    /´        ヽ


結局、ヤコフとワシリーは歪にねじまがった性格に育っていく・・・

990◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:52:19 ID:QaonVuSQ0


しかし、やる夫家において、唯一やる夫本人から本物の愛情を注がれて育った人物がいた。


      |┃三 ガラッ
      |┃  ____
      |┃/⌒  ⌒\
      |┃(●)  (●) \      ただいまー、だお!!
───|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
      |┃  |r┬-|     |⌒)   やる夫の可愛いスヴェトラーナたんはどこだお?
      |┃   `ー'ォ     //
      (⌒ヽ・    ・ ̄ /     パパが帰ってきたおー!
      |┃ノ       /

991◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:53:22 ID:QaonVuSQ0


それこそが、やる夫の愛娘、スヴェトラーナ・スターリナである。


      r 、.     ,、
      l ヽ,,, -ー -', l
      /  @ o  @ ヽ
     Y , ヘ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ
     l γ::..:::::..:::...ヘ、: : : ハ j
     `ノ :ノ...:ノ ノ  ヽ ::::::)
     リ::::::( ( ●) (●)::(
.     ハ::::ハ "  l マ i )     ぱーぱ!
       Y ヽ  ` イ' y
やる夫の娘 スヴェトラーナ・スターリナ



スヴェトラーナは1926年に生まれた。そばかすのある赤毛の女の子で、賢い子どもだったという。
やる夫はこの娘に際限の無い愛情を示した。


        ___
      /      \
   /          \      おーおー。
  /   ⌒   ⌒   \
  |  /// (__人__) ///   |    可愛いお利口さんだお!
. (⌒)              (⌒)    さ、やる夫にスヴェトラーナを
./ i\            /i ヽ   抱っこさせてくれお!



情け知らずの殺戮者、息子に対してさえ厳格な鉄のボリシェヴィキであったやる夫も
一人娘の前では人間味のある普通の父親になった。

992◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:54:09 ID:QaonVuSQ0


ただ、厳格な母ナージャはスヴェトラーナに対しても厳しかった。
ちょっとした粗相でも怒りだし、尻を叩くこともあったという。



                 .(/               ヽ__.  )_/
                 (./  ,    ./ミYミヽ     、   l ヽ
.               (/  ./   //::::::::::::::i      i   ヽ }
              ({  . i   i .!:::::::::::::::i .i     i   <.
                i   !l    ! i    .i /.    i   f .}
            .|   ヾ¨`メ、ム   /ム.=キ'"゙´ノ .,  <.   明日のナージャは
               .i川 > rラ.=゙、   ' ラ=ミ、、./  / <   }
                .ヽヽゞ `.ト(!)リ::::::::::::::ト(!)リ.’ヽ/ノ /<  ホラーアニメなんかじゃねぇ!!
                .ヽf  ヘ .:ゞ‐':::::,.::::::::::ゞ‐'::.   r⌒Y .,,..)
                  ヽ  t   r‐-= 、           /'´ ヽ
     ト-、          `‐ヽ、  Y´  }     ∧‐<    ゝ_
     |  ヽ/ ̄\.       >、ヽ._丿  ,. ィ´     ,,._ / ヽ/´⌒ヽ/´⌒ヽ/´⌒ヽ/´
   ._,.-l_  .i   /\、._, -‐-、  r‐ゝ-- ''"´|‐‐vn、_γ'´  K           |
 <´   t ヽ -イ.   ヽ r   /"´ i     .i    1/  j         /⌒\

       r 、.     ,、
       l ヽ,,, -ー -', l
       /  @ o  @ ヽ
      Y , ヘ^ ⌒ ^^⌒ヽ ヽ
      l γ::..:::::.u:...ヘ、: : : ハ j
      `ノ :ノ...:ノ ノ  ヽ ::::::)
      リ::::::( ( >) (く)::(   コワイヨー
.      ハ::::ハ  ,, r‐ァ j) )
        Y ヽu  ̄イ' y
        / 'ヘ   j ̄ヽ
       /、  ヾ /    ヘ


スヴェトラーナをとにかく甘やかすやる夫と、厳格な母ナージャは幾度も教育方針について言い争った。

9948月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:55:11 ID:LFdPwJWU0
その顔がホラーだよwww

9968月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:56:20 ID:aA1VrQn20
鏡見ろ鏡www

993◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:54:59 ID:QaonVuSQ0


   ――― クレムリン内のアパート


                               /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            /  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          /    | |          |||||||  |||||||
                          |    | |
                , ――――――┴――――――――――――――――――
              / .|
             /  .|     llllllllll          llllllllll
           /    .|    ______   ________
          /        |   |:::::::::::::::::... .. .i|   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|| Ц  γ |~ヽ
        /    /|  |   |:::::::::... ... . ' ..|   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||    |  |  |
       /    /:::: |  |   |::::... .. . ''    |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄||    |  |  |
     /    /...........|  |   |__..,        |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||    |_|_|
    /     , 1.|..,;;;, .,;;;,|  |   |;;.i|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄||
  /    /:::| | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; | ;;;;;;;;;||
  |.  ,,;   |......i| | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|| Ц  γ |~ヽ
  |  /|  .| . ...| | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||    |  |  |  ヾ;ゞ
ヽミゞ;;  |  .| . .| | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄||    |  |  ヾゞ:;ヾ
ミ ゞ;;ミゞ;;.. ;. |  ..| | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||    |_|_| ヾ;/ゞ
ゞソミゝミゞ;;ヾ;:;;: . | | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄||        ;ヾ ゞ;
ヾ;:;;:ヽミゞ;;ソゝミゞ;;. | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||      ヾ;;;ゞ ;;ゞ
ヾ;:;ミヽミゞ;;ヾ;:;   | |;;;| |;;;||  |   |;|::|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|| Ц   ヾ;;; ;;ゞゞ:;ヾ
;ゞゝヽミ;ソミゝミゞ;;,| | | ̄ ̄.|  |   |~''|      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||     ヾゞ:;ヾ ::ソゞ
ミゞ;;;:;ソソミヾ;:;;:   | | ̄ ̄.|  |   |~''|      |   || ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|| ゞ:;ヾ  ゞゞ:;ゞ:;ヾソ
iソ ヾ;: ;;:ヽ_;:ゞ   | |⌒l⌒|  |   | . |      |   ||;;;;;;;;; |;;;;;;;;; |;;;;;;;;; ||   ゞ:;ヾ;ヾ ゞゞ:;:ゞ;;

995◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:55:49 ID:QaonVuSQ0


                                     . /. . . . . . . ,' . . . . ./ ,' ; . . . . . .゙i . . . . . . .
                                     .,' . , . . . . ,,'. . . . .;.,'  i. ; . . . . . . .i. . . . . . .;
                                     .i ; ;. . . : . i; . . . . ;.i  i ;,,,_. . . . . ;j. . . . . . i .
                                     . ';',';. . .i: .;i. . . ._,ノi.l  ';:゙゙:~:''‐:、;;/. . . . . .ノ:.
                                       ゙';ミ、 .'、. '、. ~:   ''、  ','、 : : .;ソ. . . . . ,/::. .
            というわけでウチの旦那ったらとにかく     `、.、.:'、:i゙''          '  : : .ノ;.;: .
            娘を甘やかすのよ。                 `'゙-、;'i,              ';r‐< .
                                           ;.!゙i ===   ====t‐  r'゙' i .
            この前なんかワインを染みこませた           /..ゞ    ,,    . . .     _ノ .
            パンをあげようとしたんだから。           __ ,' . i、             ,、'.゙'、, . .
                                        ,/  !. ,,iツ'.-、,_  ,,_,,,  __,、-t:'゙:i:i:.:.:.:゙ミ;-
                                        'ミ‐‐;シ'l.i:.:.:.:.i.i`:.゙':':i゙:":´:  i:.:.:.i.i:.:.:.:.:..`
                                         ~~i:.:.:.:i.i:.:.:.:.!:゙y,;;,、!,    ,,!,,;;;,,!,!;;;;;;、

         __,,,_
      / ̄     ̄ ヽ
     /       .  ヽ
    .|  _))──'' )_.|
   (;| . | ' , 、  ,. ヽ| |
   ヽ;;|(| | |┬|   |┬|.| |      お互い家庭の問題では手を焼くものね。
     ` .| | `'   ,`' | | . .     私の家の子共たちも甘えたがりで困るの。
      |__|ヽ、  ¬  ノ_|       私は立派なボリシェヴィキとして育って欲しいのに、
   .:. .    (''ヽ,┬ .′. ...: .      勉強も心配だわ。
    ... ( ``.i i `.ヽ. .: .: ..      今度のテストで良い点を取れるかしら。
    .. : ..\ | | . :. i .. : .:.
    .. .. |.\.ノ  / |

                _, ―‐ -- ...、
             ,...:: __::::::::::::::::::::::::::ヽ
          _, ':::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::\
      ___.. イー―-- 、::::`ト;:::::\:::::::::::::::::::::::ヽ
     く _┌\\L\ 丶 li  ::::::l:::::::::::::::::::::::::ヽ
     ヽ :::::|l\|L\ ̄\  |l  :::::|::::::\:::::::::ヽ、:K';
      ヽ :::l| 「´  ヽ' ,  \ l| ::::ト ,::::::::::ヾ:::::::::::'::v〉
       i :::| l     !}  _/i!| ::::l 〃ヽ::::::::::`:::::: ;::、
       ! .::!|{_  , _|に,:rテ弐! ::::|  ス'/.. ,...:::::: ,::::::〉     ・・・・・・
        | :::ト;安ミ,  | "┴¨┤ :::i!  _.'::::::::::::::::ル'ィ´
         i ::|、 'k'rj   j    | ::::l! /`t、__:::;ィイ|::::f´
          |:| ::::. リ         | ::::|   l!:::::T:::::i::::::::::',
         |i: :::| ヽ. __   | .:::|  _fl::::::i:::::::!:::::::::',
        _i!  :::l _ヽ´ ̄   | :::ナ ̄ 弋ヨt::::::::l!::::::::',
    __--=ニ!  ::::|三ニ=ヽ、 /リ ::ソ  /ニ圦t::::::::i!i:::::::,
 <三三三三リ  ::::!ニ三ニニく l巧 .://ニ三.圷、:::::::::!il::::ヽ
     ̄  ̄=.ヲ  :::ナ‐ニ‐ニ二ハノ .::/-.ニ三三/  ̄` ー k:_::ヽ
        {i .:::/.ニ-ニ‐ニサ/.::/、ニ三三ニ/       ヽ:ヽ
          モロトフの妻 ポリーナ・モロトワ

997◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:56:59 ID:QaonVuSQ0


          , -―-..、_.. <:: ̄:: :: :: ― - ..、
       /::ミヽ,≠::ニミ:: :: :`丶:: :: :: :: :: :: :: :\
         i:⌒ヽ{ :: :: :: :: \:: :: :: \:: :: :: :: :: :: :: ヽ
        !:: :{iヽ}:i :: :: :: :: ::\:: :: :: :: :: ::、:: :: :: :: :: '.
       ハ:: :|i:i:ハi:i、:: :: :: :: :: \:: :: :: :: :: ー:: :ミ:: ハ        ・・・アシュケン。
      /:: }:: ヽ:/ ーヘ:: :: :: \:: :: \:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ::}        その子供たちのことだがな、
      .: :: { :: ::/     '. :: :: :: \:: :: :: ー:: :: ::_:: :: :ハ        どうにかならないのか。
   /:: :: :ハ:: 〈ヽ    \:: :: :: :: ::、::_:: :: :: :: :: ::`ヽ::}
  /:: :: :: /:: } : `トミ , -‐一 、:: :: :: :: :: :: `::<:: :: :: :: ::\       あのみすぼらしい身なり、
. .: :: :: :: ::/:: ::l:: :: ヒソ}  ≧弋斧ミ:: :: :: :: :: :: :: ::`ヽ:: :: :: :: ヽ      ほつれたツギハギだらけの
/:: :: :: :::/:: ::/:: :: :| ノ  ⌒ ーゝン\:: :: :: :: :: :: :: :: \ :: :: :: \    貧乏くさい服装、
: :: :: :: ::{:: :人:: :: く             ヽ:、ー ミ:: :: :: :: :: ::\:: :: :: :ハ   目も当てられたものではないぞ。
ヽ:: :: :: :`〈:: ::`:: :、:ヽ`t-..、_        }::∨¨ \:: :: :: :: :: :ヽ:: :: :: }
  \:: :: :: ::>_‐_ミ::_ヽ ニ´-,    イ .: ::}  //\:: :: :: :: :: }:: :: /   ミコヤン家の子供たるもの、
   \:://    _ , -‐< _/:: ,:' ///// ヽ:: :: :: /:: :: ′   まとな服くらい着せてやれ。
    イ/     /´ /   /ー::´:: //////////ハ:: ::/:://
  /ノ   ‐=ムイ  ィ´} !=J ̄ //////////// }::/´ ///
./ ´         /人.jノ ,. ´/////////////// /////
         /´ ̄ ̄ ̄ ̄/ヽ ̄ ̄///////////////////
       .. //////////////\////////////////////
―‐―< ./////////////////ヽ//////////////////


         __,,,_
      / ̄     ̄ ヽ
     /       .  ヽ
    .|  _))──'' )_.|
   (;| . | ' , 、  ,. ヽ| |
   ヽ;;|(| | |┬|   |┬|.| |      でも私たちの家には
     ` .| | `'   ,`' | | . .     男の子が5人もいるのよ?
      |__|ヽ、  ¬  ノ_|       それなのに夫の給料はすくないし、
   .:. .    (''ヽ,┬ .′. ...: .      とてもじゃないけど全員分の
    ... ( ``.i i `.ヽ. .: .: ..     服なんて新調してあげられないわ。
    .. : ..\ | | . :. i .. : .:.
    .. .. |.\.ノ  / |

998◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:58:21 ID:QaonVuSQ0


      /    /    /   / ハ }/ / ヽ、   ヽヽ.   丶、
     ′   .:/    /  ./ / / V //⌒ヽ   ヽヽ.   丶、
    .   ..:/    .:.:  .:/ /⌒`ヽV'"´ ̄ ̄`.    ヽヽ.    ヽ
    i   .:/   .:./  .:.:/ /           ',     ', ',     ',       それがどうした!
    l: .:.:/   .:./  .:.' .:.,′               ',     ', ',     }
    |: .:./   .:.:. ./ .::厶㍉、        . -‐ヘ::.:..   ', 、   ノ       いやしくも政治局員の妻であれば、
    |::./   .:/.:/  ./7≠rz、㍉、   , ィ行≠f代ハ::.:.:.  、 ` く
    }/.   .,:/  ./{ 辷弐x癶. ヽ} {′_、 辷弐シ,癶ヽ::.:. ヽ.  ヽ、      子供に恥ずかしい服装をさせることなど
.    /.:   /.:.:  ∠ム ^冖^´  ̄´  !    `^冖^´ 厶. \::.:.:. \  }
   /.:   /.::.: ./{::.::.::ト、       |        /、::.:ヽ、\::.:.:.: ヽく、     怠慢にほかならないだろう!
   ,′.  /.::. . ./.::.V⌒{ ハ. -‐‐、   |,       /  丶、::ヽ、ヽ::.:.:.: } }
、_」::.::.:.  {::.::. .:{::.::.::メ、´⌒).::.::.::/  ,ィ= 、     ,.イ     ` ー \丶、レ'__
   }::.:.::.:. ハ::.:/::厂´   7.::.::/、  i{、__ノ}  / / -‐、       ヽ:. \  /
    '、::.:.:.  V::.:.{ {廴 メ、,く`ー, `ァf;=<,く`Y/,ヘ. /         ヽ::.: ゙く
     ヽ、::.:. ヽ、\     \ `7 i ̄ 「¨¨¨´/ ハノ`ァ′         ',::.  }
     } ` ー- 、 ` ー─‐‐` L.」   i   / / { /           }::}:. ′
     |       ー‐- 、::.:. ..  `ヽ, {  / /  「        i7´  /.::l/


         __,,,_
      / ̄     ̄ ヽ
     /       .  ヽ
    .| U_))──'' )_.|
   (;| . | ' , 、U ,. ヽ| |
   ヽ;;|(| | |┬|   |┬|.| |
     ` .| | `'   ,`' | | . .
      |__|ヽu  ¬  ノ_|    ・・・・・・
   .:. .    (''ヽ,┬ .′. ...: .
    ... ( ``.i i `.ヽ. .: .: ..
    .. : ..\ | | . :. i .. : .:.
    .. .. |.\.ノ  / |

10008月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 21:59:15 ID:aA1VrQn20
国家について知りたけりゃ子どもを見ろ、だっけ?

999◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 21:59:04 ID:QaonVuSQ0


               . :: ´:: :/:: :: ::.::´:: :: :,:: }
           _ /:: :: :/:: :: :/:: :: :: :/}::ム-― 、
          . :: ´:: / :: :: /:: :: :/ :: ::_::/::::/:/:: ::_:: :: ::!
      /:: :: :/:: :: :/:: :: :/:: :: /  `ヽ/´/:: ::}:: :: |
      .: :: :: :/:: :: :/:: :: :/:: :: /ー 、   ⌒ヽ:: ::.|:: :: |
     /::/: ::/ :: :: ::/:: :: :: /:: :: ::イ≧x.   \     \:!:: :: !
.    /::/: ::/:: :: :: /:: :: :: /:: ::/ ゝ弋心ヽ  ヽ r≦ }:|:: :: :
   :' :/:: :/:: :: :: /:: :: :: / :: /             {ヒハヽ !:: :: ::.、
   {:/:: : {:: :: :: :{:: :: :: /:: :::ゝ::´ ̄ ̄ミヽ     〉`Y: |::、 :: ::ヽ
    〉:: :: i:: :: :: :!:: :: :,{、_:: -― ´ ノ::} __   }::|:: :ヽ:ヽ:: :〉    そもそも、
  /:: :: :: 、 :: :: ::、:: :{::ゝ‐ ミ     /: ノ `.こン´  /:: :: :: ∧::∨     来る完全な社会主義社会において
.  {:: :: :: :: :ヽ:: :: ::\ヽ:: :: :} ー≠ ´.、      /:: /:: :/:: :'. ::'.     専業主婦などというものは
  '. :: :: :: :: ::\:: :: ::`:ー=ミ    、> ..     /:: /:: :/:: :: ∧::ハ    唾棄すべき賤職以外のなにものでもない。
   '. :: :: :: :: :: ::\:: :: :: :: :: :: ::`:: .、 `¨¨ミー ′' :: ::':: :: :/ 〉:: }
    ヘ:: :: :: :: :: :: :\:: :: :: \:: :: :: :\   /:: ::/ ::/:: :: :/ /:: :ノ   これからは女性も
 ////\:: :: :: :: :: :: \:: :: :: \:: :: :: :\ ̄ヽ 、:: :: :: :: :: :′/:/    社会において責任ある地位を
//////// \:: :: :: :: :: :: \:: :: :: \:: :: :: \ / }:: :: :: /  /´      占めなければならないのだ。
///////////\:: :: :: :: :: ::.\:: :: :: ヽ:: :: :: :ヽ {― ´  ./
/////////////'>―-ミ:: :: ::ヽ:: :: :: :、:: :: :: :}〇ヽ _
/////////////////!八 \:: ハ :: :: :ハ:: :!::/      `ヽ‐ 、
///////////// イ /|//'\ ヽ::}:: :: :: :}:: }/        \ヽ
/////////////:: {//| ////>、}': :: :: /:: .′ ヽ  r―――‐ミ/〉、
///////////,.{ :: ::、/|///,r‐ ノ:: :: :: /:: /    \ ヽ      〉 )
/////////// 、:: :: :: ー― ::´:: :: :: ::/:: / 一⌒ヽ_ヽ_>    /`く/\
//////////// \:: :: :: :: :: :: :: :: /:/        ヘ r ´    >/ヽ

3◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:03:05 ID:QaonVuSQ0


ポリーナ・モロトワは野心的で傲慢な鉄のボリシェヴィキであった。
上司を蹴落としてソ連香水産業の元締めとなり、その尊大で厳格な態度はナージャにも大きな影響を及ぼす。


                        _,. -,.-‐z-、
                     ,.r::´:.:./:,.r:´::.:,イ,'-、
                  /::/::/:/:.:.,.<::::l',ィ i
              /r':::/:::/::,rr兮、  `'.、l.{、
                 /:::/,r'{::.(,-`、"  .ャf.〉iヽ}
              {::.//::.ィ.`ー.'.):ノ ._ , '.}:',`、ヽ   専業主婦など
              〉':/{:.:.l::.::.::.iヽ ´ 〈´./,.'::::::',j:ノ   女性の社会進出を阻み、
           ., -‐{::.`、:ゝ:、:ー-.`、,、 _/:::::::/)    男権支配に首を垂れる
        __ ノ-‐//`, ,、::.::.::.:`::..i、',  )//     奴隷と同じだ!
     ../´/////////////`ヽ、::.::.:.ヽ´―-‐、-、
      .i////////////////!  `):.:.ノ、_, >、 ,-.);',
      .レ⌒ヽ//////////,{::`-'´_/‐"='ー'、'ー'.、
   .//////}'//////,、/// ̄/( @===e. ', "'''ヽ
  //////,//////,/ ヽ////ゝ` ー - 、  .,' @-ハ



   /:l'゙   ,r'゙ . : ;' : : : ; ,'   i; : : : : i i ; : ::::::i.'、
  / !   /. : : : i : : : ; ;i   、,_!l ; : : :,' l l; : : :,'::::゙;、
  '、 ゙、  ! : : : '; i ; : : ;_i!-'  ノブ''''''7'ナゥl: : ノ; ; ; ::',
   ',  ゙-;l : ; : : '; ';v‐'゙,,'_    r''フ''j=t:、ィノ/,':,': : :!
   ',   !、: ' ; ; : ;、)i゙l ,!;l'     l:r;'.;l:.} ゙' ゙: ゙_:': : :i
    i   ヾ、 ; ' 、;゙i  !l;.i:j     ,!,゙;;',ソ    '゙_,゙、 : :i--
  ,rー'、.  ノヾ>'‐;i゙', ゙‐'' ノ           '゙ ,!: : !
.,/   `‐、 ,/゙  |'、i '    __   U    ,、、-;' : : :',
゙      ゙>   /;,r゙':、    `~      /゙;:;: : ゙、: : : ゙    ・・・・・・
      ,r(,_,,ノ/: : : i゙'‐、_      ,、- ,'::;:i:;: : :`:、':,、
    / `''''ブ:/: ;、、 ':::::::i.,`'‐ッ:-:'':゙:  !::::;';:'、: : : :`:'
    ,r'_,ッッ'゙-‐-ッ'゙,;;,,`'-、'::i:::.._,i     i,、,'、::'、::. : : :
、 /゙´‐'゙´   /,,;;;;;;;;;;;;,,,~''rチv}_,,、-、 ,-'゙_,,>=-‐'''''‐
i゙'‐(      /,;;;;;;;;;;;;;;;;r'゙'=!'-{,)=ニ!ノ:、‐'゙,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


ボリシェヴィキ幹部の妻たちの多くは重要な役職を兼任しはじめていた。
クレムリン世間の風潮から、次第にナージャは専業主婦であることに肩身の狭さを感じていく。

4◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:03:43 ID:QaonVuSQ0


そして、自らの手で責任ある地位を獲得したいと思うようになったのであった。


    |/    _, -‐  ̄   ̄` ‐- 、
    |  ,. ' ´     ___      `ヽ、
    l/    ,. '´ ̄ /l l lヽ   ̄`ヽ、   \
  /     / /     f┴┴ヽ     \   ヽ
.., '     /   f     {    l   ',    ヽ  j
/     /    ',  、 l     }   j    l /
!     ,' l l    ヽ,-弋´    ーメ、ノ   i  l'´
',     l ヽ\./ィ''てテ`ー'  イミ、、ヽ / //
 \.  ', `,.=<  { !リl      {Yj}` /ィ/'"        やる夫!
   `ー-lゞf ‐、`  -‐-'   ヽ ヒタ. fノ´
     ', l  t  :::::::: /`ーr :::::: }|            わたし工業大学に行くわ!
     j `ー-‐、   i   ,'   / ',
 、_____ノ ,. ‐ 、,-l\  ヽ__,ノ _r‐'⌒l_ \  _,ノj      そこで勉強して、自分で働き口を
 \___, /  { ∧ ` ー-‐/´    lヽヽ、 ̄ ノ
 ヽ ̄´ {  /\ { ',   〈        } ! ー<-イ     見つけるの!
   ``ーl l  \!    /\    /  }   ノ
     ,l、l、  r三nコュ    |     !  t--‐'´
     ト f  ̄ゝ、Oノノ     l     !   >
     | ヽt  / トYィ′\   |   | / ノ

                                            ____
                                          /      \
                                        / ─    ─ \
                     だ、大学かお・・・.        / -=・=-   -=・=- \
                                       |      (__人__)  U  |
                                       \     ` ⌒´     /

5◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:04:15 ID:QaonVuSQ0


                                         ___
                                       /      \
               それはいいけど・・・.          /_ノ   ヽ_   \
               子供の世話は            /(●)  (● ) u. ヽ
               どうするんだお?            |   (__人__)        |
                                   \   `⌒ ´      /
                                      /            \


  , '     , '  f     |::::::::::::::::::l    ',   ヽ.  ,'
. /     ./    {.       {::::::::::::::::::j  ,  }    .! /
,'     ,' i    ヽ、,\-┘:::::::::::::::'-y、   i      |, '
!       , ! !   ./:::::::::ヽ、:::::::::::::_ノ__,ヽノ  丿 i !
t     | t ヽ、/:::::::::::::::::::::::::::::::::::rf:.:.:!ヾ:ヽ/ 丿ノ
. \    t. ゝ-v’:::::::{ i、リl:::::::::::::::::::|f_j|:::::::,'_ / ´        そんなの乳母さんや女中さんたちに
   ` ‐- !ゝf ‐、 ::::::::::::::::::::...  ヽ .::ヒタ:::::::fノ           任せておけばいいじゃない?
      ', l  }:::::..          ̄ ..:::|  ヾ、
       l ゝ、_`       ,-―,     :/    }.}   ヾ、    どうせ最近は子供の世話なんて
      ノ  _.  \       ̄    イ    ノノ   / l     ロクにしてないんだから。
 t ‐--‐'  / `/"ヽ` 、      _,-'⌒!`` =' '‐-‐'  l
  ` ‐-ッ' ./   {  .∧   ` ー ',-'     !`i ヽ     ノ

6◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:05:14 ID:QaonVuSQ0


やる夫は内心、ナージャが大学に行くことに否定的であった。

ボリシェヴィキが推進する第二革命においては、女性の教育に関して進歩的な政策が取られていた。
しかし、やる夫は個人的に妻には「普通の女」でいて欲しかったのである。


       /      _,. --──l___
      く   __,. - ' ´_,. -一 ' ´  ̄ ̄ ̄ ̄〉
      _ ヽ /_,. - '´,. -‐ァ' 7TT ー 、     /
    ヽ  ̄ >'´ , ィ´ !   l /∨|   lヽ_/
     〈 /  / l   l\l l  | l  l j i}ヽ
     /   ハ ヽミゝ ィテミヽ. _/,.L.// jノ }                  _,. っ
    /     j| Y⌒  {ヒソ   ィテ,//ノ  ノ           __,. -r'こ- '´
    `ーァ─/ 八__  ,,, ̄   {ソ/}|          _/ ̄ /'  __j、_}_〕    それじゃ!そういうことだから!
     {i<ヽ/ r‐ヘハ    r--ァ ''''/<}、_/ヽ _,... -ァZ二// |   L.. __ト-ノ
   .   `メ7⌒__ ミーへ、  ̄__,. <ニ'-‐ '7/_//  ̄//,>、_/   ̄      わたし勉強がんばるわね!
   ヽー'’ }  {  `>ー 、了__,イ ̄i}`//_// ̄//-‐'  ̄
    ` ー‐〈-1j __{ i 米i }-- }  》// -‐ 'T  ̄
  ィニ、 _/| { {__,. 弋__ン、ヽ j {Z´ ハ一'′
 |' / /i〉  ̄| /l_/! ̄  |__>‐く,.ィヽ ̄ヽ\
 ヽ.  マヽlへl   l      /  ̄ `   ``
   \__/ /\ヘ  !  __, |
   |_,./\/    └─_' |


            ___
       /      \
      /ノ  \   u. \
    / (●)  (●)    \
     |   (__人__)    u.   |    そ、そうかお・・・
     \ u.` ⌒´       /
    ノ            \
  /´               ヽ

しかし、やる夫はたびたび若い妻の頑固さに譲歩せねばならなかった。
家庭では決して万能な君主ではなかったのだ。

7◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:05:54 ID:QaonVuSQ0


1929年11月。ナージャは大学に進学するための勉強を始める。


    , ーーーー--- 、,,_
   /,,,,、、、、、、、、,,,,_   ~`'' -,
   /         ~`'ー--、,_l-ー、
.==='=======,=,===;;;;;、、、、,,_l  l
`'/  /  /` `l ,  '、 ~~~~`''、~=';;、、,
.ヽ  '、‐;-i、   ,,/__,_,/ヽノ,./  l  /
  ''l''l ' (:)〉  ´(.:)`i  ',-`i .l/;;-,    (む・・・難しい!!)
   i'   ̄      ̄  u ,、ノ  .l  .} }
   ヽ、(_`-------_~,),.ノ .l`ー-、'i,/ 
   /´           `\
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | 9=ε-8. | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,|
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そして、ソ連国内の情勢も次なる段階に突入しようとしていた。

8◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:06:40 ID:QaonVuSQ0


1929年12月21日、やる夫は50回目の誕生日を迎える。
ボリシェヴィキ幹部らはこぞってやる夫を賛美する論文をプラウダに寄稿。


                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()
 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__\              /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―--―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . '::. :' |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r'"
     / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
     | 答 |     後   継   者       │|
     \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ



     ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (@∀@*) < 偉大なる同志やる夫万歳!同志やる夫の指導の下、社会主義に邁進しよう!
   _| ̄ ̄||_)_ \________________________________
 /旦|――||// /|
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |
 |_____|三|/


この日、やる夫は名実ともにレーニンの後継者として認められたのである。

108月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:07:56 ID:LFdPwJWU0
やる夫崇拝の始まりですな

9◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:07:24 ID:QaonVuSQ0


【補足】


     ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
     =            ゙ミ
     ミ         ★  ゙ミ
     ミ             ゙ミ
    , ミ;=======.:::゙ミ
    /  ./ /      l ト、\
   \__/ /l / /  , /l'| ト、l ',
     l | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !    やる夫が権力の頂点に上り詰めた頃、
     l | l | ┬::cr / / ┬c」 |
      l | l !  l:::::::j  '   l::::j.! /    五ヵ年計画は大きな問題に直面していました。
      l | l l⊂⊃‐       ‐⊂/
      ! | |ヽ|        -   リ     そして、それはまたしても農業問題だったのです。
      ! | lゝ、          /|
      ! | |::::::::::ー┐ r‐:::イ:l. |
     /| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !


     |: : : : : : : :/   /        \ `丶ト、:.|:.:.:.:.:.:.:|: : : : :ート、、ヽ
    ヽ.ィ: : : :/   , /    l         'i '"´: : :.:|:.:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
      r‐:':::::::/   / / .     |     .l.    | .',: : : :.:|:.:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
     ',_:、:::/   |||.     |    .|.    | `丶;.:.|:.:.:.:.:.:.:!: : : : : :ハ::ヽ
      ノ:,'   .|l|      \   ト、   | l !´: :.:!:.:.:.:.:.,' : : :r ' `¬
      /:| | .   |十ト 、     |__x ┼‐ヽ- / | .).:: /:.:.:.:./: ::::::::|    |:
.      /:::,! |   .VV_ _\  `丁__ヽ|_____∨ ヽ{: : :/:.:.:.:./::::::;::::ノ|    !:    またか・・・
     /:::::ハ.ト 、 ト下丁丁  ‐-不三丁丁フ  ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::! |   .!:
.    .ヽ|l ',ヽ \| 弋_‐.フ    弋_ー_フ   | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l .!   |:    なんか年がら年中
         |丁|  ,、,、       ,、,、,、l  ! .|:.ヾ ニフ    !::l .|   |:
.           | l| ′′      ′′′| l| .|/:.:.:.:.⌒ヽ丶|. |:  ..|:    農業問題でゴタゴタしてるわね。
         / / 人             | l| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\|:   |:
          / /| |_  > .._  r_‐_、  _,  l l.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  |:     いつになったら解決するのよ。
       /,イ | |! /:.:.:.::::ハィュヘ: ̄「「ヽ ..,' .,':| |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ|:
      ノ'   | .| ,′/`ヾニンリ:::..:.:.:.:.:./ /:.:.! !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ

11◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:08:35 ID:QaonVuSQ0


          ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
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          ミ     ★     ゙ミ
          ミ            ゙ミ
          ミ;=======゙ミ
        / ,=          ヽ
       /  ,='  _  ∧_ _,,
      /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_     仕方ありません。
        ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\
         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ    農業はソヴィエト政権において
         ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ    宿命的とも言える課題だったからです。
          |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/
         | |{i t    _     / |    この問題を解決するには
         | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |    いかな独裁政権と言えども
         // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |    簡単ではありませんでした。
    r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
   __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
   ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |



       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|  さて。
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |  ではこの頃の農業問題が
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|  どうなっていたかを見てみましょう。
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /

【補足終わり】

12◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:09:28 ID:QaonVuSQ0


1928年から繰り返された穀物徴発は、しかし次第にその効力を失いつつあった。
農民達は作物を地面に埋めたりして少しでも政府に奪われないよう努力した。



  /~ ̄\
 ⊂===⊃
  (ヽ ´Д)
  ( つ ノ|
 (_)_)U川
゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙D゙゙゙゙゙゙゙

13◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:10:43 ID:QaonVuSQ0


すると穀物徴発隊は棒を持って農村を回るようになった。
棒で地面を突き、やわらかい部分があればそこを掘り返すのである。


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | おら!ここに隠匿してんだろ!わかってんだぞゴルァ!
 \___  __________________
       |/     ミ
              ヽ \
       ,,,,,,,,,,,,,,  ./ \ \
       [,|,,,★,,|]/     ̄
      (#´Д`)     i i i
''""~"'''"/    ヽ''"~"__i i i--、
    ./| |   | |   ̄ ̄ ̄ |:::::|
iiiiiiiiiiiii/ \ヽ/| |iiiiiiiiiiiiii::..  ノ__ノ            /~ ̄\
   /   \\| |                   ⊂===⊃
   / /⌒\ し(メ    .i i i               (´Д`;)
 / /    > ) \  ノノノ              .(    )
/ /     / /    .\_  ザックザック        | | |
し'     (_つ   /:::::/::...  ザックザック       (_(__)
            ノ・ ./∴:・:
           ''""~~"''

そして穀物隠匿は許されざる罪であった。
逮捕・投獄・追放・流刑が、すでに(後の時期に比べてささやかではあるが)各地で始まっていた。


タイーホしたぞ!/
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄/~ ̄\
[,|,,,★,,|]   ⊂===⊃
( ´∀` )    (´Д`;)
(つ ★ つ---⊂-⊂―)
..OGPU|   | | |
(__)_)    (_(_)

14◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:11:49 ID:QaonVuSQ0


農民に対する弾圧はますます加速する。
「富農」と見做された者には重税が課せられ、それが支払われないと土地が没収された。



           _
             |i|
             |i| ∧_∧    ∧_∧                              /」_∧     ∧_∧      
             G(Д  ;)    (Д <<  G      << ;) ___   ∧_∧     ||Д" )    ( ・Д_∧    
              |と    \    /    ヽ   \     G  G´|.XX|  (メД" )    8二  )    (T  (。。 メ)    
            di| ヽ  ,  ヽ   し  ヽ  しし  ヽ      〉   .ヽ.XX|   ∪∪ ヽ    || | ヽ     Y   ∪∪ ヽ  
            ム| (__,/ ヽ__,)   (_,ヽ_(_)ヽ__,)   (_ヽ_) ̄    (_) J      ||_) J    (_) J ヽ___⊃ 
"`"'"^´''"''"'"'^´''"''^´''"''"`"'`'''"^´''""'"^´''"''"'"'^"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"`"'"^''"`"'"^´''"''"'"'^´''"''""`'"'"`"'"^´''"''"'"'^


1929年には富農の生産手段の30%~40%がすでに喪失されていたが、富農の定義はあいまいだった。
村ソヴィエトの少数の幹部らの決定さえあれば、誰でも「富農」にすることができたのだ。

15◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:12:46 ID:QaonVuSQ0


農民階級の困窮は深まっていく。それに比例して穀物徴発量も低下していった。
生産主体である農民が疲弊しているのだから、農業収穫実績も減衰するのは当然である。

しかし、ボリシェヴィキはこれを「農民のサボタージュ」と捉え、むしろ暴力をエスカレートさせていった。



      , -―--  _
     ,r ' 三- _    ミ 、... ..  .┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
   r'  i  ` ゛ ‐-、   ミ、    ┃
  ,i'    ミ  _,.   `ヾ   ミ
  /   'i   , -‐    ` ミミ         私自身、それに参加していた。
 'i    ,i'    ;r'"'''__,;:ir_ミl,,;!
  ゝ  ナ -、_r'r tテ l-‐!;rtt l_ヽ         農村地帯を歩き回って隠匿された穀物を捜索し、
 i .: `ヾ   l  ´ / ヽ  、l /        老人たちの物入れ箱を空っぽにし、
  ! r':l     -‐ '   i ̄.T          女子供が泣きわめいても耳を貸さず・・・
.  ヽ ヽ          ̄ ヽ !
   `ヾl、     .:' ー ニ入 il          農村に必要な偉大な改革を成し遂げているのだと
     ,i! 、      ´ ,  i;:!__         信じていた。
    /:l l  `  _    -'-ノr':::::::::::::-.
_,.-::::::::::l. ヽ_     _, ‐'´ /:::::::::::::::::::               ――― 当時ボリシェヴィキの
:::::::::::::::;!rヘ -―-ニ 、   i::::::::::::::::::::::                    青年活動家だったコーペレフの回想
:::::::::::::r'   !_   ,.r ´ ヽ !::::::::::::::::::::::::
ソ連の作家・人権活動家                                                       ┃
          レフ・コーペレフ                 ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

168月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:13:15 ID:4DddfzaE0
アホだこいつら…

17◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:13:57 ID:QaonVuSQ0


農民達は抵抗した。
彼らは政府に抗議の意思を示すために種まきを拒否し、自らを飢えさせた。


    /~ ̄\
   ⊂===⊃
    (ill ´Д`)
    ノ つ!;:i;l 。゚・
   と__)i:;l|;:;::;:::⊃
    ⊂;::;.,.';;;;'::.:.;::.⊃


さらに村の学校や文盲撲滅施設は憎むべきソヴィエト権力の前線基地と見做され、
農民に襲撃されることもあった。


       タスケテー!!
       |  ____((⌒
       |  |'' ∧∧  (⌒;´⌒
       。・゚ ゚・(;>O<)・゚
       |   ̄∪∪ ̄ ̄'     |
       |__________|   (   ) ))
     ////////// /((⌒   ))
    ////////// /(⌒((⌒))  )),
  ////////// /(⌒( ⌒ ) ⌒ )
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   ( (( ⌒ )) )
  |  | ̄ ̄|          |   (( ⌒ )) )),
  |  |    | 学校      |  (⌒( ⌒ ) ⌒ )
  |  |    |          |  从::;;;;;ノ  );;;;;从
  |  |    |          | 从;;;;;::人 ;ノ;;;;;从人  
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ((⌒ )
           (( ) )
            ノ人.,、
           γノ)::)
       /~ ̄\ ゝ人ノ
      ⊂===⊃||
      (#´∀`)∩ <学校は村から子供たちを奪う悪魔の手先モナ!!焼き討ちモナ!
      (     /
      | | |      ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      (__)_)      (    )    (     )   (    )    )  <おー!!!
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )

18◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:15:41 ID:QaonVuSQ0


【補足】

          ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
          =           ゙ミ
          ミ     ★     ゙ミ
          ミ            ゙ミ
          ミ;=======゙ミ
        / ,=          ヽ
       /  ,='  _  ∧_ _,,
      /,,_ {i ,~ ~  /´ ハ^、_      このほか、村ソヴィエトの
        ヽi} / /   / ヽ_/ ヽ__,,\    党書記や議長、穀物徴発隊員が
         { | _|__,,/ /  ̄ \ヽ     農民に殺害されるケースが
         ヽ | _|∠_// ┬―ゥ ヽ     多発するようになりました。
          |`、ヽ.__ノ    ヽ-‐' _/
         | |{i t    _     / |     これら農村の抵抗は
         | | i} > 、___ヽノ_ ,ィ リ| l| |     ボリシェヴィキとしても
         // i} / }-‐斤ヒl、__| l| |     見過ごせない大問題でした。
    r、   //,,i} //}} l|》o《|! {{`lヽ
   __ゝ |i}^V'' __/  }}  ハ  {{ |
   ヽ  ノ'  `j    }}  /X |  {{  |


                  _/´:: :: :: :: :: :: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
                 イ:: :: :: :: :: :: イ''´ ̄`''ー- 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::\
              /: : :i:: :: :: :: :: ::/        ヽ、:::::::::::::::::::::::::::|
             /: : : : :|:: :: :: :: ::/           \:::::::::::::::::::ノ
            i: : : : : : :l:: :: :: :: <              \::::::::::/
          /::|: : : : : : |:: :: :: :: ゝ   i    ',   i     ヽ:::::ノ
         /:: :: :|: : : : : ::|:: :: :: :ノ i  |    .|   |      V
       {´:: :: :: :: :|: : : : : :|:: ::::il´ \|   |    .|   |      ',
       廴:: :: /:: i: : : : : i:: :::ノ  ナ\ |、   ハ.i  ,' ./     |   i   毎度のことだけど、
        >┐:: :: :∧: : : : |:::::丁下ヌヽ/X´/ソ | /_厶 i   .| ィ .|   ソ連は後進的農業国だから
     ┌=ィ∧:: :: :: ∧:_:_:_:|ノ八.弋:.:ノソ      ≦  '、   ./ /  |   農民に離反されると
       >彡/ハ`ー、::::Xrtjヘ},   ー '      丁下ヌy  ./ .} ハ/   国家経済が成りゆかなく
      ゞ//  ', i  廴_t及ン::| ',            弋ツノイハ┌、/ン     なってしまうのよね?
      /イ/   i i i  iヽ:\::ヽ ヽ        '   ¨  } .i i \´
.     //i l   l l l l .l  \ゞハ ヽ     _      人 l lヘ \    ていうか党書記が殺されるなんて
     レ i l    l l l l .l    コ>ヘ ト、   ´’   イ V弌 i \ \   軽く内戦はいってるじゃない。
       `   | | | .l }v´ ̄: : : : ) ヽ: ` - ' ´`ー 、_」 V ヽ、 ヾ \
          |  | .| ili: : : : : : :/: i `,Vハカ: : : : : : : : :入 ヽ \ \ \
          |   | ムl: : : ::/: : }  iンィソ: : : : : : :/  ヽ `v、ヽ  /ソ
          | ,-'''´:::::::>=: : : : :ノ  ノ∧: : : : : : :イ ヘ、  .V  ) ).//

198月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:16:19 ID:aA1VrQn20
というか、一番生産効率が良くて熱心だった富農が消えたら収穫量激減は当然過ぎるだろ

20◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:16:28 ID:QaonVuSQ0


       ,.:-=;1ー;1―;1―;1―;1―;1―;1―,=;:、
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ         ★           ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ                     ゙ミ
       ミ;==============゙ミ
       〃. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:ヽ     k
.       / . : : .:.:|: : : : : : : .:人: : : : : : : : :',     ! :',
     ,'. : : : :.:.:.:.|: : :,':,'.: : / \\_.:.:.:|.: : :.! *|.:|    その通りです。
.    |: : :.:.: :.:.:.|.:.://.:.//  ̄ \\メ、.:.:.:!   |.:.:|    工業化に必要な資本は
.    人 、 :. :.:イ////    ,.-≠ ミ.、!.:,'   ,'.:. |    主に穀物の輸出によって獲得していました。
       \\:.:.:.:lYl⌒ヽ    /|  :::::::l! |/   ,': : :|
         l\\八 フ:ノ   ′ フ__ノ' ,'    l.:.:.: :|    農業が政府の統制下にないと、
        |ハ *ミ ,,`´       '' .イ  *|.:.:. |    五ヵ年計画が目指す工業化そのものを
.         ノハ  >.....__冖_ <:八     い、ヘ    破綻させかねません。
      r 彡.:.:.,'     !:.|「≠介トn,、リ≠、.:\    \\\
    <-=≠:/     ,'.:〈チ_/小.シ〃゙ ト、У.:.ハ.     \<
   /-=/     /.:f癶=キト込、/:.:.:.〈〉ー-ハ  ※  ∨\
    >-´  ※ //xタミⅩ彡:::ム|:.:.:.:.:.:〉.:.:.:.:.:',      ∨.: \
    ̄|>x、._/-_j斗'"ハ:::ハ:::/|.:.|:.:.:./\ .:.:.:.|___/\.:. /


     |: : : : : : /   /´  / /          「: : : : : : |:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
    ヽ.ィ: : /     / / /    /    |  ', `丶ト、: :.|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
    r‐:':::://  /  /  !  .!   | i  ハ |、  | i'"´: : : :|:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
    ',_:、://  !  .! i !   !   | i!  | !.! !  l ',: : : : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
       ノ! |  | |  || i!|  |    i!.ハ  ! || |  ,! |`丶; : :.|:.:.:.:.:.::!: : : : : :ハ::ヽ
     /: | i!  | |  || .ハト、 i!,  ハ !、!__| .i! | ./ ! ,! !´: : : !:.:.:.:.:.,': : ::r ' `¬
.    /:::::| ||  | |! !斗┼七!ハ  | || ∨ ̄}`|7 メイ|  ).:: : /:.:.:.:./: :::::::|    |:    それなら農民に譲歩した方がいいと思うけど・・・
    ヽ::|Ⅵ  Ⅶ! | ト{  Ⅵ \! }!       ,リ! {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ノ|    !:
.      |  \ |从 Ⅵi'芹笊示    芹r笊示ミx | ハr'^,-ヘ':::::::::}::! .|   .!:    譲歩したネップが結局工業不況を引き起こしたから
.      |   ヾ.| \ハ 。之zリ      之zzzリっ | |/j〈ィ'>》_ノ"!::l  .!    .|:
.      |     |  ||!     ,          | | .ヾ ニフ.   .!::l   |    .|:    強硬手段で乗り切るしかないと結論しちゃったのね。
.      |     |  圦 ""        ""    ,! |/      ヽ:|   |l    !
.      |     |  || ゝ.   __ __    .ィ | |          |.!   |
.      |     |  ||    |i> ._   _. <:::| .| |           | !   !
      l|     |  ||    ||   ,「 ̄    `| .| |          | l   |
       !|     |  /'   〃  /ノ         \| |          ! !   !


【補足終わり】

21◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:17:37 ID:QaonVuSQ0


ボリシェヴィキ指導部は「反動的農民」と「富農」に対する敵愾心を強めていった。
それとともに、農業問題を「根本的」に解決する必要性にも直面していた。


         ノ L
         ⌒
      ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
     〈○ ノ\   /\ ○〉ノ L
       ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ ⌒
       )    Y    (
      /γ⌒     ⌒ヽ\      な、なんて恥知らずな愚か者たちだ!
     /  |         |  ヽ
     |   ヽ__人__ノ   |     奴らにはしゃ社会主義が何であるか
     \     `ー'´     /     理解する頭脳がないのか!
     /     `ー'      \ |i.
   /            ヽ !l ヽi
   (   丶- 、         しE |.
    `ー、_ノ         ∑ l、E ノ >
                 レY^V^ヽ


              ,─、
          , ─ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~─、
        /            \
       /               l
       l                 |
      |┌─-______──~|  |
      |/               J  |  |                 今現在、
      |   -─_       _─-、 |  |                 工業化に必要な資本を
      | /\__/|   | |___∠ヽ \|                 工業自身で自力獲得する
  __ ─|  「`--' _l __ /_`--' /   |─__              体制はまだ整っておらん。
 (_ | |  | \ヽ ̄_/ ┐┌  \ ̄/ / | | | _)
   ̄ ─|  l  ̄            ̄  l  |─ ̄   ___       資本蓄積を穀物の対外輸出に
        | | ┐ ,─     ─、  |  |_   / ヽ___ 入      頼っているこの段階で
     //|∩ |┐_ ヽ r _  l  |  |::: ─_|       l      農村の情勢が不穏なのは
   /::/::/ /| /~  ───  \|   |   |\:::::::::|       /─、    決定的な不安要素なんじゃよー!
   /::/::| 〈 | |┌──── ̄ 7|     l\\::::::\___//  \
  l:::l::::| ヽ  | ~| _____/ |   /|:::|::::::\:/     /    /─、
   \:::|  ) / /        丿  /:l::::|:::::::::/ \   /    /   l
   | \|__//~─- ̄ ̄──'  /::/::::l:::::/   l  /    /   /~l
   |  |   |─______─ ':::::/::/:∠_   |/   /   / /
   |  |─-|:::::::::\::::::::::::/:::::::://:::|   7\  l _/ |__/ /
   |  |   |─__ `──':::::::::::/::::::─\__l_ /        \/
   |/|   |  \:::: ̄ ̄ :::::::::/ ̄ ̄::::::::::::::|\       /|
   |/|   |    \::::::::::::::/\:::::::::::::::──| `───-/::::::|

238月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:19:03 ID:5vQjaY9YO
こいつらの頭の中にまで富農がいるんだろうね。

22◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:18:32 ID:QaonVuSQ0


農業問題を根本的に解決する最終手段こそが、農業集団化であった。
つまり、ソ連各地に点在する隔絶した農村から農民を切りはなし、
      コルホーズ
農民らを集団農場で集中管理することで伝統的な農村共同体を崩壊させることである。


    ______________
   /|//              / / /|
 //|/ /         // / /  |
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.///.|
 |/ |   .∧,,∧.  ∧,,∧./// │   .|   【集団中】
 |  ∧∧(´‐ω‐`)(´‐ω‐`)∧∧.  .|   .|
 | (´‐ω‐).∧∧) (∧∧ (‐ω‐`) .│///|
 | | U (´‐ω‐`)(´‐ω‐`) と ノ ./| .   |
 |  u-u (l    ) (    ノ u-u / .|/// |
 |       `u./ '/u-u'       |  /
 |//    //    //     |/
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


それと同時に、ソ連農業を無数の小規模個人生産から、コルホーズを中核とする大規模集団生産に切り替えれば、
トラクターなどの集中配備と運用によってソ連農業の近代化を加速的に進めることができると期待された。

24◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:19:31 ID:QaonVuSQ0


さらにこの過程で富農は土地と家畜などの生産手段を没収、北極圏やシベリアなどの未開地帯に追放され、
そこでソヴィエトの未来の為に新たな耕作地帯の開拓に従事することとされた。

       ____
     /⌒  ⌒\
    /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\      農業の近代化も達成できるし
  |     |r┬-|     |      富農も追放できるし、一石二鳥だお!
  \      `ー'´     /

25◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:20:39 ID:QaonVuSQ0


当初、このような壮大な農業改造計画は非現実的とされ、実現には少なくとも数年、あるいは10年以上、
それも農民らの自発的な行動によるものでなければ成功しないと考えられていた。

      ∧,,∧  .∧,,∧
  ∧∧(´‐ω‐`)(´‐ω‐`)∧∧
 (´‐ω‐) ∧∧) ( ∧∧(‐ω‐`)    <いくらなんでもそんな強硬的な・・・
 | U (´‐ω‐`)(´‐ω‐`) と ノ
  u-u (l    ) (    ノ u-u     <子供の妄想じゃないんだから無理だよ。
      `u-u'  `u-u'


     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |    ・・・・・・
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


やる夫も党内世論に配慮してか、はじめこの案に慎重であった。

26◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:21:01 ID:QaonVuSQ0


しかし、次第に農民に対する敵愾心が高ぶりだすと、方針を転換していく。


      ノ L
      ⌒
   ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ
  〈○ ノ\   /\ ○〉ノ L
    ヽ彡'  ヽ /   ヾ_ノ ⌒    ソヴィエトの事業の妨害を目論む
    )    Y    (         ふ、富農どもの背骨を粉砕すするにはっ!
   /γ⌒     ⌒ヽ\       集団化を以て他に手段はない!!
  /  |         |  ヽ
  |   ヽ__人__ノ   |      ただちに完全で圧倒的な集団化を達成すべきだ!
  \     `ー'´     /


特にモロトフは反農民の急先鋒だった。
彼は現在の控えめな集団化の見通しを「臆病」と罵り、即座に強制的な集団化の実施を叫んだ。



     ____
   /      \
  /   _ノ ヽ、_.\
/    (●)  (ー) \
|       (__人__)    |    (ま、暴力ってのは振るえる時に振るえるだけ振るうもんだお)
/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


そしてやる夫が、この機会を見逃すはずがなかった。

27◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:21:47 ID:QaonVuSQ0


50回目の誕生日を迎えて間もなく、やる夫は久しぶりの公的演説を行い、
その場で富農に対する憎悪を隠そうともせず振りまいたのだ。


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }     クラーク
     /:::\:::/::\.   |   |     富農の撲滅と!
   / <●>::::::<●>\  !   !     階級としての富農の「清算」は!
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l     我々の全政策のなかで最も重要な転換の一つである!!
  |     |!!il|!|!l|      |  /
  \     |ェェェェ|     //       社会主義建設のために富農は
  / __        /        徹底的かつ、完全に排除され抹消されるべきだ!!
  (___)       /

     ┏━━━┓                               ┏┓┏┓
     ┃┏━┓┃                               ┃┃┃┃  ////////
 \   ┗┛  ┃┃┏━━━━━━━━━━━━━┓┏┳┓┏┓  ┃┃┃┃   /////
\\\    ┏┛┃┗━━━━━━━━━━━━━┛┗┻┛┃┃  ┃┃┃┃   //////
\\\  ┏┛┏┛                         .┏┛┃  ┣┫┣┫ ///////
\\\  ┗━┛                          .┗━┛  ┗┛┗┛ ///////
\\\\                                           ////////
\\\   [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  . [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  .  [|,,★,,|]   //////
\\  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ///////
\ [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]    [|,,★,,|]  ////
 ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ  ヽ(・∀ ・)ノ ////
(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ ))(( ノ(  )ヽ )) ///
   く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     く  >     //

28◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:23:03 ID:QaonVuSQ0


そして年が明け1930年1月5日、ボリシェヴィキ党中央委員会は
農村に対する決定的な宣戦布告と、死刑宣告を行った。



              ,.⌒ヽ      γ⌒ ヽ ))
            ((〈● ノ\   /\ ●〉
               ヽ彡'  ヽ /    ヾ_ノ             農業集団化は!!
                 )    Y     (               2年以内にすべての穀倉地帯で
              /γ⌒       ⌒ヽ \             完全に達成されねばならない!!
           ((  |  |         |.   |
         ((   ヽ ヽ__人__ノ  ノ             そして現在の富農による大規模生産を
               \   `ー'´    /              コルホーズ生産に移行させ、
             __/ニヘ       ' 「L__              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
        __,,,,==ニニ三三ヘ.      ||三ニ==、__        「階級としての富農を清算」するのだ!!
     /三三三三三rイ◯三ニ|   \__,/ |三三三三ニ==、
     _|三三三ニ/  `ーイニ三;;| ./三\ |三三三三三三;\
    _|三三三=广 \. `i,j! }ニ;|  \三/ :|三三三三三三三|
     |三三三iく  \  { /三=|  :|三|  |三三○三三三三;|
   __/三三三|| \_}ー^三三三|  |三;| |三三三三三三三;;|
 /三三三三;|\__,リ三三三ニ|  :|三;;| :|三三三三三三三;;;|
 |三三三三三|   /三三三ニ=;|  |三ニ|:|三三三三三三三ニ;|
 |三三三三三`==='三三三三三ニ| |三三||三三三三三三三三|
 |三三三三三三三三三三三三三V三三三三三三三三三三三||

29◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:23:51 ID:QaonVuSQ0



     ,.:-=;1ー;1―;1―,=;:、
     =            ゙ミ
     ミ     ★      ゙ミ
     ミ             ゙ミ
    , ミ;=======.:::゙ミヽ
  /  ./ /       ヽ\ \
  \__/ /l / /  , /l'| ト、l ',/
    | / l/|7ニイ´/〃| -L.l !
    | l |┬::cr ./ /┬::cr」 ||    これはつまり、
    | l ! l:::::::j   '. l::::::::j. !l     農村に対する徹底的な破壊宣言でした。
      ハ ⊂⊃‐     ‐⊂⊃|
       l \     _    ,/ |     農業集団化・・・後世の人々に
     /l .lY` ー‐┐ r‐ イ| |     人類史上もっとも野蛮な事業として知られる
     /| l::::::::::;ィ´ {X}ik'::::::l. !     この大虐殺が、ついに幕を開けようとしていたのです。
     l l__j::::::::/: i_lil__|:i::::::! !
    / /  ::::: i: : :l:::::ヒj::l」 : l_|!

30◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:24:50 ID:QaonVuSQ0


   ――― ヨーロッパのパン籠、ウクライナ

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. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : 。. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : + . : . : . : . : . : .
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    ./|_.:::|:::::|/l:::::|:::::::::::::::::::::::,.へ...:||:/         \::||::::::::::::::: , へ::::::::::::::::::::::::/|_::::_|::.__|\       \::::::::_::::::
 ̄ ̄|:::::|/| :|:::::::::: |::: |:::::::::::::::::,、へ:::/:..||'           `||; ::::::::: <:::::/ヽ.へ.::::::::::::::::::::::/|:. .:|:::: | ̄ ̄ ̄ ̄|::::::::::::::::::
_ロ_ : |:::::::::: | :|:::::::::: | ;:;:;:;:;:;:;:;:/::::\「|..:/              \::::::::「|、l /:::::::: \;;:;:;:;:;:;: ヽ|_,..:::|:::: | ロ   :ロ |:__::::::
/|::..|:::::::::: | :|:::::::.. ;:;:;:;:;:;:; ,.へ.:::::::::/|:|:,'                  \.:|:| :|\:::::::::::,.へ.,、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|:::: |: . ___i|\  \:
. : |::::|:::::::::: | :|::..;:;:;:;:;:;:;:;:/\::::\/:.:!;!'                 `l;l::::::\:\/:.:/::::\;:;:;:;:;:; |:::: |:::::|\:::::::::: \| ̄ |:
. : |::::|:::::::::: l;:;:;:;:;:;:;:;:;:/::::::::::: \「:!:.:/                       \:::::\!「:!'´:::::::::::::::\ ....::::::::|:::::|::: | ̄ ̄ ̄    |:
.::: !:: |:::::::...;:;:;:;:;:;:; /\::::::::::::::::/| |:,'                     \::::::| |:、::::::::::::::: /\ . .::l.::::|::: | ロ: :ロ: :ロ :|:
:::::;::: |::.;:;:;:;:;:;:;:;:/ .:  \::::::::/l | |'                           \| l、::\:::::/..;:へ.:\..::::::|::: |          |:
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31◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:25:31 ID:QaonVuSQ0



        |!   /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|   i     |::::\       |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
同志。   !  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|   i     |:::入 \-‐ ─ ,|  ''''''';;;;;;;l , ´
5日の党中央 /::::::::::;;''''  |    i       |  \ i -‐==;      | .l
決定を   l /; -"     >、,____l___ _,,,,|:::::::  Y:::::::::: >      | |   今や富農に対する
見たかね? ,l       く~   ̄    __  ]::::::::     l       l. |   大衆的な攻勢が
     ,  l/        〕"~'';''・''ヾ' ;;;;;;|' l:;;;;;       l   \  l |   始まろうとしているのだ。
 --‐ 、  |         ノ       \l||  i 、;;;;;;;;;;;;;;,. i    \ ̄ l
-- -- -ヾ  |- --- -- i' .....,        )! - ヽ、____;;;ノ- - -- - ---ヾ
  /  `ヾ|      l:::::::::::...................;;;;;;;l||||   l||||||||||||||lll        \ `   -‐
/            |`::::::::::::::::::::::::::::: -~;llll||  l|||||||||||||||||||||l         \
            ll||` ==== ==__,;;;ェェェ%ll||l  l|||||||||||||||||||||||||ll         \

32◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:26:26 ID:QaonVuSQ0


            >´ ̄  ー </// ヘ |  ヽ\
           /           ヾ ノ l   i i |
         /            ∨ / ノ| l |ハ
     /\  /     ─ ー=ニ=‐x  ∨ / j //! |
   / /ヽヽ/ー    _  / ̄ ̄\ヽ Ⅵ /// ||
   / //^l |  ̄  ─  y; -‐=ミ、_Ⅵ;ノ|//// / ,′
.  |  |;'r‐{           |{   \{{i;jメ}zt|/// /|/
.. 八 ヽ! /     _    {l   ⌒`ミ1厶7i^V|/     これは「戦時共産主義」とは
   〉、 Y      { r‐、    ヽ __ ノ¨⌒{_ノ       比べものにならない事業だ。
..  彡 }_j        \            ヽ
 ̄                   ‐t=‐-    ー─一〉      穀物を徴発するだけではない。
─、    i           \ ` ‐=ニ‐   r  ´       コルホーズ生産を確立し
  >x、八          \ `‐=ニソ__」         ソ連農業そのものを社会主義化する。
\    `>、          `ー‐ {´
  \     `  、         √           まさに本物の階級闘争だ。
   \       `  、     /            資本主義への最終戦争だよ。
     \         ` 、 ィ´

33◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:27:31 ID:QaonVuSQ0


                 ,.:;1ー;1―;1―,=;:、
                 =          ゙ミ
                 ミ    ★    ゙ミ
                 ミ          ゙ミ
                 ミ;======゙ミ
                `〈カ≧_ソ}=(ー゚'ノ゙ijソ
                 `fi',  ´::;i´ ̄ 'j'         楽しそうですね、同志。
                _, ィハ 、_,;='_ , ' レト、
          _ _, -‐'フ///ハ `二'´ ,イ!.:`i`ヽ、_
      ,r‐イ>≠ - 一 '´/.:.:.,! `ゝ--‐'/ |.:.:l  \ト、ー-、
     _厂  ̄ ̄   , ィ´.:l1/iヽ /jj / ト.:.ヽ   \`¨`ヽ‐-、
    「 `\ __ _,.' ´.:.:.ヾ:.」!.:.:.:l.:.l/ ヽ;;;;l_/ !.:.:.i:.゙、.  \ j /! ヽ
    | ,r‐'',;´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.」|.::.:..:.:.ヽ !;;;;;i /.:.ヽl.:.:ヽ    \/   ,久
    1 l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l/;;;;;;;l /.:.:.ヽ.:.:.:.:.:\  /  ,/ /ト、



           _  /^ ̄ ̄¨¨¨ーrm,,
           i ^^´ \ \   \ ̄\
          _人ヾ\  \ \   \  `i
         ヘ   i \  \  `i    ヾ  i
        |三ミ   ||||\   i  |    |   |
        レ   ミ/:::::::::i    |  | | |  |  |、
       〈   ;^::::::::::::::::::|| |  ||  ||||| | | | |
        .レ/i::::__x≠x v | レ^,-三=テヽ//,/      ああ、楽しい。
        l(\ r´r´_土ヾ示~^|≦ミゞ"  || ノ
        ヾヽ\rヘニゞ゚"` }t‐ー´\;;__/ |/
         \::|::\_:::::::_,/^|::: ::::::::: _ヘ .| \,,,...,,    とても楽しい。
          ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェヲ  .|\ \:::::
          /.∧:::::`ヾ-=;;;ー二二ノ´ /||\\\
     _┌ー¨¨/ ;;`\;;::::::::- ̄:::::"  /´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||`"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::   ||  \
__,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ヘ||||::::::::::::::,ヘ \::::::   :|;;;;;;::::::

348月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:28:32 ID:LtV.3Nhg0
お前原作じゃ伍長んとこの人間だろww

358月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:28:41 ID:5vQjaY9YO
小佐はどうみても「階級としての富農」どころか、農民自体を清算しようとしてるじゃないですかー!ヤダー!

36◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:28:49 ID:QaonVuSQ0


                      / // ///:|  | / | / / / //  ! |/ // / / / /
                       / // /'|/|/! / / / /ィ/ /¨//`ヽj/// / / / /
                  /|// / | /| / /─| |/ |/ //   |//|// /  /
                    ∧| /^ヽ/|/_| /´ ̄! /   ー-=zx、!/ \ / /
                     Ν/  ,; ヽィ'7'/    |{!    ゞミ、弋えラミ、厶イ;; ,; ;      階級闘争だよ。
                   ∧{  〃 {ノ/,/     l|八    ⌒ヽ  }}  }lト;; ;'、      考えてもみたまえ、君。
                    { V //ヽ|         \      ̄ ̄>’ √\\三≧
                   Ⅵ {::.. |/    /`ヽ      \        ィ仁二\\/    きっと血みどろの
                     |ハ ∨      { {r‐、       `ー一r≦シ⌒ ̄ `ヽ/     闘争になるに違いない。
                    Ⅵ} /       \            ̄       ヽ
                  r=/ ;゚             ト=-             r─  ─一〉   素敵だろう?
             ノーノ;ハ {           ヽ‐=ニ=‐        ヽ   フ::::/
            イ′ |  ヘ ';                \‐=ニ三ニ=‐ 、 \  .:::::::;/ヽ    闘争、闘争だよ。
 ─ ┬一  7厂´     |  八ハ                 \‐=ニ三ニ=‐- 、ヽ  ̄
   /    /         |   \             \ `  ‐=ニ三ニ=‐ヽ\ |
   ′  /            |     \               ヽ    ` ‐=ニ三ニ 〉 ノ
               ウクライナ共産党政治局員
                         パーヴェル・ポストゥイシェフ

37◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:30:17 ID:QaonVuSQ0


パーヴェル・ポストゥイシェフは、やる夫の初期幹部メンバーのなかでもっとも薄汚い唾棄すべき存在である。
狂信的なイデオロギストであり、血にまみれた幹部たちのなかでさえ抜きんでた残忍さで恐れられた。

         ,- 、
          /   !
        /   /      , - 、
      r‐、ト  l    /  ノ
      !  !  |   /   /                  ,.z=='三ミミ=-,.、、                       f¨ヽ  r‐ 、
      ノ  l.  | /   /                   __」fr三ミヾヾミミミミヽ、                      l   ', !  ',
    〈  .l   l./   /,..-‐ ''"´ )          r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミミミヽ              _        |   l ',.  ',
    ',  ,!  ,/   /    ,.>'´          l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミミl              ! `ー- 、   !.  | |   l,.-‐ 、
     レ    〈   '    >'´                 尨ィ三ミミヾ川ヾヾヾヾヾヾミi、             ヽ、.._  ヽ、 |   l. |  l. /
      | ヽ          '´ ̄ ̄⌒丶、          ,Y彡三ミミヾ'゙゙゙ヾヾ、,斗、ヾリ `ー- 、              \  ヽi.   lノ  l./
     ',   ` ー  、_ ,ァ‐一ー-、__,!       ,. -‐'" ヾ彡テ'´    ヾ/ヾヾ州l     ヽ          ___ヽ  ヽ  '   l'
     ',          {           /       klV' /^`ヾ' ' ,r' ⌒刈、      ト、      r‐'´    `  _, -' ´l
      ',        ,!、        /、      , lヾ,ヘ. -zt;テ=y彡'^ ¨´ |'^ヘ     l ト、     `ー ' ´ ̄}  `´       !
      ',        ノ`ハ          ノ ヽ   /  |. `Tヾ(____ノ __V ,イ /  ハ   !  イ        ,r,=i           !
       くヽ、__ .. -‐'^}/ ',        ,! i   ヽ     |   |. ヽ、''ー-=≠'"ノl    V , レ' ,ハ       /(. ト          !
         |`ー‐    /   ',      r'   !  V   |    !  l `>rー;<_|     V,イ   l         / `くヽ、      ,'
         ト,____,/     ',    ノ^ヽ  !  V   !   l  l/  ソ叭  `|      ∨ -‐'  !      /    `ヽ、 ー- イ、
.       /八。./       ',  /     、   ヘ  |     ヽ、  〈/^ハ〉  ト-、_____〉.    l     /        ヽtーァヘヽ
      l lii/            ',/         `ヽヘ !     ハ.   ル' |l  /   \ |   ,   ヘ. /            ヾ'|i|!l |
      ノノ/               V            >イ└─ー-/ ヽ, ,! |V      \ ノ     レ'             ヽli;l !
     .///  /´〉        ヽ、 、     /  }ヽー   /    ∨   レ'        /   ,.ィ"               ,、 r、 Yr'
    〈_'_   ー' /゙〉         ヾ ヾ  /     ヽ   /      ヽ/       / |   '´ /            ,、.「儿j U _'」
      `ヽ、 ー'/〉_           ! l ∨        l   ヽ、__ /,. -''"´ ̄丁`ヽ、トv' / l'           Y ,. -‐''"´
          \ "〈/        リ  |       〈ヽ、     // /      !    V { '         ,. -‐'"


革命後、テロを繰り返し恐怖をまき散らしたポストゥイシェフは、
農業集団化においてモロトフにならぶやる夫の共犯者として膨張することになる。

この男の手によって、無数の無辜の人々が飢餓と拷問の中で死んでことになるのだ・・・


【第二十六話 五ヵ年計画 終わり】
                                           第二十七話 農業集団化 に続く・・・

38◆J7qCZtZxmc2012/08/11(土) 22:31:51 ID:QaonVuSQ0
今回はここまでです
次回は8月末ごろかにも

やっぱり100レス前後が投下するにもラクでいいすな・・・

398月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:32:37 ID:LtV.3Nhg0

レーニンがやったのに続いて二度目のジェノサイドの始まり・・・・
ホントウクライナに現代まで人間が生き残ってるのが信じられん

408月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:32:54 ID:LFdPwJWU0
同志>>1Ура!

農民たち・・・本当の地獄はこれからだッ・・・!!

418月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:33:59 ID:aA1VrQn20
乙乙! 共産主義がカルト宗教だって言われるのがよく分かるわー。
この世の地獄、七道が具現化した悪夢が次回に……

428月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:35:01 ID:45hNZw8o0
おっとろしい・・・乙!

438月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:36:38 ID:0AWxZcbc0
農村受難物語だなぁ乙

448月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:39:44 ID:VqU2Okrc0
同志>>1Ура!


458月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:45:51 ID:M3EeKhLs0
乙です
きたで!ウクライナ史上最大の悲劇きたで!!!

468月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:52:52 ID:mr7RBcqk0

まだこれから…なの?

478月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 22:59:19 ID:M3EeKhLs0
まだこれからどころかまだ始まってすらいねぇよ

488月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 23:05:07 ID:LFdPwJWU0
>>46
嘘みたいだろ。ようやく地獄の門を叩いたばかりなんだぜ。それで。

498月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 23:44:02 ID:3aqmMHvI0
でもまあ、農民の虐殺は「やってしまった」ではなく
「やるしかなかった」んだと思う。

日本だって工業化の過程で足尾鉱毒事件とかで
付近の農民まるまる見殺しにしてるわけだし。

508月11日に短編祭りだお2012/08/11(土) 23:45:50 ID:.fmQxtz.0
限度があるわw

518月11日に短編祭りだお2012/08/12(日) 00:20:28 ID:1DXJnhkA0
『○○の教えで世の中を良くしよう』ってのは宗教の教義として最強クラスの破壊力だなw
100%善意でトンデモないことをしでかすから実にタチが悪い。

528月11日に短編祭りだお2012/08/12(日) 00:24:41 ID:7.4lKJ2g0
地獄への道は善意で舗装されている、っていうのはこの教義の教祖たるレーニン自身がどっかから引用したお言葉だっけw



元スレ
やる夫は赤い皇帝になるようです 第七次五ヵ年計画
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1344690102/










>>URL

No title

富農は富農で、売り惜しみ出し惜しみで国民を飢えさせるわ、
古くからのやり方に固執して生産性の向上に努めないわ等の実績があるからなぁ……。
叩かれるだけの恨みは十分に買っていたと思うよ?

ただ、「甘やかしてたら調子に乗ったので、全員纏めて奴隷に落とす」とか、極端なんだよw

Edit | 2012/08/12(Sun) 18:15:23

創造力有る名無しさん >>URL

No title

最も愛したであろう娘には「孤独で猜疑心の塊のような人だった」「家庭でも独裁者だった」と散々に貶されてるスターリン同志に敬礼。

Edit | 2012/08/24(Fri) 12:14:07

創造力有る名無しさん >>URL

No title

>>>富農は富農で、売り惜しみ出し惜しみで国民を飢えさせるわ

度重なる強制徴収と逮捕・摘発で、この時点でほぼ富農と呼ばれる人達は絶滅してまっせ。国民を飢えさせた最大の原因は、富農ではなく無茶苦茶な工業化と飢餓輸出と物流の機能不全だぜ。

Edit | 2012/08/24(Fri) 12:18:22

>>URL

No title

>「家庭でも独裁者だった」
でも嫁は思い通りには出来なかったみたいね

Edit | 2012/10/18(Thu) 03:48:30